花粉症って治るの?花粉症のメカニズム

花粉症というと一般的に2月上旬から5月上旬までのイメージが強いでしょう。 スギ花粉は例年2月上旬から3月下旬ごろまで、ヒノキ花粉は4月ごろがピークです。 しかし、花粉にはこれ以外にイネやブタクサなどのさまざまな種類があります。症状の重い人では複数の花粉症を発症し、ほとんど一年中マスクや目薬といった対処法が必要なケースもあるでしょう。 なぜ、花粉症は起こるのでしょうか。また、花粉症にならないためにはどのような予防方法があるのかについて紹介します。

花粉症になる人と花粉症にならない人

花粉症になる理由は大きく分けて「遺伝的要因」「外部環境要因」「生活習慣要因」の3つがあります。

まず、遺伝的要因というのは簡単にいうと「生まれつきアレルギーになりやすい体質を持った人」のことです。花粉症はIgE抗体という物質が花粉に対して反応するために起こりますが、生まれつきIgE抗体が体内で作られやすい人がいます。これは花粉症に限った話ではなく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状全般に対して共通するものです。

つまり、親がアレルギー体質であると子供もかかりやすくなるといえます。外部環境要因として挙げられるのは「花粉量の多い地域に住んでいる」ということです。体質によってはどれだけ花粉を吸いこんでも花粉症にならない人もいますが、基本的には吸い込んだ花粉が多ければ多いほど、発症リスクは高まるといわれています。

3つ目の生活習慣要因には偏った食生活や運動不足といった日常生活に関わる問題だけでなく、部屋の住環境も関係があります。

住環境が悪いと花粉がハウスダストなどとくっついて発症しやすくなるからです。また、花粉症の発症には免疫力が大きく影響しているといわれているため、睡眠不足やストレスを日常的に感じている人も症状がでやすいといわれています。

一方で、花粉症になりにくいのは「親類にアレルギー体質の人がいない」「花粉をあまり吸っていない」「規則正しい生活をしている」人たちです。また、幼少時代にあまりにもきれいすぎる環境で育つと、免疫力が強くならないため花粉症を発症しやすいともいわれています。

そのため、ある程度モノがちらかっている環境で育った人の方が花粉症になりにくいといえるでしょう。

花粉症の診断はどうするのか?

花粉症かどうかを病院で診断するための方法は大きくわけて「皮膚検査」と「血液検査」の2種類があります。

皮膚検査とは、皮膚にアレルギー物質を吸収させて反応を見る検査です。皮膚検査の方法にも種類があり、皮膚を少しひっかいてそこからアレルギー物質を吸収させる「ブリックテスト」、アレルギー物質を染み込ませたパッチを貼って反応を見る「パッチテスト」、アレルギー物質を注射する「皮内テスト」があります。

どれも一長一短がありますが、一般的に多く検査で用いられるのは「ブリックテスト」です。理由としては比較的短時間で検査がすむことや痛みが生じにくく、安全性が高いことが挙げられます。ただし、血液検査に比べると精度は落ちることが多いです。

血液検査は痛みが伴いますし、検査結果がでるまでに時間がかかることがありますが、その分アレルギー物質を特定する精度が高いうえ症状の重さも分かります。

そのため、より詳しい症状を知りたい人は血液検査を行う方がよいでしょう。症状の重さが分かることで、医師が処方箋に記載する薬の強さを判断する材料にもなるため効果的な治療も期待できるでしょう。

血液検査にもIgE抗体の総量を測定する「RIST法」、アレルギーをある程度特定した上で検査する「RAST法」、アレルゲンが特定できていない段階で主に使われる「MAST法」などの種類があります。

花粉症の治療と予防対策

花粉症を病院で治療する方法には「対処療法」と「根治治療」があります。

対処療法とは、基本的に症状を緩和させることを目的とした治療法です。花粉症は風邪のように薬ですぐに治るものではありません。

そのため、一般的には抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬のような薬を用いて、くしゃみや鼻水といった症状を抑えます。また、特に鼻水がひどくて薬の効き目が悪いような場合には、レーザー手術をするケースもあります。手術といってもそれほど大げさなものではなく、部分麻酔で手術時間は10分程度、手術回数1回という比較的手軽なものです。

根治治療として期待されているのは「免疫療法」です。

花粉症が発症する原因の1つには免疫力の低下がありますが、この治療法ではあえて少量ずつアレルギー物質を身体に取り入れることによって免疫力を強くするという治療法です。

ただし、一度に大量に摂取するわけにはいきませんので1カ月に1回の頻度で治療に通い、根治までには2年から3年はかかるといわれています。また、個人差も大きいので必ずすべての人に効果があるとも限らないという問題もあります。

一方、治療する前の予防対策として個人で行えるものには「花粉が多そうな日は極力、窓を開けない」「マスクやメガネをちゃんとする」「外出から帰るときは玄関の外で服を払う」などがあります。花粉を吸いこむことで花粉症の症状は重くなりますので、できるだけ花粉と接触しないようにすることが大切です。(※1)

正しくケアして花粉症に負けない体づくりを

花粉症は一度発症すると治りにくい病気です。

しかし、いくつかのポイントに気を付けて症状を改善することはできます。そのポイントとは「早寝早起きなどの規則正しい生活」「疲れやストレスをためない」「毎日適度な運動をする」といったものです。

つまり、これらのポイントを守ることによって、免疫力が高まり結果的に花粉症の症状も抑えられるというわけです。

花粉症を根治させることは難しいので、花粉症と上手に付き合っていく体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。

参考サイト(外部)

※1:【公益社団法人全日本病院協会】花粉症について

B/Hマガジン編集部

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