「お酒」と「アレルギー」の切っても切れない関係
お酒を飲むと顔や身体が赤くなる人もいます。これは、血管が拡張することによって起こるものです。人によっては目が充血したり、鼻づまりが起きたりすることがあります。アルコールが体内に回ると交感神経よりも副交感神経が優位になり、血流が低下します。すると粘膜そのものが腫れて、痒みを引き起こすこともあるのです。特に、お酒を飲みすぎてしまうとこの状態が長く続くため、慢性的な不調に陥りやすいのも特徴です。
お酒を飲むと肝臓に負担がかかり、代謝が悪くなります。解毒作用にパワーを使うため、老廃物の排出がスムーズに行われなくなることも、アレルギーを悪化させる原因となるのです。摂取した栄養がうまく吸収されないだけでなく、身体のだるさが続くなどの不調を感じやすくなります。さらに、身体が冷えて免疫力が低下してしまうおそれも。疲れているときなどにお酒によって免疫力が下がると、よりアレルギーの症状を感じやすくなります。
また、アルコールによく含まれるヒスタミンや亜硫酸塩が、花粉症や喘息などのアレルギー症状を引き起こすことが多いとされている点も頭に入れておきましょう。アルコールそのものよりも、こうした物質によって体調を悪化させてしまう人が多く、花粉症をはじめとしたアレルギーを持っている人は注意が必要です。
教えて!花粉症のときはお酒を飲んでも大丈夫?
お酒が与える影響は、アレルギーの度合いやその日の体調によるので、様子を見ながら少しずつ飲むのがいいでしょう。普段はお酒を飲んで問題がない人でも、疲れが溜まっていたり寝不足だったりすると、いつもより花粉症の症状が強く出てしまうことが考えられます。アレルギーは免疫力と深くかかわりがあるので、身体が弱っているときは症状が出やすくなるのです。
いきなりたくさん飲むのではなく、あくまでも少しずつ飲むのがポイントと言えます。一滴も飲んではいけないというわけではありませんが、そのときの状況やもとの体質によって一概には言えません。場合によっては重篤な症状を引き起こすこともあるので、花粉症のときは、より慎重にお酒を飲むようにしましょう。我を忘れるほど酔うような飲み方はとても危険です。
こんな飲み方はNG!花粉症が悪化するお酒の飲み方
一杯目からグビグビとお酒を飲むのは危険が伴います。特に、酔いやすい体質の人ほど注意が必要です。酔いやすい人は、酔っ払って理性を失うと自分がどのくらい飲んだかさえも曖昧になってしまう場合があるからです。花粉症が悪化していることに気付かずに飲み続けてしまうのはとても危ないので気を付けましょう。特に、ヒスタミンが含まれるビールなどは花粉症を悪化させる可能性が高いです
また、お酒と一緒に食べる料理やおつまみにも注意が必要です。お酒に合う料理は塩分や脂肪が多く、胃腸に負担をかける食べ物が多いです。酔っているときは味覚が鈍いため、こうした料理をおいしく感じるものですが、食べすぎると免疫力が低下してしまいます。アルコールの効果と合わさって花粉症の症状が余計に強く表れることも考えられるのです。
花粉が最も多く飛ぶ春は、お花見などでお酒の席が増えます。しかし、花粉が多いシーズンこそお酒を控えるに越したことはありません。規則正しい生活を心がけて、免疫力を安定させたうえで、お酒をほどほどに楽しむのがポイントです。外出するときはマスクをするなど、日頃から花粉対策を徹底することでお酒の席を楽しみやすくなります。
なお、花粉症の薬を飲んでいるときはお酒を飲まないほうが無難です。飲む薬の種類にもよりますが、アルコールが及ぼす効果がわからない以上は慎重な姿勢を取りましょう。
飲むなら「ワイン」がおすすめ!花粉症予防もできる一石二鳥の飲み方
花粉症のときに飲むお酒としてはワインがおすすめです。免疫力を高める作用があるポリフェノールが含まれており、アレルギーの反応を抑えてくれる効果を期待できます。鼻水や涙の過剰な分泌を引き起こす物質を抑えてくれるはたらきがあるのです。
また、ポリフェノールは活性酸素を取り除く効果も期待できます。花粉症によって炎症を起こした粘膜の回復を妨げる活性酸素を除去し、花粉症の辛い症状を回復させてくれるといわれています。健康はもちろん、美容への効果も期待できます。
とはいえ、アルコールと花粉症は切っても切れない関係にあります。たとえワインでも飲みすぎは厳禁ですし、もともと免疫力が低下しているときはアルコールを摂取しないのが無難です。花粉が特に多い日はお酒を飲まずに過ごすなど、ある程度の工夫は必要になってきます。その日の自分の体調と相談しながら、無理なくお酒を楽しみましょう。
参考サイト(外部)
アレルギー症状のメカニズムや対処法:アレルギージャーナル