和食が注目されたのは長寿国日本の平均寿命がきっかけ
海外で日本食がブームになるきっかけには絶対何かがあるはずです。和食を食べている日本人と健康を結びつける理由とは、日本人の平均寿命の長さです。誰でも出来るだけ健康で長生きしたいものなので、日本人の頭一つ分抜けた平均寿命の長さに、世界各国の人は注目したのでした。もうご存知かもしれませんが、日本は世界一の長寿国であり、男性も女性も世界的に見て平均寿命はトップクラスです。もちろん医療の質の高さなど、他にも様々な要因が考えられますが、やはり健康の基礎となるのは毎日の健康的な食事でしょう。
日本の食事と欧米の一般的な食事内容を比較してみると、和食の方が明らかに摂取するカロリー量が低い事が分かります。それもそのはずで、簡単な例を見てみると、日本人はお茶に砂糖を入れませんが、欧米では緑茶にさえ砂糖を入れて飲みます。このように糖類の摂取量は、欧米では日本人よりかなり多めとなっています。また、脂質も洋食の方が和食よりも多く摂ってしまう傾向があります。元から日本の文化では肉を摂らずに魚を多く摂取してきました。魚は肉類に比べてコレステロールの原因となる脂肪酸が少なく、摂取してもサラサラしているので健康的と考えられています。一方、体質的に脂肪を多く貯める事ができる欧米人は、日本人よりも脂質や糖質を多く摂る事が出来るとされており、実際に生活の中でそれらを多く摂取しています。しかし、やはり体質に恵まれていても、健康的な食習慣を心がける事は長生きするには大切な要素になってくるでしょう。その結果、日本食ブームに火がついたと言えます。
第5の味、旨味の成分「アミノ酸」に世界中から熱い注目が
甘味、酸味、塩味、苦味は、世界中の人が共有する味の感覚ですが、日本にはもう一つ旨味という感覚が古くからありました。旨味を科学的に研究して発表したのは日本の池田菊苗博士で、今では世界で認知される第5の基本的な味になりました。旨味は「UMAMI」として世界共通言語になっているそうなので、日本人として誇らしいですね。この旨味という成分の基本は、出汁などからでるアミノ酸というもので、現在およそ20種類ほど確認されています。その中の一つグルタミン酸は、コンブやイワシなどに含まれており、和食には欠かせない味の立役者なのです。グルタミン酸はトマトやパルメザンチーズにも含まれているので、食に自信があるイタリア人の多くが好んで食べるのも自然の流れでしょうか。
グルタミン酸には様々な健康に良い効果があるとされており、その一つに脂肪を蓄えるのを抑える効果があります。直接的に健康に結びつく効果なので、世界的に注目されるのは当然と言えるでしょう。その他にもグルタミン酸は胃液の分泌の促進、アンモニアを解毒して利尿作用を活性化、血圧を下げるなど様々な効果があります。小さな頃から自然と出汁を摂ってきた私たちは大変恵まれていますね。
本格的な和食レストランも次々誕生！海外の和食レストラン事情
海外旅行に行く人が必ずと言っていいほどよく目にする「なんちゃって和食レストラン」ですが、中に入って食べてみるとやっぱり何かが変だと気づきます。もちろん、味をローカライズさせて現地の人向けに改良しているのかもしれませんが、お寿司に酢飯を使っていないなど、たまに許せない範囲のものもあります。しかし、近年では正しい和食のあり方がだんだんと広まってきており、なんちゃってレストラン以外にもきちんとした和食を提供してくれるところが増えてきました。ちゃんと出汁から調理する和食レストランは、お値段がまだまだ高い傾向がありますが、数が増えることによって競争が促され、徐々にお手頃価格に落ち着く事でしょう。本格的な和食のお店が増えれば、旅行で日本食が懐かしくなり、海外長期滞在する事があっても気軽に和食を楽しめるでしょうから、日本人としても嬉しいですね。また、きちんとした健康的な日本の食事を海外の人が口に出来るので、良いことだといえます。
