医療の進歩に貢献する「治験」とは?知っておきたい特徴とメリット

医療の進歩に貢献する「治験」とは?知っておきたい特徴とメリット

美容や健康を意識することで日常生活が豊かになり、充実した人生を過ごせます。しかし、みなさんが知っている美容や健康に関する知識は、これまでの美容や医療関係者の努力による賜物です。さまざまな議論が重ねられて実証実験が繰り返され、その積み重ねによって支えられています。医療の分野において、最先端の治療方法の効果を試すために用いられている方法が「治験」ですが、具体的な部分まで知っている人はあまりいないのではないでしょうか。そこで、症状を発症する人が増加傾向にあるといわれている「花粉症の治験」を紹介します。

花粉症の治験では一体どんなことをするの?

花粉症の治験は、まず参加申し込みをすることから始まります。花粉症に限らず治験への参加申し込みは主にインターネットから行えます。利用するサイトで本人登録を行ってから、希望する治験を検索して応募するだけです。治験というと重苦しいイメージを想像している人もいるでしょうが、気軽に利用できます。登録したら多くの場合で、参加希望者を集めて合同で説明会が開かれます。説明会では、治療に関するメリットや想定される副作用などのデメリットなどが説明されるので、問題なければ同意しましょう。

説明会の内容に同意して無事に治験参加者として選ばれたら、最初に健康診断を行います。花粉症の治験の場合は参加者が健康体であるのはもちろん、治療効果を期待するアレルギーを持っていることが必須条件です。アレルギーを持っていることの確認のためにも健康診断は行われます。健康診断を無事にパスできたら、いよいよ治療開始です。治療内容については治験によってさまざまですが、花粉症の治験の場合は投薬によるものがほとんどなので、入院して長期間拘束されるということはあまりありません。そのため、参加者は毎日処方された治療薬を飲んで、その記録をとっておくという内容が基本になります。

処方された薬を飲む以外では定期的に診察を受けるだけの治験が多いです。

治験に参加するメリットとは?

治験に参加するメリットには「報酬をもらえる」というものがあります。治験は人体に対して効果が十分に発揮される保証がない治療方法が試されるため、それなりのリスクがあるからです。ある程度の報酬を支払わないと、誰もリスクがある医療行為を行って欲しいと思わないでしょう。そのため、治験の種類にもよりますが、数万円~数十万円といった比較的高額な報酬がもらえるものもあります。特に花粉症の治験では処方薬の服用による方法がほとんどなので、実際に拘束される時間はそれほど長くありません。そのため、仕事帰りに医療施設に通い、アルバイト感覚で利用する人もいるぐらいです。

また、治験を行う前には必ず健康診断が実施されます。花粉症の治験の場合は、参加者が花粉症であることが大前提ですので、特にアレルギーの種類について入念に調べてくれます。治験によっては数十種類ものアレルギーを調べてくれることもあるので、自分が知らなかったアレルギーまで無料で教えてくれるのはメリットだと言えるでしょう。また、血液検査によって中性脂肪値や血糖値の高さなど、花粉症の治験とは直接関係ないデータまで教えてくれてアドバイスしてくれる場合もあります。

誰でも参加できるわけじゃない!参加条件は事前に確認!

治験には参加者に対するメリットがありますが、残念ながら誰でも参加できるわけではありません。なぜなら、治験を行う側も効率的にデータを集めたいと思っていて、できるだけ治療効果を正確に判定できそうな人物を選びたいからです。花粉症に限らず治験に参加できない人の条件としてよく挙げられるのは「喫煙している人」や「すでに病気で治療中である人」です。これらの人たちは喫煙や薬によって体への影響が考えられるので、正しいデータを測定できない可能性があり、参加できないケースが多くなっています。

また、妊娠中や授乳中の人たちも、母体や赤ちゃんへの副作用による健康上の問題が発生する可能性があるため、基本的には参加できません。そのほかにも、参加可能な条件として「6カ月以内にほかの治験に参加していない人」や「数カ月以内に献血をしていない人」などが付くケースもあります。応募しても参加できない事態を回避するために、参加条件は事前に確認しておくほうがよいですが、参加条件を満たしていても参加できないケースもあります。なぜかというと、参加条件を満たしていても健康診断によって不合格になる人もいるので、あらかじめ医療機関側が人を多く集めているからです。

そのため、応募人数が多いケースでは条件面で全く問題がなくても人数制限によって参加できない場合もあります。

花粉症の治験に参加する際の注意点

花粉症の治験の場合は、そのほかの治験のように入院して長期間拘束されるケースはそれほどありません。基本的には、日常生活を送りながら参加することが可能です。ただし、花粉症のシーズン中は毎日薬を飲み続けなければいけないという点には注意しましょう。飲み忘れると正確なデータをとれなくなってしまうので、報酬面で悪影響を及ぼす可能性があります。定期的に健康診断を受けて採血をするといったケースが多いので、医療機関に通う労力が必要なことと、採血が苦手な人にはあまり向いていないと言えるでしょう。

また、治験に参加したからといって、必ずしも症状が良くなるとは限りません。しかも、その期間はこれまで服用していた薬を飲めなくなる可能性もあるので、花粉症のつらい症状に悩まされる可能性もあります。さらに、最大の注意点は副作用が起こる可能性があるということです。もちろん、治験で服用する薬はそれまでにさまざまな実験が繰り返されて、ある程度の安全性が保証されたものです。ただし、人間に対するデータが不足しているのも事実であり、100%の安全性が保証された薬ではありません。そのため、少しでも普段と異なる症状が表れたら医師に相談する心構えを忘れることなく、参加するようにしましょう。

花粉症の治験は投薬によるものが多く、日常生活を送りながら参加可能なケースが多いのが特徴です。治験のなかでは比較的参加へのハードルが低いと言えますので、興味がある人は参加してみてはいかがでしょうか。

花粉症情報サイト(外部)

花粉症の主な症状や原因、治療法など:アレルギージャーナル

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