乳酸菌といってもいろいろ!どの種類がいいか教えて!

乳酸菌といってもいろいろ!どの種類がいいか教えて!

糖を分解し乳酸を作り出す菌類の総称、乳酸菌。一口に乳酸菌と言っても、その種類はさまざまで、現在では250種類以上もの種が確認されています。ヨーグルトなどでもメーカーによって異なる乳酸菌を配合していますが、ではいったいどの乳酸菌を摂ったらいいのか迷ってしまいますよね。 ここでは乳酸菌を由来別に大きく3つに分類し、その特徴をご紹介します。

日本人に馴染み深いのはこっちかも?植物性乳酸菌の特徴

乳酸菌というと、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を思い浮かべがちですが、漬物や味噌、納豆などの発酵食品にも多く含まれていることはご存知でしょうか?

これら、植物に含まれるブドウ糖・果糖・ショ糖などをエサとして育つ乳酸菌は、その由来から「植物性乳酸菌」と呼ばれます。これに対し、乳性品に由来する乳酸菌を「動物性乳酸菌」と呼びますが、植物性は動物性に比べて生命力が強いのが特徴です。

そもそも、乳酸菌は食物から摂取してもそのほとんどが胃酸などで殺菌されてしまい、生きて腸まで届くのはほんの一部。中でも、栄養豊富なやさしい環境で育った動物性乳酸菌は胃酸や胆汁酸などにさらされると、ほぼ生き残ることはできません。

しかし、動物の乳に比べて栄養価の少ない、時には塩分濃度の高い過酷な環境で育った植物性乳酸菌は、タフで酸にも強く、生きて腸まで届く割合が高いのです。

また、腸内にはもともと数百兆個とも呼ばれる細菌が常在しており、その種類や数は人によってさまざま。そのため、同じ乳酸菌でも相性の良い人、悪い人が出てきてしまいます。

日本人が乳製品を食べ始めたのはここ数百年ですが、日本人と植物性乳酸菌の付き合いは古く、一説によれば縄文時代までさかのぼることもできるそう。このため、日本人には植物性乳酸菌の方が相性が良いと言われています。

いろんな乳酸菌を試すなら!動物性乳酸菌の特徴

植物性乳酸菌の方がメリットが多いように思われますが、動物性乳酸菌もデメリットばかりではありません。動物性乳酸菌は胃酸や胆汁酸で殺菌され死菌となってしまうものの、この死菌も腸内環境の改善のために働いてくれるからです。

死菌を構成するたんぱく質や糖質などは「菌体」と呼ばれますが、この菌体は腸内に常在する善玉菌や植物性乳酸菌のエサとなり、それらの活動を活性化させる働きがあります。乳酸菌は外部から摂取した場合、そのほとんどが腸内に定住することなく数時間~数週間で排出されてしまうため、すでに常在している善玉菌を活性化させるのも、腸内環境の改善には大切。

その他、菌体には悪玉菌が好む有害物質を吸着し便として体外へ排出させ、さらに腸壁を与え免疫細胞の分泌を促進、免疫力をアップさせる効果もあるのです。特に免疫力に関しては、死菌でも生菌と同等の効果が得られるという結果もあります。

このように、死菌となっても活躍してくれる乳酸菌。最近のサプリメントでは、生きたまま動物性乳酸菌を腸に届けられるものも販売されています。日本人は一般的に植物性の方が合うとはいえ、その相性には個人差があるもの。植物性乳酸菌を摂ってもなかなか効果が実感できないときは、動物性乳酸菌を試してみるのもいいかもしれません。

科学の進歩ってすごい!ヒト由来の乳酸菌

植物や動物だけでなく、乳酸菌はもともヒトの腸内にも存在しています。特に乳児の頃は、ウイルスやバイキンなどから自らを守ることができません。そのため、免疫力を高めるために腸内では乳酸菌をはじめとする善玉菌の力が強くなっています。ただし、それらは母乳から離乳食へと移行するにつれ腸内細菌も大人同様のものに変わっていってしまうのです。

では、免疫力の強い乳児の腸内から取り出した乳酸菌を何とか役立てられないか、というところから開発されたのがヒト由来の乳酸菌。この多くは、健康な乳児の腸に存在する乳酸菌を便から取り出し、培養されたものです。乳製品などにもヒト由来の乳酸菌を加えている商品もあります。

現在、腸内環境の悪化を改善する治療として、健康な人の腸内細菌を分けてもらう便微生物移植という方法が注目されていますが、場合によっては抗生物質などによる治療よりも効果をあげることが分かっています。健康な人の腸内細菌はそれほど有用なのです。

ヒト由来の乳酸菌は、その他にもメリットがたくさん。まず、便として排出される時には、ほとんどが死菌となってしまう乳酸菌の中で、生き残っていた強い菌であること。このため、胃酸や胆汁酸などにも耐性があり、生きたまま腸に届く確率が高いと言われています。

また、もともと腸内に存在していた菌なので、植物性・動物性に比べて親和性が高く、定着性も高いという特徴があります。

乳酸菌は種類も多く、それぞれ働く場所や期間、特徴などに違いがあります。どれか一つでも摂ることが大切ですが、違う乳酸菌を一緒に摂れば相乗効果が得られることも。食事やサプリメントなどで、バランスよく摂り入れたいですね。

B/Hマガジン編集部

化粧品・サプリブランドの「B/H collect」編集部によるwebマガジンです。
美容・健康・サプリメント・スキンケアのお役立ち情報からお悩み解決方法まで、幅広い情報をお届けします。