花粉症薬の副作用には主にどんな症状があるの?
花粉症薬には、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどアレルギー性鼻炎を抑えるものと目のかゆみや流涙などのアレルギー性結膜炎を抑えるためのものがあります。
アレルギー性鼻炎の場合は、服薬による治療が一般的です。アレルギー性鼻炎薬としては、抗ヒスタミン剤が最もスタンダートな成分となります。抗ヒスタミン剤には、即効性があり、不快な鼻水を軽減します。しかし、副作用として、強い眠気や口の渇きなどを引き起こす場合もあります。また、身体の小さな子どもが服用すると、けいれんなど重篤な症状を引き起こすリスクもあるのです。
一部市販の花粉症薬で、眠くなりにくい特性を持つものが販売されていますが、これも個人差が大きく確実ではありません。加えて、不整脈など思いがけない症状を誘発する事例も報告されているため、服用には注意が必要です。
重い花粉症には、抗ヒスタミン剤より強力なステロイド剤がよいでしょう。ステロイド剤は、アレルギー性鼻炎に対する高い効能が含まれていますが、長期間の使用は依存症のリスクが高いとされています。特に、花粉症のように数カ月の服用が必要になると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの発症リスクがあります。よって、症状が酷いときにスポットとして使用するのは良いですが、長期の服用は副作用の面からも避けたほうが無難です。
アレルギー性結膜炎の場合は、点眼薬による治療が一般的です。目薬のなかには、抗アレルギー剤が含まれているため、かゆみを抑えてくれます。抗アレルギー剤は副作用も少なく、比較的安全に使用ができるでしょう。抗アレルギー剤で改善が見られない場合は、副腎皮質ステロイド薬を使用します。ホルモン系の薬である副腎皮質ステロイド薬は、優れた薬ですが、緑内障など目に関する副作用のリスクがあります。
このように、効き目が強い薬ほど副作用のリスクが高くなっていくのです。まずは、副作用の少ない薬から試し、それでも花粉症が改善されない場合に、強い薬にステップアップするのがおすすめです。
薬は効くのに副作用が出てしまう!こんなときはどうしたら良い?
「花粉症薬は効くのに副作用が出てしまう……」そんなときは、薬の飲み方を変えることが大切です。市販薬であっても、処方薬であっても、用法や用量は決められています。まずは、それをしっかり守って薬を服用することが第一です。薬は飲めば飲んだ分だけ効きが良くなるわけではありません。必要以上に服用してしまうと、副作用のリスクは高まるため、必ず使用のルールは守りましょう。
そのうえで、薬剤師や医師に相談して、薬の分量を減らすことは可能です。「副作用が出てしまうため、薬の飲み方を変えたい」と相談すれば、用量を減らしたり、薬そのものを変えたり、アドバイスをもらえたりするはずです。
薬は少ない分量でも、身体に大きな影響を与えます。自己判断することは避け、必ず専門家の意見を求めましょう。花粉症の薬は、体質によって効きやすいものや効きにくいものがあります。薬の効き目は千差万別です。それと同じように、副作用の出方も人によって変わります。一般的に「副作用が出にくい」といわれている薬でも、体質によっては副作用が強く出てしまうこともあるのです。少しでも違和感を覚えたら、薬の飲み方を専門家に相談することを心がけましょう。
市販薬か処方薬か?副作用が強いのはどっち?
一概に花粉症の薬と言っても、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗ステロイド剤など、その成分は何種類もあります。また、含まれる分量も薬によってさまざまです。処方薬も、花粉症の症状や、医師の判断によって異なります。
よって、市販薬か処方薬のどちらが強い副作用があらわれるというわけではありません。しかし、自己判断で市販薬を購入してしまうと、花粉症に対する効能よりも、副作用のほうが強く出てしまうリスクがあります。市販薬を購入する場合は、できるだけ在籍している薬剤師の人に相談し、症状に合った薬を購入することが大切です。
病院で診断のうえ、花粉症薬を処方してもらう場合は、花粉症の症状はもちろん、服薬している薬やこれまでかかった病気の有無なども説明すると良いでしょう。特に、内臓に疾患がある場合は、重篤な副作用を併発する危険があります。不安な点は医師に相談し、身体に合った薬を処方してもらうようにしましょう。
症状や体質にあった薬選びが重要!気になったら相談を!
花粉症による、くしゃみ・鼻水・目のかゆみが長期間にわたって続くと、日常生活にも支障を来たします。頭がボーっとしてしまい、マスクも手放せないなど不自由な思いをすることもあるでしょう。
そんな症状を緩和できる花粉症薬は花粉症を患う人にも欠かせないものです。しかし、その効き目だけでなく、副作用についてもしっかりと知っておくことが重要です。
医師のなかには花粉症薬を飲みたくないと考える人も少なからず存在します。その理由のひとつに深刻な副作用が挙げられます。これらの副作用は、すべての人に起こるわけではなく、あくまで可能性としての話です。
もし、花粉症薬を服用したあとで強い眠気や身体の違和感を抱いたら、すぐに医師や薬剤師といった専門家に相談するようにしましょう。花粉症薬には種類がいくつもあるため、自分の体質に合った薬を見つけることが何より大切なポイントです。
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花粉症の主な症状や原因、治療法など:アレルギージャーナル