ダイエットには柔軟な身体作りが必須です!

久しぶりにはこうとしたジーンズのウェストが、お腹でつっかえてはけない。こんな悲劇を味わった方は多いのではないでしょうか。肥満は案外分かりやすい身体の変化です。脂肪が少し増えるだけで服が着にくくなったり、顔がむくんでみえたりするので実感しやすいのです。しかし、肥満の陰に隠れてひっそり進んでいるのが、柔軟性の低下です。いつのまにか太っていたという人は、意外と身体も硬くなっているものです。そんな肥満と柔軟性の関係にはどのようなものがあるのでしょうか。

柔軟な身体は基礎代謝を上げるって本当?

ダイエットをするとなると、まずイメージされやすいのが「運動をして脂肪を減らす」というシーンでしょう。しかし、運動をして消費されるカロリーの量は、一日全体のカロリー消費量からみると約5%程度しかないといわれています。では残りの消費は何が担っているのでしょうか。それが、基礎代謝です。

基礎代謝とは、寝ても覚めても身体の中で行われている代謝活動です。外からはじっとしているように見えても、体内で細胞の一つ一つが活動してエネルギーを使っています。脂肪燃焼に必要な基礎代謝ですが、これは筋肉の量や質に影響されるといわれています。一般的に筋肉の量が多ければ多いほど、つまり筋肉の活動性が高ければ高いほど、代謝が高くなる傾向にあります。

そこで注目すべきは、筋肉に対するストレッチの影響です。ストレッチを行うと、身体を大きく動かせるようになります。それは、伸ばされるという刺激を筋肉が受けることにより、筋細胞が増えて筋肉の長さが伸びるのです。長さが伸びた筋肉は、よりダイナミックに収縮することで血流がよくなります。組織への血液の出入りが増えることにより、代謝活動も活性化します。継続的なストレッチを行うことで筋肉のポンプが改善し、基礎代謝を上げることに繋がるということです。

また、ストレッチの仕方でも筋肉に対する影響は変わってきます。ゆっくり時間をかけてするストレッチでは長さの延長が期待できます。それに対し、6秒以内程度の短時間の刺激では、筋活動が活発になります。これは、筋肉の収縮反射を担っている筋紡錘とよばれるセンサーの感度が高まることによって成り立つ作用です。血流の変化やセンサーの感受性に影響され、筋肉の活動性が高まるといえます。その結果として、代謝が活発になることが期待できます。

ダイエットに効果的な柔軟とは

ダイエットを効率的に進めていくためには、代謝活動を活発にしていくことが求められます。そこで注目すべきは、姿勢とダイナミックな動作です。姿勢というのは、例えば立ち姿勢や座った姿勢のことですが、この姿勢が代謝活動にいくぶん影響してきます。よくいわれる猫背は、代謝が不活発になりがちな姿勢の一つです。この姿勢では、筋肉が縮んだままになる傾向になるため、十分な伸び縮みができません。すると、発揮できる力も弱くなってしまいます。そうなると、筋肉が消費できるエネルギーも低下してしまい、結果代謝が落ちてしまいます。また、骨盤のポジションも血流や筋活動に広く影響しています。このような見方から、正しい姿勢を保つことが代謝の活性化に重要ということがいえます。中でも、身体の外側を覆っている大きな筋肉である広背筋や大胸筋、骨盤を支えている腹筋群や股関節周りの筋肉は、姿勢と代謝に影響力の強い筋肉です。ダイエットをしていくのであれば、その部位を十分に伸ばすストレッチがオススメです。

そこで、ストレッチと有酸素運動を兼ね備えた簡単なエクササイズを紹介します。それは、歩くことです。ただ歩くのではなく、大股で歩くのです。注意するのは、足を前に振り出すのではなく、着いた足をできるだけ後ろまで伸ばし切るように意識するという点です。こうすることで、股関節から体幹の大半の筋肉にストレッチをかけることができます。脂肪燃焼とストレッチを同時に行うことができるまさに一石二鳥の方法といえます。

柔軟な身体作りでリバウンドしない身体に

身体が硬いということは、筋肉は萎縮して伸びにくくなっているという状態にあるといえます。輪ゴムでも、新品のものは大きく伸び縮みします。縮む勢いも強いものです。これにまったく刺激を加えずに長期間放置しておくと、ゴムの繊維がぼそぼそに劣化してしまい、少し伸ばそうとするだけですぐにちぎれてしまいます。硬くなった筋肉というのは、だいたいこのようなイメージでとらえてもいいでしょう。ゴムがちぎれるのと同じようなことが人体で起こると考えると、穏やかな話ではなくなってきます。硬い身体はケガの元になるのです。

ストレッチの頻度はできるだけ多い方が望ましいです。筋力トレーニングとは違い、よほどの負荷で筋肉を伸ばしでもしない限りは、筋肉痛などの不調に繋がることは少ないでしょう。じっくりゆっくり、時にリズミカルにストレッチをすることにより、全身をまんべんなく伸ばしていきましょう。ストレッチのチャンスは、朝起きてから寝るまでの間に無数にあります。普段の何気ない動きを大きくしたり、壁際でひそかにアキレス腱を伸ばしてみたりなど、日常の少しの工夫が健康的なダイエットになるのです。

柔軟をするのは、ダイエットに役立つ代謝を上げるためのみならず、ケガの予防にも繋がります。身体を整えるための運動でケガをしていては、元も子もありません。ケガをしないということが、効率のよいダイエットの大前提です。自分にあったやり方を選んで、自分のペースで気軽に実践、継続していくことがダイエットにおける一番の秘訣ではないでしょうか。

B/Hマガジン編集部

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