食べる順番を変えるだけで健康的に痩せられる!?
ダイエットに効果的な食事法として、食べ順ダイエットというものがあります。これは食後の血糖値の上昇スピードに着目した食事法です。食後の血糖値をコントロールすることを目的としているので、糖尿病や低血糖症の予防など健康維持にも役立ちます。
具体的なやり方は簡単です。まず汁物や野菜料理から食べはじめ、次にタンパク質のおかずである主菜を、最後にご飯やパンといった炭水化物を食べるようにします。最初に野菜から食べ始めるのは、野菜に含まれる食物繊維が血糖値の急上昇を抑えてくれるためです。
それによってインスリンの過剰分泌を防止し、体脂肪の蓄積を防ぐことができます。また食物繊維には食事からの余分な脂質の吸収を抑え、よく噛むことによって満腹感を得られる効果もあります。
満腹感を得るという意味では汁物も優秀な料理です。野菜や海藻類といった繊維質も入っていますし、何より水分が多いからです。水分によって空腹感をなだめることができ、その後の食べ過ぎを防ぐことができます。もし野菜料理と汁物が両方ある場合には、最初は汁物、次に野菜料理の順番で食べましょう。
食べ順ダイエットは、最初に野菜を食べることから、別名「ベジファースト」とも呼ばれます。最初に食物繊維が豊富な野菜を食べることによって自然と食事の量を減らすことができ、また主菜や主食に含まれる余分な糖質や脂質の吸収を防ぐことができます。そのため同じ食事を食べる場合でも、炭水化物などから食べはじめたときと比べて太りづらくなるのです。
危険な食事制限!単品ダイエット
食べ順ダイエットは科学的根拠もある、安全な食事制限です。それに対し、危険な食事制限もあります。その代表が単品ダイエットです。単品ダイエットは、りんごやゆで卵といったある特定の食品しか食べないようにするという食事制限。
たとえばりんごダイエットなら、りんごだけを3食食べ続けることになります。その他の食品は一切食べることはできません。
単品ダイエットでは食事をまったく抜いているわけではなく、OK食材に関してはいくらでも食べて良いとされています。そのため空腹感に悩まされづらいというメリットがあります。
しかし単品ダイエットには、栄養バランスが偏るという大きなデメリットがあります。そのため、実行した当時は体重を減らすことができるかもしれませんが、もしそれで目標を達成できたとしてもリバウンドをする危険性が高いです。何故なら脂肪と一緒に筋肉まで落ち、基礎代謝が落ちてしまっているからです。
さらに飢餓状態だと判断した脳が、生き延びるために脂肪をため込みやすい状態へと身体を変えてしまいます。したがって、単品ダイエットはあまり推奨できないダイエットということになるのです。1つの食材を食べ続けるタイプの単品ダイエットのほか、野菜サラダだけ食べる、ダイエット食品で3食を置き換える、といったものも単品ダイエットの1種になります。
単品ダイエットでは痩せることができても、綺麗に痩せることはできません。最悪の場合、栄養失調から健康そのものを害してしまうおそれもあります。やるべきでない、危険なダイエットの1つです。
バランスのよい食生活こそダイエット成功のカギ!
それでは、正しい食事制限とはいったいなんでしょうか。それはバランスのいい食事を、食べ過ぎない程度に食べるということです。その意味で、最初に取り上げた食べ順ダイエットは正しい食事制限ということができます。
食材に含まれる栄養素は、人間の身体に入るとそれぞれ違った働きをします。炭水化物は体や頭のエネルギー源になりますし、脂質はエネルギーや、ホルモンを作る材料にもなります。またタンパク質は筋肉や血液の材料になります。
微量栄養素であるビタミンやミネラルは、身体に必要な物質をタンパク質と一緒に合成したり、食べたものをエネルギーに変換したりするのを助けます。
このように、様々な栄養素が一体となって働くことで、私たちの身体ははじめて本来の機能を発揮することができるようになっているのです。この身体の機能には、ダイエットを考えるうえでは重要な基礎代謝なども含まれています。
そのため過激なダイエットをおこなって栄養不足に陥ると、かえって代謝が低下して痩せづらい体質になってしまいます。また他にも、食物繊維不足で便秘になったり、タンパク質不足で筋肉が落ちたりと、極端な食事制限をしてしまうと身体にとっていいことは1つもありません。
ですから健康的に痩せるためには、バランスの良い食生活を送ることが一番なのです。身体に必要な栄養素を不足させないように、さまざまな食材を食べるようにしたいですね。