乳酸菌でプリン体を対策!プリン体が及ぼす影響と控えるべき食べ物とは?

乳酸菌でプリン体を対策!プリン体が及ぼす影響と控えるべき食べ物とは?

戦後、食生活が豊かになり欧米化も進むなか、贅沢病とも言われる痛風患者が増えています。痛風はプリン体の過剰摂取が原因と言われますが、プリン体をコントロールするためには、どんなことに気をつければ良いのでしょうか? また、プリン体対策として乳酸菌の摂取が効果的という話もありますが、その真相はどんなものなのでしょうか?ここでは、プリン体が体に与える影響とその対策について紹介していきます。

そもそもプリン体とは?摂り過ぎるとどんな影響がある?

プリン体とはイノシン酸、グアニル酸などプリン骨格を有する物質の総称で、穀物、肉、魚、野菜などほとんどすべての食品に含まれています。また、すべての細胞の核、つまり人間の細胞の核にも存在しており、体内の約8割のプリン体は細胞の代謝により自己産生されたもので、残り約2割が食品として摂取されたものです。

通常プリン体は体内で分解され尿酸となり、尿や便とともに体外に排出されます。しかし、食品からのプリン体の過剰摂取などにより血中の尿酸値が高くなり過ぎると体外への排出が間に合わず、尿酸塩として結晶化し関節や腎臓内に析出することがあります。

すると急性の関節炎などを引き起こし、激痛となってあらわれるのが痛風発作です。

痛風発作が起こった場合には、抗炎症剤などにより一時的に症状を抑えることができますが、原因である尿酸値を下げなければ次第に発作の起こる間隔が短くなり慢性化してしまうこともあります。

痛風が慢性化すると、腎障害や尿路結石、関節の周囲の結節なども引き起こし、重症化する恐れがあるため注意が必要です。痛風は40〜50歳代の男性に多い病気です。

女性はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの一つが腎臓で尿酸の排出を促進させるため、男性に比べて痛風患者は少ない傾向がありますが、閉経後にはエストロゲンの分泌が減少するため痛風になるリスクが上がります。

「公益財団法人痛風財団」によると、健康診断などの血液検査では、プリン体の分解性生物である尿酸値が7mg/dlを超えると高尿酸血症、つまり痛風予備軍と判断され、生活指導の対象となります。

今すぐできる食生活の見直し

先述のように、プリン体はほとんどすべての食品に含まれている上に、旨味成分の一つでもあることから、食生活における制限が難しいと言われています。

プリン体が多く含まれている食品としては、レバー、白子などのほか、イワシ、カツオなど一部の魚類、エビなどが挙げられます。すでに尿酸値が高めの人はこれらの食品をできるだけ摂らないようにすることが望まれます。

また、尿酸値が高いとビールを控えるようにと指導されることがありますが、これは、ビールに含まれるプリン体自体は少ないものの、アルコールの作用が加わることで尿酸値を上昇させやすいためです。

そのため、毎日アルコールを飲むと痛風のリスクは2倍にもなると言われており、ビールを飲んだ際に顕著にあらわれやすい現象と言われているため注意が必要です。

ほかにも、早食いをすると血糖値が急激に上がり、多量のインスリンが分泌され、これにともなって尿酸値が上昇することもわかっているため、ゆっくり食事をするような習慣をつけると良いでしょう。

このようにプリン体を多く摂取しない、尿酸値を上げないようにすることも大切ですが、同時に、体内で生成された尿酸の排出を促すことも大切です。

例えば、野菜、きのこ、海藻類は、尿がアルカリ性になり尿酸の排出を促進し痛風の予防につながります。乳製品もそれ自体のプリン体含有量が少ない上に、尿酸の排出を促す作用があるため、これらの食品を積極的に摂るように心がけると良いでしょう。

手軽にできるから楽チン!乳酸菌でできるプリン体対策

このように、プリン体の過剰摂取は血中の尿酸値を上昇させ、高尿酸血症、ひいては痛風を引き起こしてしまいます。しかも、ほとんどの食品に含まれているプリン体を食事制限だけでコントロールするのは困難と言えるでしょう。

そこで、腸内で吸収されるプリン体を減らすことに着目して研究されたのが乳酸菌によるプリン体対策です。

「公益社団法人日本農芸化学会」発行の『化学と生物』によると、乳酸菌の一種であるLactobacillus gasseri PA-3(以下、L. Gasseri PA-3)は、プリン体を腸内で吸収しにくい形に分解する作用があることがわかっています。

また、同時にプリン体を菌内に取り込み、菌の増殖に利用していることもわかっており、これによって腸内のプリン体を減少させることができます。

そこで、35歳以上60歳未満の高尿酸値の男性に4週間、L. Gasseri PA-3を含むヨーグルトを摂取してもらったところ、プリン体の分解性生物である血中の尿酸値が低く保たれ、乳酸菌によって腸内からのプリン体の吸収が抑えられたことがわかりました。

2015年にはL. Gasseri PA-3を含むヨーグルトが製品化されており、もっと手軽なサプリメントも販売されています。食生活の改善を行いつつ、乳酸菌もプリン体対策の一環として取り入れてみてもいいかもしれませんね。

B/Hマガジン編集部

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