おならが臭い原因は腸の疲れ?臭いを改善するための対処法を紹介

おならが臭い原因は腸の疲れ?臭いを改善するための対処法を紹介

おならが臭いと感じる原因として、身体の不調が挙げられます。また、食べ物を消化・吸収している腸が発するおならの臭いは、食事の影響も受けやすいと言えるでしょう。栄養バランスの偏った食生活や、ストレスによる腸内環境の悪化も、臭いの原因となります。しかし、生活習慣の影響だけではなく、疾患を抱えている可能性もあるのです。そこで、おならが臭う原因や、考えられる疾患を見ていきましょう。また、おならが臭わないようにするための対処方法も紹介します。

おならが出る仕組みは?

おならとは、腸内に溜まったガスを排出する行為です。おならは、二酸化炭素や窒素でできており、腸に達した食べ物、食事の際に食べ物と同時に飲み込んだ空気から発生します。腸内で発生するガスが空気と混ざることによって、体外に排出される仕組みです。

生活習慣の乱れでおならが臭くなる?

おならが臭う理由は、生活習慣や食生活の乱れなどさまざまです。特に多い理由として、偏った食生活や水分不足が挙げられます。腸内環境が健康な状態であれば、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが良く、便秘や軟便といった腸のトラブルも起こりません。しかし、悪玉菌増加の原因である脂質を多く含んだ食事によって、2つの菌のバランスが崩れてガスが発生しやすい状態になります。

また、大腸や小腸はたくさんの水を吸収する臓器であるため、水分不足によって便が固くなってしまい、排出しにくくなることが特徴です。固まった便が腸内に長期間にわたって留まることにより腸内環境が乱れて悪玉菌が増え、留まっている便との臭いも混ざるためおならが臭くなります。食生活・腸内環境など、いずれかひとつだけに該当するのではなく、複数の要素が合わさることによっておならが臭うことも多いです。

腸疲労によっておならが臭う!腸疲労の対処方法

腸疲労とは、胃腸などの消化器官の機能が低下することであり、暑い季節に冷えた食べ物や飲み物を摂取することや、食欲が減退してしまい食事の量が減ることで起こります。ほかにも、野菜やフルーツを食べない、水分不足、運動不足、睡眠時間が短いなど、食生活だけではなく生活習慣の乱れでも、腸疲労が起こるのです。腸疲労の状態になると、栄養バランスの整った食事を摂っていても吸収されにくくなるため、体調不良を起こす可能性もあります。

体調不良の症状として、食事を消化・吸収できなくなる、腸内で水分を吸収できなくなることが特徴です。腸内で水分を吸収できなくなると便の水分量が増えるため軟便になることもあります。そこで、腸を休めて本来の機能を回復させる方法として、簡単にできる3つの対処方法を見ていきましょう。

1つ目は、腸を休めることが大切です。1日3食しっかりと食事を摂らなければ、空腹により間食をしたり、1食でたくさんの量を食べたりといった不規則な食生活になります。いずれのケースも、胃腸が休まずに消化活動を行うため、大きな負担がかかることになるのです。活発な消化活動により、大腸や小腸の血液が不足してしまい、食べ物を消化・吸収する働きができなくなります。加えて、活発な消化活動によって胃腸に負担がかかると、自律神経のバランスも崩れ、腸内環境が悪化するケースも多いです。腸疲労を疑った際には、半日程度、食事を摂らずに消化器官を休めたり、食事をヨーグルトやジュースなどに置き換えたりするとよいでしょう。

2つ目は、ぬるま湯で腸をリラックスさせる方法です。水分不足によって腸内の水分が減少してしまい、便が乾きやすくなって腸内に留まるため、腸の動きが鈍くなります。そのため、腸疲労の対処法として水分補給は非常に大切です。冷たい水は腸の働きを抑制し、腸疲労を悪化させる可能性もあるため、ぬるま湯もしくは白湯などを飲みましょう。注意したい点は、砂糖を摂取することで「糖反射」という状態になり胃腸の働きを抑制させてしまうことです。飲み物を選ぶ際には、砂糖の入った飲み物は避けることがポイントであると言えます。

3つ目は、呼吸方法を工夫して腸をマッサージする方法です。腸疲労の状態は、腸の動きが鈍くなることで便を排出する力も低下します。腸を動かし、便を排出するためには腹式呼吸が有効です。腹式呼吸とは、鼻から息を吸ってお腹をふくらませあと、口から息を吐いてお腹をへこませ呼吸法であり、お腹の動きを意識しながらゆっくりと呼吸をします。腹式呼吸は腸を刺激し、同時にマッサージをする作用があるため、腸の動きを活性化させる作用が期待でき呼吸法です。

食事が原因でおならが臭う?食生活改善のポイント

おならが臭う場合、食事の内容が肉類中心というケースが多いです。腸内細菌を調べている理化学研究所の調査でも、肉類中心の生活をしている人は排便の回数も少なく、便も臭うというデータが出ています。主な原因は、腸内に存在する悪玉細菌が、肉類に含まれているタンパク質や脂肪を分解する作用がある胆汁によって増えるためです。つまり、おならが臭うことと高タンパク・高脂肪である肉類中心の食事が続くことには、深い関係があると言えます。食事は、タンパク質、脂質、糖質、ビタミンB群の摂取を意識することが大切です。

ストレスとおならの臭いの関係

緊張した時や疲れている時など、精神的なストレスを感じた際には、唾を飲み込む回数が増えます。その際に、同時に空気を飲み込むため、ガスが溜まりやすくなるのです。また、ストレスによって体内で活性酸素が発生すると、消化吸収力が弱まるため、悪玉菌が増加します。ガスが増えることと悪玉菌増加の2つが、ストレスでおならが臭う原因です。ストレスを緩和できるよう、好きなテレビ番組や音楽を聞いたり、お風呂でリラックスしたりと、1日のストレスを解消しましょう。休みの日には、趣味を楽しんだり身体を動かしたり、ストレスの原因から離れてリフレッシュすることも大切です。

食生活から改善しよう!心がけたいポイント

おならの臭いは、腸内環境を整えることで対処できます。整腸剤や、乳酸菌が多く含まれているヨーグルトによって、腸内の乳酸菌を増加させましょう。乳酸菌を摂取は、善玉菌の増加にもつながるため、腸内環境が整う作用が期待できます。さらに、おならが臭う原因のひとつとして便秘が挙げられるため、便秘解消を目指す食生活を心がけることも重要です。お通じは我慢せず、便が固くなることを予防するために水分を補給、1日10分程度のウォーキングなど適度な運動を行い、腸の動きが鈍くならないように意識します。

加えて、腸内環境を整えるためには、2種類の食物繊維をバランスよく取り入れることがポイントです。食物繊維には、腸に溜まった便やガスを排出する作用があるといわれているため、腸の活動低下が原因でおならが臭う人にとって、重要な栄養素であると言えます。食物繊維は、水分を溜める働きがある「不溶性食物繊維」と、不要物に絡まって取る働きがある「水溶性食物繊維」があるため、2:1の割合でバランスよく摂りましょう。不溶性食物繊維は玄米、芋、根菜や豆類に含まれており、水溶性食物繊維はキノコ、海藻、こんにゃくや果物に含まれています。

また、食事の際には、胃腸の消化機能に負担がかからないよう消化によい食材を選び、ゆっくりとよく噛んで食べることも意識しましょう。

おならが臭う時には疾患の疑いも!症状をチェックしよう

おならが臭う場合には、疾患が原因である可能性もあります。おならが臭う際に疑うべき4つの疾患を見ていきましょう。

1つ目は慢性胃炎の疑いです。非ステロイド性抗炎症薬の副作用やピロリ菌の感染、ストレスなどが主な原因の疾患であり、胃の粘膜が弱ることで胃炎となって、胃腸の働きが低下します。お腹が張っている感覚や、胃もたれ、胃痛、胸やけ、げっぷ、吐き気といった症状も見られることがあり、同時におならの臭いも強くなることが特徴です。慢性胃炎は、悪化すると胃潰瘍となる可能性があるため注意しましょう。

2つ目は、大腸がんの疑いです。悪化することで食べ物の腐敗臭のような特徴的な臭いのおならが出るほか、血便などの症状も併発しやすくなります。大腸がんの場合、初期症状は血便やおならの臭い程度であり、自覚症状はほとんどありません。大腸がんが進行して大腸が狭くなると、便秘や音の小さなおならが出る、腹部にしこりがある、便が細くなる、腹痛や下痢といった症状が見られます。

3つ目は呑気(どんき)症の疑いです。無意識にたくさんの空気を飲み込んでしまい、胃腸に空気が溜まるため、腹部の膨満感や激しい痛みを伴うこともあります。ストレスを抱えていたり神経質な性格であったりと、精神的に負担を感じているときにも起こりやすいです。また、アルコールや炭酸飲料の大量摂取、早食い、口呼吸をする人にも見られる疾患であり、しゃっくり、げっぷ、おならが出るなどの症状が見られます。

4つ目は過敏性腸症候群の疑いです。情緒不安定であったり、精神的なストレスを抱えていたりといったことが原因で、腸の動きが停滞して腹痛と慢性的な便秘・下痢の症状を起こします。人によって症状は異なりますが、便秘と下痢を交互に引き起こしたり、1カ月ほど下痢が続いたりするケースもある疾患です。腸内環境が悪化するため、ガスが溜まった状態になり、お腹から音がしたりおならの回数が増えたりするという症状もあります。

いずれかの症状が見られ、疾患が疑われる際には、消化器科もしくは内科を受診しましょう。受診する際には「おならから食べ物の腐敗臭がする」「食事のあと、おならの回数が増える」「おならが臭うだけではなく腹痛もある」など、症状を細かく伝えることが大切です。

おならが臭う際には早めの対処が重要

おならが臭う理由は腸内環境の悪化であり、食生活や生活習慣、精神的なストレスが根本的な原因となっていることが多いです。ストレスが溜まっていると自覚しているのであれば、リラックスできる方法を考え、身体と心の疲れを取る必要があります。食生活や生活習慣が乱れている場合は、食材以外に市販の薬でも腸内環境を整える成分を意識して摂取することを考えてみましょう。しかし、おならが臭うだけではなく、腹部に痛みや違和感があるときには、胃腸に関連した疾患の可能性もあります。おならが臭う際には、自己判断で様子を見てしまうと症状が進行することもあるため、身体の発しているサインを見逃さないようにしなければなりません。長期間様子を見ず、早い段階で受診して検査を受けるようにしましょう。

B/Hマガジン編集部

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