喘息症状が和らぐ「α-リノレン酸」
人が自らの身体で合成できないものとして、必須脂肪酸があります。必須脂肪酸は生きていくうえで欠かすことができないといわれているため、自ら積極的に体外から体内に取り入れることが必要とされているのです。一般的には、毎日の生活で摂取する食べ物により取り込みます。
しかし、食べ物だけでは十分に摂取しきれない分は、サプリで補うことが有効的な方法となるのです。必須脂肪酸には「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」があります。オメガ3脂肪酸は善玉コレステロールを増やしたり、神経細胞の活性化を促して脳機能を高め、記憶力をアップさせたり、炎症を緩和したりする作用があります。
一方、オメガ6脂肪酸は悪玉コレステロールを減らし、コレステロール値を下げる効果があるといわれているのです。「α-リノレン酸」は、オメガ3脂肪酸を代表する脂肪酸のひとつです。オメガ3脂肪酸が持つ炎症を緩和する作用はアレルギー症状を抑制させるため、喘息症状を改善させる効果が期待できるといわれています。
喘息の原因はいまだはっきりと解明されてはいませんが、いくつかある原因のひとつとして考えられている説に、アレルギーがあります。ダニやハウスダスト、スギ、食べ物、動物の毛といったものを気道に吸い込んだ際に、アレルギー反応が起きることで気管支に炎症が起きて症状を発するのが、喘息症状のひとつであると考えられています。
α-リノレン酸が含まれている菜種油や胡桃、しそ油といった食品からだけでは、十分に摂取できないα-リノレン酸をサプリで補うことにより、α-リノレン酸効果で気管支の炎症を沈めて、喘息症状を緩和させることに期待が持てるようになるのです。
喘息予防に効果的「βカロチン」
喘息の症状を起こしている人の気管支は、炎症が起きている状態です。気管支の炎症とは、気道の粘膜が荒れ、所々で粘膜がはがれていたり腫れてむくんでいたりといった症状が見られています。炎症により気道の粘膜が過敏になると、外部から入った少しの刺激に対しても気管支が敏感に反応し、喘息の発作として症状が誘発されてしまうのです。
そこで、弱まった粘膜に必要とされる栄養素が「ビタミンA」です。ビタミンAは、体の皮膚の細胞や粘膜を形成して、機能の働きを活発化させる働きを持っています。鼻や口から侵入するアレルギーの原因となる物質から、体を守っているのが粘膜です。粘膜の表面には粘膜を覆う粘液がありますが、粘膜の材料となっているのがタンパク質とビタミンAなのです。
しかし、粘膜を作るために重要となるビタミンAですが、過剰に摂取すると中毒を起こすというリスクがあります。そこで、このリスクを回避しながら必要となるビタミンAの栄養を確保する方法として、「βカロチン」の摂取という手段があるのです。βカロチンは、カボチャやニンジンといった緑黄色野菜に豊富に含まれている栄養素です。
そして、このβカロチンは体内に入り、肝臓や腎臓、小腸などで分解されると、ビタミンAに変わるという性質があります。βカロチンはどれだけ摂取しても、体に必要とされる分だけビタミンAに変わります。このため、過剰な摂取がリスクを伴うビタミンAを直接摂ることに比べて、リスクを抑えた摂取が可能となるのです。
食事を補うためにサプリで摂取する場合には、βカロチンのサプリを飲んだ方がリスク管理しやすくなり、栄養補給をすることが可能となります。
抗酸化作用で気管支喘息予防に「ビタミンE」
植物油やアーモンド、魚卵などに多く含まれている栄養素に、「ビタミンE」があります。ビタミンEは老化防止や美肌作りに効果的な栄養素といわれていますが、これは体の細胞膜や血液中にある脂質が酸化されることに対して、ビタミンEに防ぐ働きがあるからです。
ビタミンEは毛細血管を拡張し、血流を良くする作用があります。このため、血行が良くなり、全身への血の巡りがスムーズになって、肌トラブルを防いだり冷え性や肩こりなどの身体トラブルを改善したりする効果があるともいわれているのです。
酸化の原因となるのが活性酸素です。細胞膜を作っている脂肪酸は、活性酸素により過酸化脂質となって、細胞膜を酸化させ破壊します。活性酸素とは、自動車の排気ガスなどによる大気汚染や紫外線、ダイオキシンなど、環境のなかから影響を受ける有害な物質です。生活をするなかで体内に入り込んでしまいます。
体を酸化させないためには、活性酸素を抑える強い抗酸化作用の働きを持ったビタミンEの摂取は不可欠。ビタミンEを十分に摂取して、細胞が過剰に酸化し、脂質化することで生じる炎症の発症を抑えることは、気管支の炎症症状である喘息への予防対策としての期待につながる方法となります。
原因がはっきりとしていない喘息ですが、α-リノレン酸やβカロチン、ビタミンEといったサプリを上手に活用することで、原因のひとつと考えられている気管支の炎症を抑え、苦しい喘息症状を抑えることに期待が持てるのです。