疲労回復とダイエットに抜群の効果を発揮
黒酢は玄米(精製していないお米)や大麦を原料として麹菌・酵母・乳酸菌などの微生物と一緒に長期間発酵・熟成させて作ったお酢です。
黒酢の生産が盛んな鹿児島県では、今も伝統的な陶器の「アマン壺」で1~3年もの時間をかけて熟成させる製法で作られています。
発酵の過程で味がとてもまろやかになり、とろりとした濃度ときれいな琥珀色が特徴のお酢です。
・疲労回復効果
疲れたときにお酢を摂るとスッキリした!という経験はありませんか?これはお酢が持つ酢酸が体内でクエン酸に変化し、疲労物質である乳酸を分解してくれる効果によるものです。
人が生きるために必要なエネルギーを作り出す体内の燃焼システムを「クエン酸サイクル」と呼びます。
この活動で最初に体内で作られるのがクエン酸なので、足りなくなることはほとんどありませんが、不規則な生活を送っているとサイクルがうまく機能しなくなり体が疲れやすくなってしまいます。クエン酸サイクルをうまく機能させるためには、体内の酵素が欠かせません。クエン酸はビタミンB群と一緒に摂取すると効果がアップするので、どちらも豊富に含む黒酢を摂ることで疲労回復を早めてくれます。
■参考:エネルギーを作り出すTCAサイクル(マリヤ・クリニック)
・ダイエット効果
黒酢には人の体内では作ることのできない必須アミノ酸が豊富に含まれています。必須アミノ酸には脂肪の吸収を防ぎ、体内に脂肪を溜め込まない効果があります。
また筋肉量を増やして体温を上げてくれるので、基礎代謝アップ・脂肪の燃焼を助けてくれます。
人にとって有害とされる「酸化ストレス」。金属がさびたり古い油が変色して匂いが変わったりするのも酸化の現象のひとつです。人間も不規則な生活・偏った食事・運動不足などから、体内で酸化ストレスが生じると、疲れや病気を引き起こしやすくなります。
黒酢には抗酸化作用を高めて血流を良くする効果があるので、継続して摂取することによって自然と痩せる体質になります。
また腸内環境を整えてくれ便秘解消効果もあるので、老廃物を排出してくれたり、利尿作用でむくみを解消してくれたりと、ダイエットにはうれしいことだらけですね!
■参考:酸化ストレス(健康長寿ネット)
美肌効果もある黒酢
黒酢に含まれるアミノ酸、実はダイエットだけでなく美容にも驚くべき効果があるのです。新陳代謝をアップして肌のターンオーバーを早めたり、コラーゲンを豊富に生成してメラニンの色素沈着を防いでくれたりします。アミノ酸はコラーゲンを作るための必要不可欠な要素です。その中でもグリシンは皮膚のバリア機能を高め、敏感肌などの改善にも効果を発揮します。別のアミノ酸のひとつであるD-アスパラギン酸は、肌の酸化を防ぎ、ハリや弾力を保つとの研究結果が報告されています。またクエン酸を摂ることで血流が良くなるので、老廃物を排出して血色が良くなり、輝くような肌を手に入れることができますよ。
しかし健康や美容にいいからと量をたくさん摂ればいいというものでもありません。
摂り方を誤るとかえって体に負担をかけてしまいます。お酢は歯のエナメル質を溶かす性質があるので、寝る前には必ず歯磨きをしましょう。
また黒酢は濃度がとても濃いお酢なので、空腹時にドリンクとして摂取すると胃を痛めてしまう可能性があります。
お水や牛乳などで薄めて飲むようにしてください。胃が弱い人は錠剤やカプセル錠のサプリメントで摂るのもオススメです。少量を継続して摂取するのが一番効果があります。
手軽なサプリメントも活用して無理なく生活に取り入れましょう。
黒酢を使ったオススメ料理は?
こんなにも素晴らしい黒酢、毎日の生活に取り入れない手はないですね。黒酢は栄養面もさることながら、お肉やお魚を柔らかくしてくれる効果や、普通のお酢にはない独特の風味とコクが特徴です。黒酢を使って豚の角煮を作ると、大きいかたまり肉も黒酢の効果でとろける食感になり、濃厚なコクのある煮汁にからまって箸が止まらない美味しさです。
お魚の煮付けや南蛮漬けの漬け汁に使用してもいいですね。手軽に活用したい人にはドレッシングがオススメです。
黒酢・醤油・サラダ油を混ぜ合わせたものに、お好みで生姜やにんにく、すりおろし玉ねぎなどを加えると、さっぱりとした和風黒酢ドレッシングのできあがりです。
生野菜にかけたり、グリルした野菜をマリネしたりと幅広く使えます。焼いただけのお肉やお魚に回しかけると、いつもの料理がひと味違ったものになります。
また料理の仕上げに使うと簡単です。できあがりのスープに1回、焼きそばにひとたらしするだけで、びっくりするほど味わいが変わります。いつものちらし寿司を黒酢で作ってみたり冷やし中華のタレに使ってみたりと、穀物酢の代わりにどんどん料理に活用してみましょう。