本当は怖い!?薬物アレルギーで注意すべきポイント!

本当は怖い!?薬物アレルギーで注意すべきポイント!

アレルギーといえば花粉やホコリ、ダニ、食べ物を連想する人も多いかもしれません。そうしたアレルギー症状を抑えるための方法のひとつが、薬の服用です。ところが、その薬が原因となってアレルギー反応を引き起こしてしまうという本末転倒な場合があります。そのような症状を薬物アレルギーといい、最悪の場合死にいたることもあるので注意が必要です。そこで、今回は薬物アレルギーの特徴や症状、予防のためのポイントについて詳しく解説します。

アレルギーが起こる原因

体内にはウイルスや細菌が侵入してきた際、そうした外敵を攻撃するための免疫機能が備わっています。その免疫機能が過剰に反応しすぎてしまい、体に悪影響を及ぼすのがアレルギー症状です。アレルギーの原因となる物質をアレルゲンや抗体といい、主なものに花粉やダニ、ホコリ、食物などがあります。どのアレルゲンが体にアレルギー反応を引き起こすのかは、人それぞれです。

薬物もそうしたアレルゲンのうちのひとつです。これは薬に含まれる分子が血液中のタンパク質と結合することによって引き起こされます。薬は本来、体内のアレルゲンを中和するために服用するものです。しかし、血液中のタンパク質と結合してしまった薬そのものがアレルゲンとなってしまい、アレルギー症状の原因となってしまうことがあります。

薬物アレルギーの症状

薬物アレルギーの症状としては発疹、皮膚や目のかゆみなどが多く見られます。そのほか、検査によって肝障害や血液障害などを併発していることが判明するケース、気管支喘息やアナフィラキシー・ショックを引き起こすケースもあります。アナフィラキシー・ショックとは全身に起こる急性アレルギー反応のことで、血圧が急激に上昇し最悪の場合、呼吸困難に陥って意識を失ってしまうという症状です。

薬物アレルギーは、薬そのものがアレルゲンになるのではありません。薬が血液中のタンパク質などと結合し、複合体になったものがアレルゲンとなります。つまり、薬理作用そのものとは何の関係もないということです。そのため、薬物によるアレルギー症状が発生した場合、その薬の拮抗薬では抑えることができないというのが大きな特徴になります。

ペニシリン系・セフェム系の抗菌剤は要注意!

アレルギー反応を引き起こしてしまうことが多い薬剤として、抗生物質、特にペニシリン系やセフェム系の薬が挙げられます。ペニシリンは感染症に対する効果が高いため「魔法の薬」といわれていた薬剤です。ところが、1956年に起きた「ペニシリン・ショック事件」によって過信しすぎてはてはいけないことが明らかになりました。「ペニシリン・ショック事件」とは、東京大学法学部の尾高朝雄教授が歯の治療中、ペニシリン注射によるアナフィラキシー・ショックを引き起こしてしまったというものです。

そして、搬送先の病院で亡くなってしまいました。死因は重篤なショックを伴うアレルギー反応です。このことは社会問題へと発展し、ペニシリンの純度が大きな問題となりました。当時のペニシリン製剤は最も純度が高いものでも75%程度であり、多くの不純物が含まれていたのです。尾高教授のアナフィラキシー・ショックの原因も、ペニシリン以外の物質にあった可能性がありますが、この事件以降、ペニシリン製剤の純度は99%以上になっています。現在ではペニシリンによるアナフィラキシー・ショックの発生頻度は当時よりも低く抑えられています。

しかし、どの成分がアレルギー反応を引き起こすのかは個人の体質によってそれぞれです。そのため、過去に薬を服用したことで特別な反応があったという人は、そのことを自分で書き残しておくことが必要でしょう。また、鎮痛剤や非ステロイド抗炎症薬、ホルモン剤、酵素製剤、造影剤なども他の薬に比べてアレルゲンとなりやすい薬剤だといわれています。

薬物アレルギーを起こしやすい人とは

薬物アレルギーを起こしやすい人はどんな人でしょうか。いくつかの症状を患っている人は薬物アレルギーの経過観察が必要だとされています。まず、挙げられるのは 肝臓や腎臓の機能に問題がある人です。そのほか、他の物質でアレルギーを持っているといったアレルギー体質の人も、薬物アレルギーを引き起こしやすいといわれています。服用中の薬が複数あるという人も、薬の成分が体内で結合することによってアレルギー症状が出やすいので注意が必要です。

また、高齢者や子ども、栄養状態がかなり悪い人、虚弱体質の人も成人の人より薬物アレルギーを起こしやすいといわれています。これらの項目にあてはまる人は、薬を服用する際によく気をつけておく必要があるでしょう。

栄養サプリで体質の改善を

薬物アレルギーを起こしやすい人として、栄養状態が悪い人や虚弱体質の人が挙げられます。そのため、そういった自覚のある人は、まず体質の改善を行うことが薬物アレルギー対策の重要なポイントです。

虚弱体質の原因は栄養、睡眠、体力の3つが不足していることです。食べる量が少ない人や代謝機能が悪く体温が低い人、日常生活においてストレスを溜めこみやすい人は虚弱体質になりやすいといわれています。こうした問題を解決するためには、漢方やサプリメントを使用するのがひとつの方法です。とりわけ、サプリで多く見られる酵素は虚弱体質の人の多くが不足しているといわれています。積極的に栄養サプリ摂取することで栄養吸収を活発にし、強い体を作ることが期待できるでしょう。

薬物アレルギーの存在を知っておきましょう

薬物アレルギーは一度起こってしまうと体内にその薬に対する抗体が残ります。そのため、ほかの同じような薬を飲んでもアレルギーが引き起こされるようになってしまいます。まずは、薬物アレルギーの存在を知っておくことが重要です。また、たとえ軽症であっても、薬物アレルギーを起こした場合には、その薬の名前を覚えておくことも大切といえます。受診して薬を処方してもらう際や薬局で薬を購入する際、そのことを医師や薬剤師に伝えることが、薬物アレルギーを未然に防ぐための第一歩となるでしょう。

参考サイト(外部)

アレルギー症状のメカニズムや対処法:アレルギージャーナル

B/Hマガジン編集部

化粧品・サプリブランドの「B/H collect」編集部によるwebマガジンです。
美容・健康・サプリメント・スキンケアのお役立ち情報からお悩み解決方法まで、幅広い情報をお届けします。