アレルギー性紫斑病は子どもに多い?その原因と症状

アレルギー性紫斑病は子どもに多い?その原因と症状

どこかにぶつけた様子もないのに、子どものお尻や両脚などに紫色のあざができていたら、アレルギー性紫斑(しはん)病かもしれません。アレルギー性紫斑病は「アレルギー」とその名に付いているとおり、体にアレルギー反応が起こることで発症する病気です。今まで何の症状もなかったのに、あるとき突然前触れもなく病気にかかってしまうことがあります。そこで、ここではアレルギー性紫斑病の原因や具体的な症状、治療法について詳しく解説します。

アレルギー性紫斑病とは

アレルギー性紫斑病とは、全身を巡る細い血管にアレルギー反応が出ることで炎症が生じ、血管が壊れやすくなり出血しやすくなってしまう病気です。「IgA血管炎」や「ヘノッホ・シェーンライン紫斑病」、「アナフィラクトイド紫斑病」などともよばれています。皮膚などに起きる内出血によって紫色のあざができやすくなる血管性紫斑病のひとつで、全身性のものです。年齢に関わらず発症する可能性はありますが、3~10歳の小児に多く見られ、特に男児によく発症する傾向があります。

子どもに発症する血管炎では最も頻度の高い病気で、発症率は年間10万人あたり約10~20人です。アレルギー性紫斑病自体の症状だけではなく、腎臓病などの合併症状が見られることも多々あります。

紫斑症の原因と症状

紫斑症が出る明確な原因はわかっていません。ただし、細菌やウィルスの感染が引き金となって血管にアレルギー反応が出ることが、発症に関係していると考えられています。健康な状態であればIgAという免疫システムの抗体が身体を守る働きをします。しかし、通常よりIgAが多く作られてしまうと、血管の壁にくっついてしまって血管に炎症が起きてしまうのです。

引き金となる感染の元となっている病原体にはブドウ球菌やA群溶連菌、マイコプラズマ、水痘、肝炎、麻疹、風疹などのウィルスが挙げられます。扁桃腺など鼻からのどにかけての部位に起こる上気道炎が引き金となっているケースが多く見られますが、副鼻腔炎(蓄膿)が症状を引き起こしている場合も少なくありません。通常、紫斑病は約半数の割合で風邪などの先行感染があり、1~2週間で発症する傾向があります。

アレルギー性紫斑病の主な症状は紫斑のほか、むくみ、腹痛や関節痛などです。紫斑は顔や上肢など全身に出る可能性がありますが、多くの場合、脚の関節部やお尻などに発症します。特に、下着や靴下などを着用した際に血管が圧迫されやすい部位に出現しやすい傾向があり、両側に対称的に紫斑が出ることが特徴です。

紫斑が出る前には、じんましんのような発疹が出て軽いかゆみを感じます。そして、その後、湿疹が発症した部位が次第に紫斑になっていくことが通常です。赤くなった部位を指で軽く押さえて色が消えれば湿疹ですが、消えない場合には紫斑の可能性が高くなります。症状は通常、前触れもなく突然発症して症状が出たり消えたりを数カ月の間繰り返すこともあるでしょう。ただし、その後は段々と症状が安定していくことが一般的です。

一方、むくみは頭や顔、背中などに見られることもありますが、脚の関節周辺やふくらはぎのあたりに出る傾向が高い症状です。また、腹痛では激しい痛みを繰り返し感じ、嘔吐や下血を起こすこともあります。そして、関節痛は一過性で、多くの場合、腫れを伴うものです。痛みの激しさによっては歩けなくなるほど重症となる場合もあります。

アレルギー性紫斑病の治療法は?

アレルギー性紫斑病には飲めばすぐに効き目が出るような特効薬はありません。発症初期のころや症状が軽いケースであれば、安静にすることが紫斑を増やさないためにも1番の方法です。通常であれば、自宅安静で対応できますが、腹痛が激しかったり、血便が見られたりした場合には入院が必要になることもあります。また、痛みの状況によっては、点滴をしたり、ステロイド注射などを打ったりすることも必要です。

一方、安静を基本としながら、同時に、症状ごとに適した治療を行っていくことも大切です。先行感染には、原因となる細菌やウィルスに対応した薬剤治療を行います。関節痛に対しては、痛みを和らげる効果があるアセトアミノフェンなどの薬剤を投与する方法が効果的です。また、痛みを鎮め炎症を抑える働きを持つ経皮鎮痛消炎剤を皮膚に塗布したり貼りつけたりすることでも効果が期待できます。

通常であれば、数週間で症状はなくなり、後遺症になることはほとんどありません。しかし、中には腹痛や関節痛などの症状が長期化してしまうケースもあるのです。症状の長期化により止血や傷の治りに関わる因子が不足してしまった場合には、血液を凝固させる因子製剤を投与し、欠乏した因子の補充を検討することもあります。

病気予防は体質改善から(サプリの活用もあり)

アレルギー性紫斑病は一般的には子どもに多く発症する病気ですが、大人でも起こり得る病気です。子どもに対してだけではなく、大人が自分に対して気を付けておくことも必要となります。

アレルギー性紫斑病にならないためには、日ごろから健康に留意した生活を送ることが大切です。病気の発症を防ぐための直接的な予防法はありません。しかし、発症の原因として考えられている免疫システムの異常が起きないように正常に保つことが対策の1つにはなります。定期的な運動は筋肉量が増え、体温が上がりやすくなり、免疫力アップにつながります。ウィルスなどの感染から身体を守るためにも、免疫力を上げることは有効的な方法です。さらに、日々しっかりと質の良い睡眠をとり、免疫力を下げないようにすることも重要となります。

また、運動などを定期的に行うことが難しい場合にはサプリメントを活用するのも方法です。免疫力アップだけではなく、腸内環境を整える効果に期待できるサプリメントも適しています。人間の免疫のおよそ7割は腸内免疫細胞だからです。健康な毎日を送るためにも体質改善を目指して、日ごろから免疫力の維持を心がける生活を送るようにするとよいでしょう。

参考サイト(外部)

アレルギー症状のメカニズムや対処法:アレルギージャーナル

B/Hマガジン編集部

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