新薬も登場!自分に合った花粉症薬の選び方

くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状を引き起こす花粉症は、早くて1カ月、長くて3カ月ほど症状が続くつらい疾患です。マスクを着用しても改善されない、仕事中鼻がつまって苦しいなど、日常生活に支障をきたすという人も少なくないでしょう。 そんな花粉症の症状を少しでも和らげるためには、薬の選び方が何よりも重要です。 そこで今回は、症状に合った花粉症薬の選び方について紹介していきます。花粉症は突然発症し、根治が難しい疾患です。 適切な花粉症対策が行えるように、花粉症薬の種類について詳しく知っておきましょう。

ぞくぞくと登場する新薬たち

花粉症の薬はさまざまな種類が販売されていて、2016年11月には新薬が2種類登場しています。それが、「デザレックス」と「ビラノア」です。

まず、デザレックスですが、こちらはすでに花粉症薬として販売されている抗ヒスタミン薬「クラリチン」の後継薬といわれているものです。クラリチンは花粉症薬のなかで眠気が起きにくいことがメリットで、デザレックスにも同様の特徴が見られます。

もともと、アレルギーを引き起こすヒスタミンには脳を覚醒する働きもあるため、それを抑制する抗ヒスタミン薬を服用すれば、症状の緩和が得られる一方で眠気などの副作用が出やすくなるのがデメリットでした。

しかし、デザレックスは限定された受容体(ヒスタミンH1受容体)のみを選択し、集中的に働きを抑制するため、眠気が起きにくいとされています。デザレックスは、副作用の心配なく薬を服用したいという人に適した花粉症薬であるといえるでしょう。

もちろん、花粉症に対する効果にも期待が持てます。先に販売が開始されていたクラリチンは、有効成分ロラタジンを配合しています。この成分は、肝臓で代謝酵素されてデスロラタジンに変化後、効果を発揮するものです。

デザレックスもロラタジンを配合していますが、こちらは肝臓で代謝するという過程が不要であるため、クラリチンよりもすぐに効き目があらわれることが特徴です。その効果は、くしゃみや鼻水といったアレルギー性鼻炎から、慢性蕁麻疹などの皮膚疾患にも効果的といわれています。

ビラノアはというと、実はデザレックスと比べて違いはほとんどありません。

配合されている有効成分はビラスチンであり、その働きはロラタジンと同じで、副作用が少ない点も同じになります。もっとも大きな違いは、用法・用量です。

デザレックスは1日1回の服用、12歳以上から使用できるのに対し、ビラノアは子供の服用はNGで、飲むタイミングも空腹時と決められています。症状が軽いときや手軽に服用したいときはデザレックス、効き目優先で服用する場合はビラノアといったように、症状に合わせて選ぶと良いでしょう。

鼻水や鼻詰まりが気になるときは?

鼻水や鼻詰まりが気になるときは、抗ヒスタミン薬を服用するのが一般的です。

抗ヒスタミン薬は、第1世代と第2世代でわかれます。

第1世代抗ヒスタミン薬は、症状を引き起こしている原因(ヒスタミン)の働きをブロックし、素早い効き目を実感することができます。高い効果が得られやすい反面、副作用が起きやすいのが特徴です。

第2世代抗ヒスタミン薬は、医療用医薬品から転用されたスイッチOTC(病院以外で購入可能になった市販薬)です。ヒスタミンに対するメカニズムは同じですが、副作用が出にくいのが特徴であり、花粉症対策薬としてはこちらの方が主流になってきています。効き目を重視するなら第1世代、副作用を気にするなら第2世代と選ぶようにしましょう。

第1世代か第2世代かというのはパッケージだけではわかりにくいため、薬剤師に相談してから購入すると安心です。

鼻水や鼻詰まりの症状が重く、すぐに何とかしたいという場合には、点鼻薬を内服薬と併用することも可能です。点鼻薬は、ステロイドが配合されているものとそうでないものの2種類にわかれます。

非ステロイド点鼻薬には、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、血管収縮薬などの種類があります。ステロイド点鼻薬は、医療用医薬品から転用されたスイッチOTCです。つらい症状を元から改善するのに効果的ですし、鼻の炎症やアレルギー誘発物質の抑制にも効果が期待できます。

鼻水や鼻詰まりは内服薬と点鼻薬を併用することが効果的なので、一緒に購入するようにしましょう。

目の症状が気になるときは?

目のかゆみや充血の症状が強いときには、人工涙液や点眼薬を使用しましょう。かゆみや充血の緩和に効果的です。

花粉症対策としてあげられる点眼薬には、メディエーター遊離抑制薬と抗ヒスタミン薬の2種類あります。

メディエーター遊離抑制薬は、ヒスタミンなどの炎症を起こす物質を抑制する働きがあり、花粉症そのものの症状を和らげるのに効果的です。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの働きを抑えるため、あらゆる目の症状を緩和させることが可能です。目のかゆみや充血などの症状が気になったときは、抗ヒスタミン薬の点眼薬を使用しましょう。

コンタクトレンズを装着した状態で点眼薬を使用する場合は、防腐剤の入っていないものを選ぶようにしてください。また、カップ式の眼洗浄剤を使うときは、目の周りをよく洗ってから使うようにしましょう。カップで覆われる範囲の肌に付着した花粉をあらかじめ取り除いておかないと、カップの中で花粉が目につき、症状の悪化を招きます。

点眼薬を使用しても症状が改善されない場合は、内服薬との併用が適切です。

症状に合わせて薬を選ぼう!

花粉症薬は内服薬から外用薬まで、さまざまな種類のものが販売されています。症状を引き起こしている原因を的確に排除するためには、症状に合った薬を選ぶことが大切です。

適切な薬を選んで、花粉症の症状を緩和させましょう。

B/Hマガジン編集部

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