妊娠初期にとりたい!葉酸サプリの効果と注意点とは
特に妊娠中にとりたい栄養素の代表格は「葉酸」です。葉酸とはビタミンB群の一種で、細胞分裂の際に消費されます。妊娠0~7週目は赤ちゃんを作るために細胞分裂が活発になるため、通常の約2倍近くの葉酸が必要となるのです。
この時期に葉酸が不足すると、細胞の分裂や増殖がうまくいかなくなり、生まれてくる赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクが高まってしまいます。
神経管閉鎖障害とは、中枢神経系の元(神経管)が上手く作れない症状で、歩行困難や直腸・膀胱などに障害がでる「二分脊椎」や、脳がうまく作られない「無脳症」などを指します。葉酸の神経管閉鎖障害への効果は広く認められており、厚生労働省が推奨する一日0.4mgの葉酸の摂取を続けることで、そのリスクは7~8割も減らせると言われています。
葉酸は野菜や果物にも含まれており、日々の食事でも摂取可能です。
ただし、水溶性で熱にも弱いため調理中に失われてしまうことも多く、一日0.4mgをとり続けるのは簡単ではありません。
そこで、サプリメントでの補給が大切となるのです。取りすぎても汗や尿として排出されるため、比較的安全性が高いビタミンですが、一日1mgを越えるような過剰摂取をしてしまうと吐き気や食欲不振を引き起こすことがあるので、注意が必要です。
葉酸は特に妊娠初期に重要な栄養素なので、妊娠を計画している、妊娠の可能性がある段階からとることが大切です。また、妊娠中期~授乳期間も貧血予防や母乳を作る手助けをしてくれるので、継続して取り続けたいですね。
妊娠中の貧血に!鉄分サプリの効果と注意点とは
妊娠前は貧血になったこともなかったのに、妊娠したらめまいや息切れ、立ちくらみが…という経験はありませんか?
体の中に蓄えられる鉄分の量は、成人男性が約4.0g、女性では約2.5gと、女性は男性にくらべ圧倒的に少ないです。加えて、毎月生理がある女性は、男性に比べてもともと貧血になりやすい条件がそろっています。食生活の変化やダイエットで、日本の成人女性の約6割は潜在的な鉄欠乏状態にあるとも言われているほどです。
加えて、妊娠期間中の体はママよりも赤ちゃんに優先的に栄養を送るため、貧血になりやすくなってしまうのです。このため、軽度の貧血であれば赤ちゃんは健康体であることがほとんど。
しかし、重度の貧血状態が長く続くと赤ちゃんへの栄養も十分にいきわたらなくなり、赤ちゃんも貧血状態になってしまいます。
対策としては、妊娠初期から鉄分の多い食事を心がけることが一番ですが、それでも足りない場合はサプリメントが効果的です。貧血の症状が現れている場合は、体内に貯蔵されている鉄のストックもほぼからっぽの状態なので、症状が治まってもストックがたまるまではしばらくとり続けましょう。
ただ、どのサプリメントにも言えることですが、過剰な摂取は禁物です。特に鉄分はすぐに症状が出るものだけでなく、体に少しずつ蓄積されて悪影響を及ぼすものもあるため、一日の上限40mgを目安にお医者さんと相談しながら飲むようにしましょう。
出産後も健康に!カルシウムサプリの効果と注意点とは
貧血のような自覚症状が無いため気づかれにくいのですが、妊娠中にはカルシウムも不足しがち。
体内のカルシウムの99%は歯や骨に蓄積され、骨格を形成しています。残りの1%は血液や細胞内に存在し、心臓機能や筋肉の収縮など、重要な役割を担ってくれています。血液中のカルシウムが不足すると、骨や歯に蓄積されたカルシウムが溶け出し、常に一定の濃度に保たれるようになっているのです。
妊娠中は赤ちゃんも骨格形成のため多くのカルシウムを必要とするので、いつも以上にカルシウムを摂取する必要があります。妊娠中、一日に必要なカルシウムの量は900mgですが、不足すると母親の骨や歯に蓄えられたカルシウムが溶け出し、赤ちゃんへと運ばれてしまいます。
中高年の女性に骨粗しょう症が多いのは、妊娠・出産によりカルシウムを大量に消費し、骨密度が下がることも一因と言われています。出産後、骨折しやすくなった、歯がもろくなった、などということが無いよう、妊娠中からしっかりと補給しておきましょう。
そしてカルシウムもまた、取りすぎは禁物です。上限の一日2300mgを超えないよう気をつけましょう!
妊娠中は、すべての栄養を2人分とらなければならないので、ママは大変ですよね。バランスのとれた食事はもちろんですが、サプリメントも上手に活用して母子ともに健康を目指しましょう!ただし、サプリメントは通常の食べ物と違い、吸収を助ける成分が入っていることも多いので、過剰症には十分に注意してくださいね。