こんなに怖い！間違った洗顔
洗顔の役割は、皮膚に付着した皮脂やメイク、ホコリなどの汚れを落とすことです。しかし顔の皮膚は薄く繊細なので、洗うときには注意が必要なのです。洗顔は肌にとっては負担のかかる行為です。そのため洗顔の方法を間違えてしまうと、必要以上に肌を傷めることにつながります。その結果、こんな3つのトラブルが発生してしまいます。
1つ目は、摩擦によるトラブルです。洗顔するときに、指でゴシゴシとこするように洗っていませんか。摩擦は肌の表面の細胞に大きなダメージを与えます。そのためメラニン色素が大量に生産されてしまい、色素沈着を起こす原因になります。
2つ目は、皮脂を落としすぎてしまうことによるトラブルです。適度な量の皮脂には肌を乾燥から守るバリアとしての役目があります。ですから洗浄力の強い洗顔料やクレンジングを使ったり、顔を洗いすぎたりしてしまうと、肌に必要な皮脂まで落としてしまいます。その結果、肌が敏感になったり、乾燥しやすくなったりしてしまうのです。また過剰な皮脂の分泌を招いて、かえってニキビができやすくなることもあります。
3つ目は、角質内のうるおい成分を流出させてしまうことによるトラブルです。私たちの肌がうるおいを保つことができるのは、角質内に天然保湿因子や細胞間脂質といった水分を保持してくれる成分が存在しているからです。
これらのうるおい成分と皮脂が一緒になって、肌バリアを形成し、肌を乾燥などの刺激から守っています。しかし洗顔によって、皮膚が濡れると、少なからずこの肌バリアはダメージを受け、うるおい成分が失われやすくなります。ここにさらに刺激が加わると、より多くのうるおい成分が外に出て行ってしまいます。
その結果、肌が乾燥したり、バリア機能が低下したりして敏感肌になってしまうのです。
美容的に正しい洗顔とは？
洗顔による肌トラブルを防ぐためには、肌になるべく負担をかけないように心がけることが大切です。
泡を作って洗うことがポイントです。
顔を濡らした後、ネットなどを使って洗顔料をきめ細やかな泡ができるまで泡立てます。そして、その泡を指で転がしていくような感覚で洗います。
洗浄成分の含まれた泡で、汚れはきちんと落ちます。指が直接肌に触れないように注意しましょう。洗顔ブラシなどの道具を使うときにも同様の注意が必要です。力を入れてこするようにして洗うと、繊細な肌の細胞を傷つけてしまいます。
また、すすぎに使うお湯の温度にも注意が必要です。顔を洗うお湯の温度が高すぎると、肌のうるおい成分を流出させてしまいます。かといって温度が低すぎると、皮脂が浮き上がりづらくなって、毛穴の汚れを十分に落とすことができなくなります。そのため皮脂が溶けやすくなる32度前後のぬるま湯が洗顔には適しています。ただ洗顔に最適な温度は肌質によっても異なります。敏感肌の人は32度よりやや低めに、脂性肌の人はそれよりやや高めに調整すると、より肌に優しく洗い上げることができます。30度から34度程度の間で、自分の肌にとってベストなぬるま湯の温度を探してみてくださいね。
なおシャワーは水圧による刺激が心配ですので、できるだけすすぎは手で行うことをおすすめします。その方がお湯の温度も一定に保ちやすくなります。
洗顔後は？今度は正しいお手入れを！
洗顔が終わったら今度はスキンケア化粧品で肌を整えていきます。洗顔後のお肌は、水で角質層がふやけ、乾燥や刺激に弱くなっている状態です。ですから、洗顔を終えたらすぐにスキンケアを開始してください。スキンケアの基礎は保湿です。ここで重要となる基本のアイテムが化粧水と乳液です。
化粧水には、洗顔でダメージを受けてしまった肌に、失われた水分やうるおい成分を補給する役目があります。化粧水をつけるときは、化粧水を手やコットンにとり、肌の上から抑えるようにしてなじませます。このときこすってしまったり、コットンで叩くようにパッティングしたりすると肌が傷ついてしまいます。
化粧水をつけ終わったら、今度は乳液で肌の表面にフタをします。乳液は水分だけでなく、油分が含まれています。油には水分が蒸発しないようにフタをする役割があります。もちろん油が含まれていれば乳液に限らず、フタとして使えます。したがって、ここでホホバオイルなどのスキンケアオイルを乳液代わりに使っても構いません。
以上が一番シンプルなスキンケアの流れです。場合によっては、ここに美容液やクリームといったアイテムが加わることがあります。一般には化粧水、美容液、乳液、クリームの順番で使っていくことが多いです。しかし化粧品メーカーによっては乳液が最初に来るタイプのメーカーもあります。メーカーによって推奨される順番が異なりますので、なるべくなら化粧品はライン使いした方が無難です。なお、このライン使いには、含まれる成分同士の相性を考えなくて済むというメリットもあります。
