乳酸菌で口内環境が整う理由とは?
いくら歯磨きをしっかりしていても歯の裏やすきまなど、磨き残しをしやすい部分には歯垢が溜まってしまいます。歯垢1mg中にはなんと10億もの細菌が存在するといわれています。
その中には人間の体に必要な善玉菌だけでなく、歯周病や口臭を引き起こす悪玉菌も存在しているのです。さらに口の中には悪玉菌である「ミュータント菌」が存在していて、砂糖などをエサに繁殖し虫歯を引き起こします。
つまり口の中は腸と同じように善玉菌と悪玉菌が存在しているのです。東京医科歯科大学病院の和泉雄一教授によると乳酸菌が悪玉菌の増殖を防ぐので口内細菌が激減するということです。具体的な乳酸菌をいくつか紹介します。
・ロイテリ菌
ロイテリ菌は人の母乳から発見された菌で広島大学歯学部附属病院の二川浩樹講師(当時)のグループの実験結果では、虫歯菌とロイテリ菌を3対1で混ぜて培養すると、虫歯菌の約90%は発育が抑制されたそうです。
・L8020
広島大学歯学部の二川浩樹教授と四国乳業との共同開発で、L8020入りヨーグルトを開発し実証試験したところ、ヒトの口腔内から4種類の歯周病菌と虫歯菌が減少したという結果になりました。
・LS1(ラクトバシラスサリバリウスT12711)
東海大学の古賀教授の実験では、LS1と歯周病菌の一つであるジンジバリス菌を一緒に培養したところ、24時間後にはほとんどの歯周病原因菌が死滅したとのことです。
これらの結果を見てもわかる通り、乳酸菌は虫歯や歯周病から守り口内環境を整えてくれるのです。
口腔内を乳酸菌でケアするメリット
口腔内を良い環境にしてくれるとはいえ、歯磨き粉やデンタルリンスなど口腔内を清潔にしてくれる製品は沢山あるのに、なぜわざわざ乳酸菌でケアすることが良いのか、不思議に思う方もいるかもしれません。乳酸菌をおすすめする理由がきちんとあります。
口の中には善玉菌と悪玉菌の両方が存在しているのですが、善玉菌には虫歯菌や歯周病菌の繁殖を抑える大切な役割があります。ところが歯磨き粉やデンタルリンスは悪玉菌だけでなく善玉菌まで区別なく殺菌し洗い流してしまうのです。
さらに殺菌成分が配合されていると、きちんと殺菌され清潔になったように感じますが、常に殺菌効果が強いものを使っていると良い菌まで殺していまい、逆に悪い菌が繁殖しやすくなってしまいます。
歯垢を溜めないためにもしっかり歯磨きをすることは大切ですが、強力に殺菌する事ばかりが良いとは限りません。乳酸菌は腸内環境を整えるのと同じように、悪玉菌をやっつけつつ善玉菌を繁殖させるという効果があるのでおすすめなのです。
さらに乳酸菌はヨーグルトだけでなく乳酸菌が入った飲料もありますし、口臭予防などに特化した乳酸菌配合のタブレットなども販売されているので手軽に摂取することができます。
乳酸菌で優しくケアし虫歯・歯周病・口臭の予防をしましょう。
乳酸菌を摂るタイミング
先ほど紹介した乳酸菌のうちL8020はヨーグルトやタブレットでも市販されているのですが、歯磨きをした後で食べると効果が非常に高くなるといわれています。
その理由は歯磨きで歯垢を落とした後の方がより多くの虫歯菌に作用が届きやすくなるからなのですが、歯磨きをした後に摂取してそのまま寝るというと少し抵抗があるかもしれません。
抵抗がある方は朝食後などに歯磨きをしてから摂取しても効果が期待できます。LS1は摂取した後に歯磨きをしても効果を持続するといわれているので、夕食後摂取して就寝前の歯磨きをしても大丈夫ということです。
乳酸菌が虫歯予防や歯周病予防にも効果があると知っている方の中には、普通の歯磨き後の仕上げとしてヨーグルトで歯磨きをする方もいます。
基本的に虫歯菌は主に人の就寝中に活動するので乳酸菌を摂るなら朝よりも夜の方がおすすめです。タイミングだけでなく毎日継続的に摂取することが何より大切になります。
そして乳酸菌にも種類があるのでどれでも良いわけではありません。ここで紹介した乳酸菌が配合されている物の方が口の中のケアには向いています。
乳酸菌での口の中のケアは簡単で毎日継続しやすい口腔内ケアではないでしょうか。口の中をきちんとケアすることにより口腔内のトラブルだけでなく、さまざま病気の予防やアンチエイジングの効果も期待できるので是非チャレンジしてみてください。