この「眠気」何とかならない?花粉症で起こる眠気の原因3つ

この「眠気」何とかならない?花粉症で起こる眠気の原因3つ

花粉症はスギやヒノキ、ブタクサといった植物の花粉が原因で起きるアレルギー症状です。一度発症してしまうと毎年繰り返すことになり、花粉が飛ぶ季節にはくしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状に悩まされます。このような症状は風邪と間違われやすいですが、花粉症の場合は花粉が飛んでいる間は症状が続くため、長期にわたって日常生活に多大な影響を及ぼします。目や鼻の症状だけでなく、眠気に悩まされる人も少なくありません。夜にぐっすり眠ることができなかったり、仕事や家事で強い眠気におそわれたりと生活のなかで大きな負担となります。この記事では、花粉症による悩みの一つである眠気の原因や対策について紹介します。

昼間は眠いのに夜は眠れない!花粉症で起こる眠気の特徴とは?

突然発症する花粉症は、花粉が原因で起きる季節性のアレルギー性鼻炎です。自然に改善するケースは少なく、現在の医学では完全に治す治療法はないので多くの人が長期的に悩まされています。くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった代表的な症状だけでなく、頭痛や全身の倦怠感など人によって症状や重さもさまざまです。

花粉症は睡眠への障害も強く、寝付きが悪くなったり夜中や朝早くに目が覚めてしまったりと睡眠の質を低下させます。熟睡できないことによって、翌日は一日を通して体がだるく眠気がとれないといった症状が出る人も多いです。花粉症の症状は長期にわたって続くため、睡眠不足などの問題は長期間改善されにくくなります。これらの慢性的な悩みにより思考力や集中力が低下し、日常生活において大きな影響を及すのです。夜にぐっすり眠れない反動で日中に強い眠気が起き、普段できていたことがスムーズにこなせなくなるといった問題も発生するでしょう。眠気は勉強や仕事においても、生産性や効率の低下につながってしまいます。また、乱れた生活サイクルによって起きるストレスや疲れは、アレルギー症状を悪化させる要因にもなるのです。

眠気の原因その1【鼻がつまって夜眠れない】

夜にしっかり眠りたいと思っていても、花粉症の症状によって睡眠が妨げられてしまうことは大きな悩みではないでしょうか。眠気の原因の一つとして、就寝時の鼻づまりによる睡眠不足があります。

アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストを吸い込むことによって起きる免疫反応が原因です。アレルギーの原因となる物質を吸い込むと肥満細胞という細胞がヒスタミンを中心とした化学伝達物質を放出し、この物質が鼻の粘膜にある神経や毛細血管を刺激します。花粉を排除しようとする免疫システムの過剰反応によって、くしゃみや鼻水といった症状が引き起こされるのです。寝室に花粉が飛散していれば、鼻がつまったり絶えず鼻水やくしゃみが出たりするので眠ることができなくなります。

また、鼻づまりによって睡眠時に鼻呼吸ができないということも睡眠の質を低下させる原因の一つです。鼻の中には、温度や湿度を感じ取るセンサーがあるとされています。このセンサーは良質な眠りを維持するために脳と連動して調節を行う役目がありますが、鼻呼吸ができない場合は機能しません。口呼吸をすることで、のどが乾いて花粉が付着しやすくなりますが、鼻呼吸ができないことでも大きなデメリットがあるのです。ほかにも、鼻づまりによるいびきや無呼吸が起きると、途中で目が覚めたり睡眠が浅くなるためぐっすり眠ることができません。質の悪い睡眠は、体の疲れが取れず昼間の眠気やだるさの原因になります。

眠気の原因その2【身体のアレルギー反応】

花粉症による眠気はくしゃみや鼻づまりといった症状による睡眠不足だけでなく、花粉症そのものが眠気に影響を及ぼしている可能性があります。アレルギーの一種である花粉症は、アレルギー物質が体に入ると人体の免疫システムが過剰反応を起こします。このとき、たくさんの化学伝達物質が分泌されますが、その物質のなかに眠気を起こすものがあるといわれているのです。

また、酸素を取り込む量が少なくなるので脳が酸素不足を起こして眠気を感じるという状況もあるのです。花粉症のアレルギー反応によって鼻の粘膜が炎症を起こし腫れ上がると空気の通り道が狭くなります。鼻呼吸で取り込める空気が少なくなると口呼吸が行われますが、鼻呼吸のように多く空気を取り込めるわけではありません。口呼吸によってのどが乾燥すると花粉が付着しやすくなります。付着した花粉で炎症がひどくなると、さらに取り込める酸素が少なくなって酸素不足を起こすのです。

眠気の原因その3【薬の副作用】

花粉などのアレルギーを治療する薬として主流となっているのが抗ヒスタミン薬です。アレルギー症状の原因物質であるヒスタミンを抑えるはたらきを持っています。第1世代抗ヒスタミン薬は効き目が早いという特徴がありますが、抗ヒスタミン薬は脳に入ると眠気や口の渇きといった副作用が強く出る人も多いのです。眠気が出るため就寝前に服用することで睡眠をしっかり取ることができ、自律神経が整えられるという利点もあります。ただし、ライフスタイルによっては服用する時間に注意が必要です。

これに対し、第2世代抗ヒスタミン薬は眠気や口の渇きというような副作用が出にくいことが特徴といえます。アレルギー性鼻炎薬は長いあいだ服用する必要があるため、効果と副作用はきちんと確認しておきましょう。自分の症状やライフスタイルに合った内服薬や点鼻薬を選ぶことが大切です。とくに薬の副作用による眠気は、日常生活に危険を及ぼす可能性もあるため注意しましょう。また、花粉症によるアレルギー性鼻炎は初期症状の段階で対策すると効果的といわれています。花粉が本格的に飛散する前に、アレルギー専用鼻炎薬を飲んでおくとひどい症状に苦しまずにすむ場合もあります。

眠くならないためにできることはある!

花粉症による眠気は、さまざまな原因によって引き起こされます。日常で大きな負担となる花粉症の症状と眠気は、早めの対策とセルフケアが重要です。日頃から花粉が室内に入り込まないよう予防し、症状の改善や免疫力の強化などに力を入れましょう。普段の生活習慣を整えて強い体を作ることも大切です。また、日中の活動が眠気で妨げられないようにしっかりと対策することが大切です。眠気の対策方法をチェックして、良質な睡眠をとりましょう。

眠気の対策その1【鼻詰まりを解消する】

ぐっすりと眠って質のいい睡眠をとるためには、鼻呼吸が大切です。しかし、花粉症の症状がひどい人はなかなか鼻呼吸はできません。症状が出る場合は内服薬だけでなく、鼻づまりや鼻水を速やかに止める点鼻薬を使用することも効果があります。また、鼻の粘膜に付着したゴミやホコリを流して鼻づまりも解消する「鼻うがい」という手段もあります。痛みはほとんどなく、方鼻ずつゆっくりと吸い込み口から出して鼻をスッキリさせることができます。鼻うがい液や専用の器具は、ドラッグストアやネット通販などで販売されているので簡単に入手できます。

一時的な方法として、鼻づまりで苦しいときに蒸しタオルで鼻を温めることでも効果が得られます。熱い湯にひたしたタオルを絞るか、水にぬらして絞ったタオルをラップに包み電子レンジで1分ほど加熱して蒸しタオルを用意しましょう。鼻を温めると鼻孔が広がり粘膜の血流がよくなるため鼻づまりが解消されます。

基本的な予防としては、花粉を吸い込まないことが大切です。外出中はマスクをして、衣類に付着した花粉をしっかり払い落とし室内に花粉を入れないようにします。花粉の飛散が多い日は窓を明けずに、布団やまくらを外に干さないといったことも、就寝時に花粉を吸い込まないためには必要でしょう。掃除をしっかりして、寝室の環境を整えることが第一歩といえます。

眠気の対策その2【薬を変えてみる】

花粉症の薬にはさまざまな種類があり、症状によって処方される薬も異なります。主な症状が鼻づまりの場合は、抗アレルギー薬だけでなく点鼻薬も処方されるケースが多いです。目のかゆみといった症状が強い人の場合は、内服薬に加えて点眼薬も必要になります。花粉症の薬に含まれる成分にはそれぞれに特徴があり、薬の効果や副作用は人によって出方が違うため、症状にあったタイミングで適切な薬を使用することが大切です。

また、眠気だけでなく薬の副作用として、アレルギー性鼻炎を抑える抗ヒスタミン薬が脳に作用することがあります。本人が気が付きにくい集中力や判断力、作業能力の低下が起きることを「インペアード・パフォーマンス」といいます。日常生活のなかで影響が出る可能性があるので気をつける必要があるでしょう。花粉症の治療薬は多くの種類があるので、人によって相性も変わります。薬による効果が出ないときや、眠気やそのほかの副作用が強い場合は医師に相談して薬を変えてみることも検討しましょう。

眠気の対策その3【夜の睡眠をしっかりとる】

花粉症の予防には花粉を取り込まないようにすることが必要ですが、体の免疫力をアップすることも重要です。睡眠は自律神経や免疫のバランスを安定させるため、花粉に負けない体づくりに大切な要素といえます。ストレスや疲れが溜まるとアレルギー症状が悪化するので、ストレスが軽減できる環境づくりを心がけましょう。

ぬるめのお湯でゆっくりと入浴して、心と体をリラックスさせることは質の良い睡眠に効果的です。寝ているときに床の上に落ちた花粉を吸い込まないように、こまめな拭き掃除をしておきましょう。寝室に花粉を入れないように、窓を開けたり寝具を外に干すことは控えましょう。空気清浄機や加湿器を使うことも花粉症対策に効果があるとされています。薬などで症状を抑えるだけでなく、寝室の環境を整えることで睡眠をとりやすくなります。鼻の粘膜を刺激する喫煙や鼻づまりを起こしやすくなる飲酒は控えたほうが良いでしょう。睡眠の質を上げるために、就寝前にできることをしておきましょう。

花粉症からくる眠気には薬や生活習慣の見直しを

花粉症による眠気は、花粉症そのものが原因となる場合や薬の副作用によって引き起こされます。睡眠不足によって体調が悪化すると、花粉症の症状と相まって生活に大きな影響が出てしまいます。ストレスや疲れが溜まると免疫力も低下するため、しっかりと睡眠をとって花粉症に負けない強い体を作ることが重要です。自分のライフスタイルに合った薬を選ぶことや、生活習慣を見直すことが第一歩となるでしょう。また、普段からこまめな掃除で花粉を室内に入れないことや、うがいや洗顔などでしっかりと花粉を洗い落とすことが大切です。規則正しい食生活で体に負担をかけないようにして、適度な運動で体調を整えてしっかりと眠り花粉シーズンを乗り切りましょう。

花粉症情報サイト(外部)

花粉症の主な症状や原因、治療法など:アレルギージャーナル

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