糖質とは何か正しく理解している?ダイエットのために成分を知ろう!

糖質とは何か正しく理解している?ダイエットのために成分を知ろう!

ダイエットに興味がある人は、なんとなく「糖質」や「糖類」を節制しなければいけないと思いがちです。しかし、糖質と糖類を混同してしまうとあまり意味のないダイエットに走りがちで、肉体改造は滞ってしまいます。「糖」のなかでも定義は分かれているからこそ、食材には敏感になりましょう。そして、成分の役割や特徴を理解したうえでダイエットに知識を活かすことが肝心です。この記事では、主に糖質の仲間を中心としてダイエットに役立つ知識を解説していきます。

「糖質」とは何か?

糖質とは、糖類のほか一部の多糖類や糖アルコールの総称です。糖質のなかに糖類も含まれているイメージですが、単に「糖だから似たようなもの」と思っていると効率的なダイエットはできません。以下、糖質の種類を紹介していきます。

糖質の例その1 でんぷんとは何か

でんぷんは炭水化物の一種であり、大きく分類すると多糖類、つまり糖質にあたる成分です。でんぷんはじゃがいも、とうもろこしのほか、日本人の多くが主食にしている白米にも大量に含まれています。

##でんぷんを含む食品の特徴
植物が二酸化炭素や日光から成長に必要なエネルギーを作り出す働きを「光合成」といいます。そして、でんぷんは光合成を行う植物に含まれる成分として有名です。でんぷんはブドウ糖と砂糖の集合体であり、加工食品や化粧品にも用いられることがあります。

##でんぷんが果たす役割とは
炭水化物を含む食物のうち、およそ7割はでんぷん由来だといわれています。でんぷんにはアミロースとアミロペクチンの2種類があり、アミロペクチンは粘り気を生み出す特徴があります。白米などの粘り気はアミロペクチンの作用によるものです。食材を人間の食べやすい食感に調理できるのはアミロペクチンのおかげと言えるでしょう。また、でんぷんは人間の活動エネルギーとしても大切です。

糖質の例その2 糖アルコールとは何か

でんぷんと同じく糖質の仲間に含まれる成分が「糖アルコール」です。糖アルコールは、メロンやキウイなどの果物類のほか、味噌やワインにも豊富であり、比較的身近な成分だと言えます。

##糖アルコールは低カロリー
消化吸収されにくいのは糖アルコールの大きな特徴です。そのため、低カロリー成分として注目されており、ダイエット食品に使用されることも珍しくありません。また、食品の水分を維持したり品質を保ったりするためにも用いられています。食品に限らず、美容や医療の分野にも応用がきく便利な成分です。

##微生物が集まりにくい性質も
食材を長いあいだ保管していると品質が低下し、微生物が溜まってきます。すると、食材の腐敗が始まるだけでなく、病原菌がまん延して人間の健康にも害を及ぼします。一方、糖アルコールは微生物を寄せつけにくくする性質があるため、食品の衛生管理にぴったりです。色や味に変化が起こらないよう、市販の食品に糖アルコールを使うケースも少なくありません。

糖質の例その3 オリゴ糖とは何か

オリゴ糖は糖質の一種であり、細かく分類すると糖類にあてはまります。そのため「オリゴ糖は糖質ではない」との意見もありますが、正確には「糖類に分類されるが、大きな見方では糖質である」との考えが正しいと言えるでしょう。

##オリゴ糖が糖質ではないといわれる原因
それでも、オリゴ糖を「糖質ではない」とする意見は根強く存在します。根拠のひとつに「オリゴ糖が難消化性物質であるから」という点があります。2015年版「日本人の食事摂取基準」では、糖質の基準を「消化しやすい成分」と設定しているため、オリゴ糖のように消化しにくい成分は糖質に分類されていませんでした。しかし、2016年の健康食品産業協議会「機能性関与成分における機能性糖類・糖質の取り扱い」では、難消化性物質でも糖質に含まれる場合があるとしています。

##オリゴ糖の主な役割
糖質のなかでも、オリゴ糖はあまり血糖値を上昇させない成分です。そのため、ダイエット中の人はもちろん、成人病を患っている人でもオリゴ糖を摂取することは可能です。「ダイエットにいい」「成人病に効く」とまでは言えないものの、少なくともオリゴ糖によって症状が悪化するリスクは高くないと言えます。

「糖類」とは?含んでいる食材の見分け方

糖質のうち砂糖やブドウ糖などの単糖類・二糖類の総称が糖類です。主に炭水化物として摂取されることが多く、エネルギー源として欠かせない成分です。市場で販売されている食材の多くは、糖質と糖類が別々に表示されています。「糖質0.5g」「糖類0.1g」と表示されていたとしたら、糖質0.5gのうち0.1gが糖類にあたるという意味です。

食品には「糖質」の表示義務がない?表示の基準とは

厚生労働省および消費者労働省が告示した「栄養表示基準」によって、食品の表示すべき栄養量と熱量について基準が設けられました。このなかで、市販されている食品は100gまたは100ml、1食、1包装あたりの栄養量を表示しなければいけないと指定されています。

##糖質に関する表示義務はどうなっているか
「栄養表示基準」には、糖質の表示義務が「炭水化物の表示は、糖質および食物繊維の量で代用できる」と記載されています。つまり、必ずしも糖質単体の量を記載しなくてもいいということです。そのため、多くの糖質を含む食品には、糖質単体での正確な量が記載されないまま出回っている状態です。

##糖質の量り方はどうなっている?
もしも糖質の量を記載するとして、算出方法は「食品からたんぱく質、脂質、食物繊維、灰分、水分を差し引いた量」とされています。ちなみに、プラスマイナス20%までの誤差は認められています。つまり、記載されている糖質の量が必ずしも完璧に正しい数値とは限りません。

##食品の糖質には気をつけよう
炭水化物など明らかに糖質が豊富な食品であっても、法律上は糖質単体での記載のないまま販売することが可能です。そのため、ダイエットなどの理由で食事制限をしている人は「糖質量が少なく記載されているので制限対象に入らない」と思い込まないようにしましょう。

「糖類」「糖質」が対象となった「機能性関与成分」とは

「胃腸の働きをサポートする」「新陳代謝を良くする」など、医学的根拠に基づく機能性が認められており、パッケージに表示のある食品を「機能性表示食品」と呼びます。そして、機能性表示食品を名乗れる大きな基準が「機能性関与成分」が含まれているかどうかです。機能性関与成分とは、体の機能に大きな影響力を持つ成分です。

##どうして糖類や糖質は機能性関与成分ではなかったのか
2018年、消費者庁が「機能性表示食品の届出ガイドライン」を修正するまで糖類や糖質は機能性関与成分と認められていませんでした。そもそも、栄養成分は機能性関与成分と別物だと制定されていたためです。食物繊維など一部の例外があったのは「エネルギーとしての機能を持たない」ためでした。糖類や糖質は体のエネルギーとして欠かせない成分です。そのため、これまでのガイドラインでは機能性関与成分の条件にあてはまらないとされてきました。

##どうしてガイドラインは変わったのか
糖質や糖類を機能性関与成分から外すことに、反対意見もありました。糖質や糖類は確かにエネルギー源ですがそれ以外の働きもあるからです。糖アルコールのように、美容成分として認知されている糖質などは代表例でしょう。糖質と糖類が機能性関与成分に加わることで「国民の炭水化物摂取量が多くなるのではないか」との懸念もありました。しかし、すでに国民の炭水化物摂取量は多く、これ以上の増加は見込めないとして糖質と糖類が追加される流れになりました。

「糖類」「糖質」がエネルギー源以外の機能を持つ

機能性表示食品の届出ガイドラインの修正にあたり、争点になったのは糖類と糖質の持つ「エネルギー源以外の機能」です。実際、両者には多くの機能が含まれていると言えます。

##整腸・体脂肪減
まず、オリゴ糖は整腸機能がある成分として注目されています。お腹の調子が悪いとき、⼆糖類を含む難消化性各種オリゴ糖は内臓をサポートしてくれる成分です。また、⼆糖類を含む難消化性オリゴ糖、糖アルコール、希少糖には体脂肪を減らす機能も発見されています。こうした機能は「エネルギー源になるかわりに、過剰摂取による肥満の恐れもある」と不安視されてきた、通常の炭水化物と異なっています。糖質や糖類が機能性関与成分として認められるうえで、大きな説得力を放ったと言えるでしょう。

##⾮う蝕原性・血糖値上昇抑制・抗酸化
パラチノース、各種糖アルコール、⼆糖類を含む難消化性各種オリゴ糖には⾮う蝕原性の機能があります。要するに虫歯の予防を助けてくれる機能であり、機能性関与性分の条件に一致します。
L-アラビノース、プシコース、パラチノース、オリゴ糖などは「血糖値を下げる」とまで断定できませんが、少なくとも上昇させる機能も認められていません。そして、この点でほかの炭水化物と一部の糖質が異なるとの認識を得ることに成功しました。「炭水化物を機能性関与成分に加えると、成人病を引き起こす危険がある」という意見への反論となりえたからです。そのほか、アロースなどの単糖類にはアンチエイジングをサポートする「抗酸化」の機能が含まれています。

「糖質」のとりすぎは控えるようにしよう

必ずしも糖質を摂取し続けることだけがダイエットの妨げになるとは限りません。むしろ、消化器官を整えたり、脂肪率を低くしたりしたいなら糖質や糖類が役立つときもあるでしょう。

##シロップには十分気をつける
糖質・糖類がブドウ糖や果糖と共にシロップとして原材料になっているケースについては注意が必要です。ブドウ糖や加糖にはエネルギー源としての役割が強いからです。この場合、糖類の過剰摂取を避けるために、摂取上の注意事項が記載されています。よく確認して摂取量を守るようにしましょう。

##糖質制限ダイエットにはどんな意味がある?
そのほか、糖質制限ダイエットでも糖質を節制することが推奨されています。何も、糖質が悪いと決めつけられているわけではありません。ただ、糖質とエネルギー源になりえる炭水化物は密接な関係にあります。糖質制限ダイエットでは、糖質だけではなく、炭水化物の摂取量を減らすことで体内脂肪を燃焼させようという取り組みなのです。
ダイエットはやみくもに食事量を抑えても思うようにはかどりません。糖類・糖質の細かな機能を知り、機能性関与成分に含まれる種類に関してはサプリメントなどで適度に摂取するのもひとつの方法でしょう。

B/Hマガジン編集部

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