花粉症の予報ってどれくらい正確なもの?

花粉症の予報ってどれくらい正確なもの?

春になると多くの人が花粉症の症状に悩まされます。花粉症の原因として、最も知られているのがスギ花粉です。日本ではおよそ2500万人が患っているといわれています。スギ花粉は風に乗ってはるか遠くの都会まで飛散し、時には300kmほども飛ぶといわれます。1年の中でも特に2月の下旬から3月にかけての飛散量が一番多く、3月から5月にかけてはスギ花粉だけでなくヒノキ花粉・北海道のハンノキ花粉など、さまざまな植物の花粉が飛散しています。春は最も花粉症に注意しなければいけない季節ですが、都市によって飛散する時期は前後するため、新聞やニュースなどで飛散情報をチェックしておくことがとても重要です。

ダーラム法について知ろう!

環境省では、花粉症に対する早めの予防と対策のため、環境省の情報サイトで花粉情報を提供しています。このサイトでは、全国でどれくらいの量の花粉が飛んでいるかの実況データやピーク予測、各地での花粉の予想飛散量などを知ることができます。

花粉が実際にどれくらい飛んでいるのかを調べるためには、ダーラム法や体積法、リアルタイム花粉測定法などの方法があります。ダーラム法は現在一番普及している測定方法で、建物の屋上など高い場所に置かれた円形のテーブルの上にスライドガラスを設置し、花粉の飛散量を調べます。スライドガラスの上にはワセリンが塗られているので、自然に落ちてきた花粉を捕らえることができ、1平方センチメートルあたりどれくらい花粉が落ちているのか、花粉の個数や種類を顕微鏡で確認することができます。

ただし、ダーラム法には人手がかかるというデメリットがあります。そのため、代わりに用いられるようになっているのが自動花粉センサーを用いた測定方法です。この測定方法であれば大気を積極的に取り込むことができ、1時間あたりの花粉濃度の変化をリアルタイムで計測することができます。

従来に比べさらに詳しい情報を得ることができるため、環境省では 自動花粉センサーにより収集された情報を表示できる「環境省花粉観測システム」の構築が進められています。平成19年には沖縄県を除く全国で花粉観測システムが確立されており、平成20年からは携帯電話向けのホームページも用意されています。

暑い夏ほど翌年の花粉症がひどくなるって本当?

「今年の夏は暑かったなぁ」というときは、翌年の花粉症に注意が必要です。日本で最も多い花粉症がスギ・ヒノキ花粉症といわれており、花粉が多く飛ぶほど症状も悪化します。「スギやヒノキは、夏の最高気温や日照時間、降水量などの影響により、発育の度合いが変わってきます。花粉を飛ばすのはスギやヒノキの雄花ですが、夏の気温が高くて雨が少なく日照時間が多いと、夏から秋にかけて雄花の中で花粉がよく成長してしまいます。そして10月頃から少しずつ飛散し始め、冬~5月頃までたくさんの花粉が飛散し続けるのです。花粉症というと春に花粉が飛散するイメージが強いですが、実は前年の秋から少しずつ飛散しています。ちなみに、夏に長く雨が続いたり冷夏だったりした場合は、花粉があまり成長せず、飛散量も少なくなります。また、猛暑だった翌年は、花粉の飛散する時期が例年より10日前後早くなるといわれています。そのため花粉症に苦しむ期間も長くなってしまい、猛暑の翌年に初めて花粉症になる患者も多いといわれています。

また日本の国土は南北に長いため、地域によって気候に随分と違いがあります。そのため、例えば各地のスギ花粉のピーク開始時期~落ち着いてくる時期を見てみると、九州地方が2月中旬~3月下旬とされているのに比べ、関東地方では2月上旬~6月初旬と、地域によって大きく差があることが分かります。関東地方の予想期間がかなり長い理由は、関東平野の西側に山岳地帯があり、スギの飛散花粉が関東地方に流れ込んで、長くとどまるためといわれています。

花粉予報をチェックしながら予防しよう

花粉症の原因となる花粉は、空気中にたくさん飛散しています。花粉症の治療を行っていたとしても、症状の悪化をできるだけ防ぐため、日常生活で花粉を避けるよう工夫をし、十分に注意することが大切です。

まず、日常的にチェックしたいのが花粉情報です。日本の地形は南北に細長いため、地域によって飛散する花粉の種類や量・ピーク時期などに違いがあります。そのためインターネットやテレビなどで環境省の提供する花粉情報や予報をチェックしておくと、花粉症の予防や症状の緩和に役立てることができます。

また、花粉が多く飛散する時期は、外出をなるべく控えるようにしましょう。外出する際は、花粉を防止するためのマスクや眼鏡を着用するようにしましょう。さらに、花粉がついたまま家に入るのをなるべく避けるため、表面が毛羽立っている素材のコートなどの使用は避けるようにしてください。帰宅時は、家に入る前に衣服や髪の毛についている花粉をしっかりと払ってから入室するようにしましょう。家に入ったら、洗顔やうがいをしっかりと行って鼻をかんでおくことが大切です。

飛散の多いときには、窓や頭をしっかりと閉めておきましょう。換気の際は窓をなるべく小さくあけ、短時間にとどめるようにしてください。飛散の多い時期は布団や洗濯物の外干しは避け、部屋干しで済ませるようにしましょう。花粉のシーズンはいつもより掃除を念入りに行い、特に窓際を綺麗にするように心がけてください。

花粉症の原因で一番多いものがスギ・ヒノキ花粉ですが、飛散し始める時期やピークは地域によって異なります。花粉症をしっかりと理解し早めに対策を行って、花粉シーズンを快適に乗り切るようにしましょう!

B/Hマガジン編集部

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