花粉症予防に効く果物は?
花粉症に効くとされる果物で、特によく知られているのが柑橘類です。柑橘類の果物というのは、キンカンやレモン、カリン、グレープフルーツといった果物のことです。たとえば、この中のキンカンには、花粉症に良いとされるポリフェノールが豊富に含まれています。
キンカンはのど飴などにも良く使われる果物ですが、それは炎症を抑える効果がキンカンにはあると言われているためです。そのため、花粉症で痛めたのどの炎症などにも、キンカンは効果的な役割を果たしてくれます。
特に柑橘類が花粉症に良いと言われるのは、ナルリチンという成分が多く含まれているためです。中でも、「じゃばら」という柑橘系の果物にはナルリチンという成分がたくさん含まれており、花粉症予防に最適な果物とも言われています。
柑橘系以外にも、イチゴやバナナなどは食べ方次第で花粉症対策に効果的な果物になってくれます。ただ、果物を食べると身体を冷やしてしまうこともあります。身体の冷えは免疫力の低下を招き、花粉症を悪化させてしまうことがあるので、果物を食べるときは身体を冷やさないように工夫して食べるようにしましょう。
IgE抗体を減らすすりつぶしイチゴ

イチゴは花粉症に良く効くとされる果物のひとつです。中でも、すりつぶしたイチゴは花粉症の原因となるIgE抗体を抑制する働きがあるとされています。イチゴにはGAPDH( グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ )という酵素が含まれています。
この酵素がIgE抗体の抑制に貢献してくれると言われています。もちろん、そのままのイチゴを食べてもこの酵素の働きを実感できるはずですが、すりつぶしたイチゴの方がさらにIgE抗体の抑制効果がアップするようです。
具体的な食べ方としては、イチゴを15個から20個ほどすりつぶし、そのまま食べてもヨーグルトなどに混ぜて食べても良いでしょう。花粉症に効果を発揮させるためには、継続して食べることも忘れないようにしてください。
だいたい1週間ほど食べ続けることで、花粉症の症状を抑える効果が期待できます。市販されている品種の中では、「とよのか」や「あまおう」などに強いIgE抗体の抑制作用が見られたようなので、こうした品種で試してみると良いかもしれません。
イチゴはスギ花粉に対して特に効果があるらしいので、スギ花粉が飛び交う時期を狙ってイチゴを積極的に食べてみてはいかがでしょうか。
花粉症の悪化を防ぐバナナのオイゲノール
バナナには豊富なポリフェノールが含まれています。ポリフェノールには免疫機能を整える働きがあり、この働きが花粉症に良いと言われています。特にバナナに含まれるオイゲノールという成分は免疫機能に大きな影響を与えると考えられています。
ポリフェノールの仲間のひとつでもあるオイゲノールは、アレルギー反応と密接な関わりがあると指摘されており、免疫システムを整えることに大きく貢献してくれるようです。中でも、輪切りにしたバナナを焼いて、焼きバナナにして食べる食べ方がおすすめです。
バナナはもともと南国原産の果物なので、そのまま食べると身体を冷やしてしまうこともあります。焼きバナナにして食べることで、身体を冷やさずにバナナの成分を摂取することができるようになります。花粉症の悪化防止や予防効果もあると言われているので、花粉が飛び交う時期の1か月くらい前からバナナを食べ始めるというのも良い食べ方です。
バナナはスーパーなどで簡単に手に入れることができますし、焼かずにそのまま皮をむいて食べても良いので、手軽にできる花粉症対策としておすすめです。
じゃばらのナルリチンが持つ強烈な抗酸化作用

「じゃばら」はあまりなじみがないかもしれませんが、みかんで有名な和歌山県が原産の柑橘類の一種です。ゆずとみかんが自然に交配することで生まれた品種で、「じゃばら」という名前には「邪気を払う」という意味が込められているそうです。他の柑橘類と比べても、特に花粉症に良いとされている果物です。
「じゃばら」にはナルリチンという成分がとりわけ豊富に含まれています。ナルリチンはフラボノイドの一種で、強力な抗酸化作用があると言われています。このナルリチンという成分が、花粉症の症状を緩和するのに貢献してくれるそうです。
ナルリチンにはIgE抗体を抑える働きもあるとされ、他にもさまざまな抗アレルギー作用があることから、ナルリチンが特に豊富に含まれている「じゃばら」が注目されているのです。具体的な摂取の方法としては、ジュースにして飲んでみたり、焼き魚などにかけて食べてみたりするなどの方法が提唱されています。
果汁を絞って100%ジュースとして飲むとちょっと酸味がきついので、はちみつで割って飲んでみても良いでしょう。果物は薬とは違って美味しく摂取することができます。食べ方や飲み方に工夫をして、美味しく花粉症対策ができれば何よりです。