腸の粘膜に穴があく?腸のアレルギー対策と予防法

腸の粘膜に穴があく?腸のアレルギー対策と予防法

胃や腸の具合が悪く、時間が経過してもなかなか症状がおさまらないときがあります。同じ不調が続く場合は、腸がアレルギーを起こしているかもしれません。アレルギーである際は、症状に合った適切な対策を取る必要があります。自己判断で誤った対策を行っていると、症状を悪化させてしまう可能性があるため危険です。この記事では、腸のアレルギーを起こすといわれているリーキーガット症候群と、発症させないための予防法について解説します。

腸のアレルギー!その症状とは?

免疫機能の異常であるアレルギーは、皮膚や呼吸器だけでなく消化器である腸にも起こります。通常のアレルギーのように、慢性的な不調が起こるのが腸のアレルギーです。腸のアレルギーを発症すると、下痢や便秘のような消化器系の不調・腹痛・胃腸の膨張感が起こります。下痢が続く場合は過敏性腸症候群とも判断される場合が多い傾向です。また、食物アレルギー・ぜんそく・花粉症・リウマチなどのアレルギー症状としてあらわれる場合もあります。食物アレルギーのケースでは、小麦粉や卵に含まれるたんぱく質が消化されずに吸収されると、粘膜組織によってアレルギー反応が起こる仕組みです。さらに、腸の不調とは関係ないように思える不眠症・慢性的な疲労感・関節炎・肌荒れも腸のアレルギー症状に含まれます。

腸のアレルギーを起こす原因は、普段の生活習慣が関係しているといわれています。乱れた生活習慣によって腸に大きな負担がかかるため、腸の粘膜に穴があいてしまうのです。穴があくと、身体にさまざまな不調を起こす「リーキーガット症候群」と呼ばれる症状を引き起こしてしまいます。

リーキーガット症候群のしくみ

リーキーガット症候群は、腸粘膜に穴があいて、未消化の食べ物や毒素などが血管に漏れてしまう症状を指します。「リーキー」は「漏れやすい」、「ガット」は「腸」という意味を持つのが病名の由来です。食べ物から吸収された栄養素は、消化分解されて小さな分子になり、腸から血管を通って体内に吸収されます。未消化の食べ物など栄養素ではない分子や有害な物質は腸粘膜によって分別され、体内に吸収されない仕組みです。腸粘膜は、必要な栄養素のみを通す「ふるい」のような役割を持っているといえます。

しかし、腸に炎症が起こると腸粘膜にあいている栄養を通す穴が大きくなりすぎてしまう現象が起こります。穴が広がると、本来であれば吸収されないため、血中に存在しないはずである消化の食べ物や有害な物質が血管に漏れ出してしまうのです。血中に存在すべきでないそれらの物質はアレルゲン物質と判断され、免疫機能によって攻撃が行われます。免疫機能が過剰に働くとアレルギー症状など体の不調が起こり、適切な対策を行わない限りは症状が和らぎません。

リーキーガット症候群が起こる原因は、偏った食生活・ストレス・消化不良・カフェインやアルコールの過剰摂取が挙げられます。薬を服用している場合は、抗生物質・鎮痛剤の多用もリーキーガット症候群を引き起こす原因となるので注意が必要です。さらに、加工された食品に多い添加物の摂取も原因のひとつとされています。

カンジタ菌がリーキーガット症候群を引き起こす?

カンジダ菌は、健康な人の体内にも存在している常在菌のひとつです。身体が健康な状態であれば、病気を引き起こすような害は与えません。しかし、薬を服用したり生活習慣が乱れたりすると腸内環境が悪くなり、カンジダ菌が増殖します。その結果、低血糖・眠気・体調不良など多くの症状が引き起こされてしまうのです。カンジダ菌はやっかいなことに消滅しにくく、症状が悪化すると腸粘膜にこびりついてしまうのが特徴です。そのまま炎症を起こすため、腸粘膜は耐え切れずに穴があき、リーキーガット症候群の原因となります。

カンジダ菌によるリーキーガット症候群の症状をおさえるには、まずカンジダ菌の増殖を止めなければなりません。増殖をおさえるには、食事の改善が効果的です。カンジダ菌は、糖質を栄養源として増殖を繰り返します。そのため、砂糖・果物・小麦・米など、糖質を含む食べ物の摂取は控えましょう。糖を多く含むカボチャ・イモ類・ニンジンも量を減らす工夫が必要です。

一方、カンジダ菌の増殖をおさえる食べ物には、唐辛子・シナモン・クローブ・ターメリックなどのスパイス類が挙げられます。また、バジル・シソ・パクチー・オレガノなどのハーブ類や、ココナッツオイルも菌の増殖を防ぐ効果が期待できる食べ物です。これらの食べ物には殺菌作用があるので、カンジダ菌の増殖をおさえ消滅を促すには効果的です。

腸のアレルギー予防には腸内の環境を整えよう!

腸のアレルギーであるリーキーガット症候群の発祥にはさまざまな原因がありますが、腸内環境をしっかりと整えれば予防ができます。腸内環境を正常な状態に保つには、腸内細菌である善玉菌と悪玉菌のバランスが大切です。善玉菌が多いと腸内環境が改善され、不調が起こりにくくなります。善玉菌を増やすには、納豆・みそ・漬物を摂取するとよいでしょう。また、ヨーグルトなど乳酸菌を含む食べ物も効果的です。サプリメントを上手に活用すれば、必要な成分を手軽に摂取できます。腸のアレルギーを発症してしまうと、身体に多くの不調があらわれてしまいます。腸内環境を整えて、発症のきっかけを与えないようにしっかりと予防を行いましょう。

参考サイト(外部)

アレルギー症状のメカニズムや対処法:アレルギージャーナル

B/Hマガジン編集部

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