黒にんにくに含まれる美容成分と効果とは?
黒にんにく、というと何か新しいニンニクの品種のひとつと思う方もいるかもしれませんが、元は普通のにんにくです。一般的な白いにんにくを高温・多湿の環境で約1か月間程度熟成し、発酵させると黒く変わるのです。この自然発酵して黒くなったにんにくを「黒にんにく」「発酵黒にんにく」「熟成黒にんにく」などと呼んでいます。
元々普通のにんにくを置いておくだけで黒くなるというのは驚きですね。しかも、その過程で保存料や調味料などは一切使っていません。発祥の地は詳しくわかっていませんが、日本ではサプリメントとして商品化され、その美容効果、健康効果が話題となり有名になりました。
黒にんにくはにんにくを熟成発酵させたものですが、この時酵母菌などの助けは受けず、にんにくに含まれるアミノ化合物と糖質が化学反応を起こして発酵します。この化学反応をメイラード反応と呼び、抗酸化作用を高めることが知られています。そのため、黒にんにくは通常のにんにくよりも高い抗酸化作用を持っています。
黒にんにくは通常のにんにくと比べ、色が黒くなるほかにも様々な変化を起こします。一番特徴的なのはにんにく特有の刺激臭が無くなることです。アミノ酸が増加し、糖度が増えるため、ドライフルーツのような甘みがでます。栄養価においても美容成分として注目を集めるポリフェノールの増加、抗酸化作用と高血圧の改善、ボケ防止、ナチュラルキラー細胞を正常化して免疫力を高め、癌の予防効果に期待できるとされており、さらに今話題の成分S-アリルシステインの増加が確認されています。
黒にんにくを使った簡単おススメレシピ
黒にんにくはドライフルーツのようにねっとりとした甘さが特徴なので、そのままでも美味しく食べられます。医薬品ではないので1日に何個まで、というような明確な基準はありませんが、黒にんにくの産地によると毎日1片から2片を継続的に食べ続けることが健康に良いとしています。
生のにんにくの場合も1日の摂取量は1片程度、火を通したにんにくの場合は1日に2~3片程度とされています。にんにくには強力な殺菌効果があるため、にんにくを大量に食べると胃腸内の悪玉菌と一緒に善玉菌まで殺してしまい、胃腸障害を起こすリスクがあるといわれています。
適度に食べることは胃腸を刺激し、食欲や消化の促進に役立ちますが、空腹時に食べたり、食べ過ぎたりすると胃粘膜を痛める原因ともなるので気をつけましょう。そのため黒にんにくを食べるときも食事の前に食べるのではなく、食事の時に他のものと一緒に取ることが大切です。パスタのトッピングやピザのトッピング、パンの具としてもよく合います。また、カレーの具やサラダのトッピングなどにもぴったりなので、摂り過ぎに注意しつつ毎日工夫して飽きずに食べることができるでしょう。
黒にんにくの上手な作り方と保存方法
健康に良い黒にんにくを毎日食べたいけれど、高級なのでお値段も気になる、という人も多いですよね。特に国産の黒にんにくは高価な場合が多く、毎日家族で続けるとなると経済的に負担が大きくなります。そこでおススメなのが自宅で簡単に手作りする方法です。
黒にんにくを作るためには高温多湿の環境がなくてはなりませんが、炊飯器を利用することで簡単に自宅でも黒にんにくを作ることが可能です。この場合長い間炊飯器を占拠することになりますから、小さめのもので良いので専用の炊飯器を用意することをおススメします。皮付きのまま炊飯器ににんにくをいれ、2週間程度保温をしたのち、数日間干物用のネットに入れて自然乾燥させます。食品保存袋に入れて常温保存だと1カ月程度、冷蔵庫では半年程度、冷凍庫では1年程度保存が可能なので、国産の良質なニンニクが手に入った時にまとめて作っておくと良いですね。
美容と健康にピッタリの黒にんにく、自分で作ったものなら美味しさもひとしおではないでしょうか。