食事で摂れる酵素の役割
酵素はもともと人の体の中に存在しています。食べ物を消化するほか、息をしたり筋肉を動かしたりという人が生きるために必要な活動に大きく関わっています。さまざまな働きをする酵素ですが、ひとつの酵素につき、ひとつの働きしかできません。
ミネラルの周りにたんぱく質が巻き付いた構造で、たんぱく質の巻き方によって種類が違います。約3000種類の酵素が発見されていますが、さらに新しい酵素が発見されると考えられています。生きるために必要不可欠な酵素は、食べ物にも含まれていて生野菜や果物のほか、生の肉や魚など新鮮な食べ物に含まれているのです。
また、納豆やみそなどの発酵食品にも多く含まれ、これらは食物酵素といわれています。ただし、いくら酵素を多く含んだ食べ物を摂取しても、胃で消化してしまうため食べ物から直接摂取するのは難しいようです。
しかし、食物酵素には消化を促す作用や食べ物の栄養を強化、新たな栄養を作るといった作用が期待できます。
風味を増したり、お肉を柔らかくしたりするといった効果もあるので、食物酵素の働きを利用して料理をよりおいしく作ることも可能なのです。
酵素を多く含む食材は?
野菜の中ではダイコンやブロッコリー、キャベツなどに特に酵素が多いといわれていますが、生で食べなければあまり意味がないようです。なぜなら、食品酵素は熱に弱いので50度以上の熱を加えると、酵素の働きがストップしてしまうからです。
生で食べることの多い果物の中ではパイナップルやキウイ、バナナ、パパイヤに多く含まれています。これらは食品まで分解する酵素が多く含まれるので、お肉を柔らかくするために使うこともあるようです。
さらに発酵食品にも食物酵素が多く含まれています。例えば納豆にはほかの食品にはないナットウキナーゼという酵素が含まれています。ナットウキナーゼは血栓を溶かす作用があるといわれていて、心筋梗塞や脳梗塞など血栓がつまり発症する病気を予防する効果が期待できるという説があります。
また、日本人になじみの深い漬物にも酵素が含まれています。中でも、ぬかや麹で漬けた漬物には特に多くの酵素が含まれているようです。果物や発酵食品はそのまま食べることが多いので、毎日の食事に取り入れやすいのではないでしょうか。
酵素の働きを高めるレシピ
酵素の働きを高めるためにおすすめなのが「酢」を使った料理です。酢は単品でも血圧や血糖値を抑える作用や、カルシウムの高める作用が期待できるといわれていますが、さらに食品酵素の働きを高めることも期待できるのです。特に1年以上にわたって発酵と熟成をさせる黒酢が効果的といわれています。
酵素は生の食べ物に含まれているので、食材は生の野菜が良いでしょう。そこで野菜をおいしく食べられる黒酢を使ったドレッシングのレシピを紹介します。材量は黒酢(大さじ3)、しょうゆ(小さじ1)、オリーブオイル(大さじ2)、こしょう(少々)です。
これらをよく混ぜるだけで出来上がりという簡単なレシピです。濃い目の味が好きな方は、市販のごまドレッシングに黒酢を混ぜるだけでも、ほんのり酸味のきいたドレッシングになりおすすめです。
スティック野菜で食べたい時は、ディップソースに黒酢を入れても良いでしょう。黒酢(小さじ1)、マヨネーズ(大さじ2)、ごま油(小さじ1)を混ぜると程良い酸味のディップソースになります。お好みで一味唐辛子やごまを加えてもおいしく食べられます。
酵素パワーを活かす摂り方は?
酵素の力を活かす摂り方も知っておくと、役立つのではないでしょうか。食品酵素には消化を促す働きがあるので、食事の最初に摂ることが理想です。例えば、生野菜のサラダを食事の最初に食べるという摂り方が良いのではないでしょうか。
また、果物ではキウイやバナナ、パイナップルにも消化酵素が多く含まれています。果物は皮を剝くだけで食べられる手軽さがあるので、時間にゆとりがない朝食時に食物酵素を摂るなら、これらの果物がおすすめです。
朝食の前に消化酵素を含む食べ物を摂ると、体内の消化酵素の消費を抑えて代謝を上げるという説もあるようです。毎日忙しくて毎食ごと食材に気を使えないという人も多いかもしれません。その場合は、酵素サプリで酵素を摂取することも良いのではないでしょうか。
サプリは栄養をきちんと摂れるように考えて作られているので、食事とサプリを上手に組み合わせれば酵素を効率よく摂取できるでしょう。酵素は人が生きていくために欠かせない大切な存在です。酵素を多く含む食材を参考にして、毎日の食事に取り入れてみてください。