残り物には福がある!?高い美容効果が期待できる酒粕の栄養素

残り物には福がある!?高い美容効果が期待できる酒粕の栄養素

酒粕は、日本酒を造る際に蒸した米や麹を発酵させてできる醪(もろみ)に強い圧力をかけることで残る白い固形物です。日本酒製造の過程における残り物とも言うべき酒粕には、美容効果の高い栄養素が多く含まれています。そこで、今回は酒粕に含まれる魅力的な栄養素についてご紹介します。

酒粕でお肌しっとり!?保湿効果が期待できるアミノ酸

酒粕に含まれる栄養素のひとつにアミノ酸があります。酒粕1グラム中には何億もの酵母菌が生きているのですが、この酵母菌には生のお米に比べてアミノ酸が583倍含まれていると言われています。アミノ酸は、人間の体に欠かすことができないたんぱく質を構成している重要な成分です。たんぱく質は、血管や筋肉、内臓、皮膚などの元となる成分であるため、その構成をしているアミノ酸の役割も、人間の体にとって大切なものということができます。

アミノ酸は、体内で合成することができる「非必須アミノ酸」と食べ物から摂取する「必須アミノ酸」との2種類に分けられ、さらにそれぞれのアミノ酸ごとにさまざまな役割を果たしています。およそ500種類あるアミノ酸ですが、人間の体に必要とされているアミノ酸は、11種類の非必須アミノ酸と9種類の必須アミノ酸の20種類です。酒粕には、この20種類のうち必須アミノ酸である9種類全てが含まれています。中でも、「BCAA」と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンの三種類の必須アミノ酸は、筋肉を作り出す原料であるとともに、肌の新陳代謝を整え、新しい肌の生成を促す大切な役割を持つ成分です。ターンオーバーを正常に保つことで、角質と角質の間を埋める働きをする天然保湿因子が正常に作られます。NMFと呼ばれる天然保湿因子は、肌に必要な水分を保つために必須の役割を持っているため、しっとりとした潤い肌を目指す人にとっては欠かすことができない大切な成分と言えるでしょう。

また、アミノ酸は、肌のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンの合成に欠かすことができない大切な存在です。一般的に20歳を過ぎたころから体内にあるコラーゲンの量は減少していくと言われているため、しっとりとした潤いのある肌を保ちたいと思ったら、アミノ酸を補うことが必要になるのです。特に必須アミノ酸は、体内で生成することができない栄養素であるため、意識的に摂取することが重要です。

美白を目指したい人必見!酒粕に含まれるコウジ酸の効果

日本酒の製造過程で出てくる酒粕の中には、コウジ酸が含まれています。このコウジ酸には美白を目指すことができる魅力的な成分が含まれています。美白を妨げる悩みのひとつにシミがありますが、紫外線を受けるとできるシミは、美しい肌を目指す人にとって天敵と言えるでしょう。シミの原因となっているメラニン色素は、皮膚の一番外側にある薄い表皮の中にあり、外から受ける紫外線を吸収することで体を守る大切な役割をしています。しかし、紫外線を受けて過剰にメラニンが生成されると、排出しきれない余分なメラニンが色素沈着を起こし、シミとなって肌にあらわれるのです。酒粕に含まれるコウジ酸はこのメラニンが過剰に生成されるのを抑える働きをします。さらに、紫外線を受けたときにメラニンを生成するように伝えるメラノサイト活性化因子も抑制します。このため、シミが肌にできにくくなり、美肌効果を期待することができるのです。

コウジ酸は、黄ぐすみへの効果にも期待がもてます。糖が体内にあるたんぱく質と結びつくと、体内にAGEsという物質が生じます。AGEsは加齢によって蓄積されると肌が黄色のような色にくすんでしまいます。これが黄ぐすみです。コウジ酸が持つ抗酸化作用には、この黄ぐすみの原因となるAGEsの生成を抑制する作用があるため、黄ぐすみ予防としての働きをしてくれるのです。

さらに、肌の内側に生じる活性酵素の発生や抗炎症を抑える作用もあり、肌の老化を予防する働きもしてくれます。このため、コウジ酸を含む酒粕を摂取することでしわやたるみのない美しい肌を目指すことができるのです。

美肌作りは健康的な体作りから!たんぱく質で免疫力をアップ

免疫力は病気の元となる細菌やウイルスが体内に侵入するのを防いだり、体内に入り込んでしまった病原菌を撃退したりする力です。免疫力を高めれば高めるほど健康的で丈夫な体を目指すことが可能となります。健康的な体でいると体内のさまざまな機能が正常に働くため、健康的な肌作りにもつながります。

酒粕には免疫力を上げる役割を持つたんぱく質が豊富に含まれています。中でも、食物繊維に似た性質を持つレジスタントプロテインというたんぱく質は、胃酸で溶けないという特徴があることから消化されることのないままに小腸に運ばれていきます。小腸まで運ばれたレジスタントプロテインは、摂取した食べ物に含まれている脂質を引き付けて、そのまま体外へ出してしまいます。さらに、動脈硬化の原因と言われる悪玉コレステロールを抑制する働きもあるため体内に脂肪を貯めにくくします。また、脂質が排出物に含まれると便が柔らかくなり、便通が良くなります。便秘は体に不要な老廃物が体内にとどまり続ける状態を言います。便秘が長く続けば腸内に悪玉菌が増え、腸内環境を悪化させます。腸内環境のバランスが悪くなると、美肌作りに効果をもたらすビオチンの生成が減ってしまうため、快便を促すレジスタントプロテインというたんぱく質は、美しい肌作りに欠かせない成分と言われているのです。

参照

https://shokuiku-zukan.com/news/speciality/sakekasu/

http://minamiyasun.jimdo.com/%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%BF%E5%B1%8B%E3%81%95%E3%82%93/%E7%99%BA%E9%85%B5%E3%81%AE%E8%A9%B1/%E9%85%92%E7%B2%95%E3%81%AE%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%95-%E5%81%A5%E5%BA%B7-%E7%BE%8E%E5%AE%B9%E5%8A%B9%E6%9E%9C/

http://www.skincare-univ.com/article/011704/

http://www.skincare-univ.com/article/011705/

B/Hマガジン編集部

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