めまいが起こる仕組みとは
めまいは、体のバランス感覚が何らかの理由でおかしくなったときに引き起こされる症状です。人間は平衡感覚を保つため、三半規管、耳石器、前庭神経といったさまざまなパーツを働かせています。しかし、これらのバランスは非常に繊細で、わずかにでも異常をきたすとめまいにつながりかねないのです。
異常の原因の1つとして、「病気」が挙げられます。体調不良によって平衡感覚を司る器官が正常に機能しなくなったとき、めまいを起こすことがあります。風邪やインフルエンザなどでめまいを起こすケースは多く、また、メニエール病、てんかんといった持病の症状としてもめまいが起こります。
めまいは老化現象の1つでもあります。年齢を重ねると若い頃と比べて、血圧を保つのが難しくなります。そのため、「急に立ち上がる」などの些細な行動でもめまいが起こるのです。
また、年をとると血液の循環が悪くなったり、水分の吸収率が減ったりするなど弊害も出てきます。めまいは脱水症状の結果ともいえます。そのほか、脳の異常や強いアレルギーの前兆でもあるので、めまいが起こり始めたら放置しない意識が大切です。
花粉症による鼻詰まりがめまいを引き起こす
花粉症にかかると、めまいに悩まされる人がいます。これも大きな原因は「平衡感覚のバランスがおかしくなったから」だといえます。
花粉症と併発しやすい症状が「慢性副鼻腔炎」です。副鼻腔炎にかかると、副鼻腔と鼻腔の間の部分が腫れ上がります。そのため、鼻水や鼻づまりが起こり、呼吸が困難になって頭痛などにもつながります。
人は「視覚情報」「平衡感覚」「身体感覚」の3つを組み合わせて情報を処理しているのが基本です。しかし、「鼻のどこまで広がっているか分からない炎症」は、「視覚情報」と「平衡感覚」のバランスを崩します。そのうえ、頭痛や鼻づまりなどの症状によって集中力まで低下すると情報処理が追いつかなくなり、めまいが起こるのです。
また、花粉症によって生活リズムがおかしくなるのもめまいの原因になるでしょう。花粉症になると何をやるにしてもくしゃみや鼻のかゆみがつきまとうので、仕事や家事の精度が下がります。
睡眠不足に陥る人もいるほどで、そのストレスは相当なものです。ストレスが蓄積した結果として、めまいが現れるパターンもありえます。
花粉症薬の副作用にも要注意
花粉症は自然治癒が困難な症状です。そのため、花粉症薬などに頼る人は少なくありません。
ところが、花粉症薬を服用し始めてから、ますます体調が悪くなるケースも見られるのです。これは、花粉症薬には副作用をともなう種類が含まれているためです。
たとえば、抗ヒスタミン剤は代表的な花粉症薬ですが、「眠気」「口の渇き」などの副作用があります。副作用を抑えたタイプの抗ヒスタミン剤も販売されているものの、価格は普通のタイプよりもはね上がります。
ステロイド剤もまた有名な花粉症薬です。しかし、内臓への負担が非常に大きく、使い続けると腹痛のリスクがあります。
ひどいときには、胃潰瘍などの症状にまで発展しかねません。花粉症薬のデメリットとしては、効果に対する副作用の度合いが往々にして釣りあわない点です。お腹の調子がおかしくなったり、日中の眠気に悩まされたりしても花粉症が治るとは限りません。
とはいえ、副作用が小さい種類だと効果自体も薄い傾向が顕著です。花粉症薬を服用する際には副作用を事前にチェックし、体質に合った種類を選びましょう。
花粉症からくるめまいの予防と対策
花粉症によってめまいが起こっているときには、とにかく一般的な「花粉症対策」を徹底しましょう。
外出先から帰宅したとき、うがいや手洗いを怠らず花粉をつけたまま暮らさないようにします。花粉のつきやすいウール素材などを着るのは控えましょう。マスク着用を心がけ、晴れた日にはそもそも無闇に外出しないようにするのも大切です。
また、「ストレス解消」はめまいと密接な関係があります。睡眠時間を確保する、入浴時間などのリラックスタイムを重要視するなど、生活リズムを見直してみましょう。ストレスが減るなら、適度な室内での運動も有効です。ヨガやストレッチなどは運動不足の人でも気軽に取り組めるのでおすすめです。
どうしても症状が治まらないようであれば、副作用の強い薬を飲む前にサプリメントを試してみましょう。
酵素サプリメントなどで免疫力を高めると、花粉症の症状を軽減し、めまいなどの悩みがなくなる可能性があります。花粉症は一度かかるとしつこくつきまとってくる問題です。「花粉症にかからない体質作り」が一番の対策となるでしょう。