ノンカフェインだから赤ちゃんや妊婦さんでも安心
麦茶の原料は大麦で、一般的に六条大麦という品種が使用されています。葉っぱではなく種を煎じて作った飲み物で、紅茶や緑茶のようにお茶の木から作られたものではありません。茶葉に含まれるカフェインには、過剰に摂取すると骨を弱くし、不眠や利尿作用などを引き起こすことがあります。酷い場合には死亡することもあり、水分補給としてカフェインの入った飲み物を飲むことはおすすめできません。麦茶には茶葉に含まれるカフェイン成分が入っていないので、妊婦さんや乳幼児の水分補給としても最適の飲み物です。日本では平安時代から貴族の飲み物として深い歴史があり、古来から愛されていたことが知られています。当時は麦湯と呼ばれており、麦茶という呼び名は昭和３０年代以降呼ばれるようになったようです。原料の大麦の収穫期が夏であることから、昔から夏によく飲まれてきました。夏の麦茶は新鮮で味が良いとされています。一年中、飲まれている麦茶ですが、実は旬があり、詩旬である夏場のみ物として浸透した経緯があります。
麦茶にアロマ効果が？ピラジンの働きとは
麦茶の香ばしい香りにはピラジンという香り物質が含まれており、このピラジンには、血液粘度を低下させて、血液をサラサラにする効果があることが知られています。また、香りを鼻でかぐことでリラックス効果を与え、精神を安定させてくれる役割と同時に、脳の働きを高める効果もあるようです。麦茶にアロマ効果があるなんてちょっと意外ですね。ピラジンの香りによる効果は一般的に男性よりも女性に高く現れるとされています。女性がアロマテラピーにはまるのは男性よりも効果があることも関係しているのかもしれません。生理前やストレスでホルモンバランスが乱れて、ちょっぴりイライラしている時は、自律神経を整えてくれる麦茶を飲んでリラックスすると良いですね。そのほかにも、麦茶にはバクテリアの定着と固着を予防する効果があることが発見されており、特に虫歯や歯周病などの原因菌となるミュータンス菌の菌膜の生成を阻害します。麦茶に虫歯や歯周病菌の予防効果があるとは驚きです。特に歯周病は癌をはじめ、様々な病気の原因になると言われており、侮れない恐ろしい病気です。歯磨きをはじめ日頃の生活習慣による予防がとても大切なので、健康のためにも虫歯予防、歯周病予防のためにも毎日の水分補給に麦茶を飲むようにしたいですね。
体の熱を冷まし熱中症予防に効果的！
運動時や暑い時の水分補給としてスポーツドリンクの摂取が良いと思っている人もいますが、実はスポーツドリンクには多くの糖分が入っており、大量に摂取するとカロリーの過剰摂取になるため普通の運動程度の水分補給としては適していません。激しいスポーツや過度な労働の後は失ったカロリーを素早く補充するためにも有効ですが、普段からの細かな水分補給には向かないことを覚えておきましょう。体に良いと思って水分補給にスポーツ飲料を飲み続けた結果、糖尿病を発症したという人もいます。ジュースと同じように考えておくと良いですね。特に小さなお子さんや子供さんにはスポーツドリンクの過剰摂取は注意が必要です。また、コーヒーや紅茶にはカフェインが含まれており、利尿作用があるため、取りすぎると却って脱水症状を引き起こしてしまうこともあります。コーヒーや紅茶はあくまでも嗜好品として楽しむもので、水分の補給には向いていません。毎日の水分補給には、ミネラルが適度に含まれた麦茶がおすすめです。麦茶には体温を下げたり、血流を改善したりする効果もあるため、熱中症予防としてもとても効果的です。
熱中症対策として効果的な飲み方としては、一度に大量に飲んでしまうと、そのまま水分として体外に排出されてしまうので、一口ずつちょこちょこと小まめに水分補給することが大切です。速やかに水分補給を行いたい場合は、冷たく冷やした麦茶、水分を長く体内に留めたい場合は温かい麦茶の方が適しています。一般的に麦茶は水出しのものと沸騰させて抽出したものがありますが、沸騰させたものよりも時間をかけてゆっくり抽出した水出しの方が雑味はなく、味が良いとされています。毎日の水分補給のためにも、常に冷蔵庫にストックしておくと便利ですね。
