トマト効果でアンチエイジングな美肌を目指す
トマトのアンチエイジング効果と言えば、まずは美肌効果です。
私たちの皮膚は紫外線が過剰にあたると皮膚の中で活性酸素が発生し、その活性酸素の影響でメラニンが増殖してシミの原因となります。また、活性酸素は肌に存在するコラーゲンやエラスチンを分解し、肌にダメージを与えて深いシワを作ります。活性酸素が原因のシワの場合、肌の乾燥によるシワと違って太くて深いシワになってしまう可能性が高く、肌の保湿だけでは防ぐことができません。
トマトに含まれるリコピンは、その活性酸素を抑えてメラニンを生成するチロシナーゼの働きを抑制する効果があり、シミ、しわ、たるみの予防に役立ってくれます。リコピンはカロチノイドの一種で、脂溶性の赤い色素です。リコピンの抗酸化力は、同じカロチノイドの仲間であるβカロテンの2倍以上、ビタミンEと比べると100倍以上の抗酸化力があり、その力でメラニンの発生を抑えてくれるのです。
また、美しい肌を保つにはコラーゲンの生成が不可欠であるということは誰もが知る事実ですが、リコピンはこのコラーゲン生成の前の前躯体となる物質であるプロコラーゲンの数を増やす働きをしてくれます。つまりトマトを毎日欠かさずに摂取することで、シミやシワが無く、ハリのある肌を目指すことが出来ると言えるでしょう。
トマトのリコピンには脂肪燃焼効果もある！
トマトのリコピンには新陳代謝をアップさせ、体の中の老廃物を排出させる働きがあります。それにより血流が改善し、脂肪燃焼しやすい体にするということが最近の研究でわかってきました。
2012年に京都大学の河田照雄教授らが、トマトに脂肪燃焼効果のある脂肪酸の一種が含まれていることを発見しました。それは脂肪を燃焼させる遺伝子を活性化する働きがあり、トマトにダイエット効果があるのを証明する実験でした。肥満状態のマウスに、トマトの成分を含むエサを与えたグループと通常のエサを与えたグループでその後の肥満状態を比較。トマトの成分を含んだエサを与えたマウスは中性脂肪が減少し、血糖値も低下したという結果が得られました。
実験の結果、人間の脂肪燃焼に効果があるとされる量はトマトジュースの場合だと1日におよそ600mlの量で、コップおよそ3杯分の量になります。これをジュースのみで毎日摂取し続けるとなると飽きてしまうかもしれませんが、トマトソースやケチャップなどの加工食品やサプリメントなどを併用していけば、決して難しいことではないでしょう。
さらにトマトに含まれる食物繊維は便通改善やデトックス効果、脂質の吸収を穏やかにする働きがあります。このことから、少しでも効果のあるダイエットをしたいと考えている方は、トマトを積極的に取り入れた食事を試してみてはいかがでしょうか。
トマトを上手に食べて、リコピン効果を最大限に活かす！
では、トマトの効果を最大限に生かすには、どのような食べ方がいいのでしょうか？
トマトのリコピンは油に溶けやすいという性質があり、油を使った調理をすることでリコピンの吸収率がさらにアップします。また、トマトは生で食するよりも加熱することで、リコピンの吸収率が1.3倍になります。トマトと油を使った料理はイタリア料理に多く、パスタやミネストローネ、ピッツアなど数多くの料理にトマトが使われています。これらの料理を毎日の食事に取り入れれば、効率良くリコピンの摂取が出来るでしょう。
リコピンの美肌の効果を見た場合、摂取してからすぐに効果が表れる訳ではありません。肌の細胞まで届くまでには、およそ6時間から8時間かかります。紫外線によるメラニン増殖防止効果を望むならば、逆算すると夜食べることで丁度朝にリコピンの効果が得られるという計算になります。
さらにリコピンの美肌効果を得るには、ある一定の摂取量が必要で1日に16ml摂取すると効果があるとされています。この量は通常のトマトで2、3個分、ミニトマトでおよそ10個分、トマトジュースのミニ缶1本、トマトの水煮で200g分に相当します。脂肪燃焼に効果を及ぼす量よりは少ないですが、生のトマトを食べるだけでは難しいので、料理で工夫する、ジュースで飲む、サプリメントを摂取するなど、様々な工夫をしながらトマトで美肌生活を目指してみましょう。
トマトには他にも疲労回復や脳卒中の抑制、血糖値を下げる、血圧を下げる、がん予防など様々な効果があると言われています。トマトを食生活に積極的に取り入れることで、健康な毎日を目指してみてはいかがでしょうか？
参照サイト
http://www.hivpress.com/shining12
http://www.mit-japan.com/ndl/ndl/lycopene.htm
