女性は便秘になりやすいって本当?便秘になりやすくなる3つの原因とは

女性は便秘になりやすいって本当?便秘になりやすくなる3つの原因とは

女性は男性よりも便秘になりやすいといわれています。現時点で便秘に悩んでいる女性もいるでしょう。便秘は、女性ホルモンの影響や必要な栄養素の不足などが主な原因です。腸内環境が悪化することで排便が順調に行われなくなると肌トラブルや体調不良など健康に悪影響を与えます。腸内に便やガスが溜まった状態は悪玉菌が増える原因です。便やガスが溜まることで食欲が減退します。免疫力の低下や血行不良にもつながることから、軽く考えずに早めに解消したほうが良いでしょう。

女性は男性よりも便秘になりやすいって本当?

女性は体質的に男性より便秘になりやすいといわれています。厚生労働省が行った平成28年の国民生活基礎調査によると、便秘の症状が出ている男性の総数は人口1,000人にあたり24.5人ですが、女性の総数は45.7人です。男性の1.8倍以上の人が便秘の症状を訴えていることになります。女性と男性では体のつくりが違うことが原因です。身体能力や体の大きさが違うことも便秘の原因となります。

便秘の症状が出る人も年齢が上がっていくごとに高くなっており、20歳以上の女性は35.2人、40代女性では38.3人です。70代以上の女性になると82.2人もの女性が便秘の症状に悩まされています。年齢とともに大腸の働きが低下することや食生活の変化、運動量の低下などが原因です。特に仕事を引退した65歳以上の人は生活リズムが変化したり運動量が減ったりします。不規則な生活は大腸の働きを低下させ、便秘になりやすくするのです。

女性が便秘になりやすくなる原因1.黄体ホルモンと自律神経の不調

女性ホルモンが便秘の原因となることもあります。特に女性ホルモンのなかで便秘の原因を作りやすいのは黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2つです。黄体ホルモンは排卵から月経までの期間に多く分泌されます。この黄体ホルモンが働くと大腸の運動が鈍くなるのです。大腸の動きが鈍ることで腸内に便が溜まりやすいことが原因と考えられています。黄体ホルモンは二大女性ホルモンの片割れです。排卵時に増え、体温を上昇させて腹痛や腰痛、頭痛などの症状が出やすくなります。血糖値を下げてくれるインスリンの効きを悪くする作用などもあり、女性にとってはあまり心地いいものではありません。

この黄体ホルモンが多く分泌される生理前の期間は、便秘や頭痛、貧血になりやすい期間です。妊娠中も黄体ホルモンが分泌されることから便秘になりやすくなります。妊娠すると黄体ホルモンは胎盤からも分泌されるようになるのです。また、子宮が大腸を圧迫することから便が通りにくくなります。胎内の子どもが成長すると大腸が圧迫されやすくなります。

自律神経も腸の働きに影響しています。自律神経が乱れた結果、必要な栄養素が大腸に送られないことから下痢や便秘が引き起こされるのです。腸の動きは自律神経でもコントロールされています。卵胞ホルモンとも呼ばれるエストロゲンは自律神経に大きな影響を与えており、卵胞ホルモンが減ると自律神経が安定にくいのです。卵胞ホルモンは、肌や髪、爪の成長を促すホルモンで女性を美しくしてくれる効果があり、自律神経だけでなく体調も整えてくれます。しかし、更年期や生理前に黄体ホルモンが分泌されるとエストロゲンが低下するため便秘を招く原因となるのです。

自律神経は副交感神経にも大きく影響されます。対人関係の悪化や環境の変化が原因などのストレスなどにより、副交感神経の優位性が損なわれ体内器官に悪影響を与えることも少なくありません。副交感神経は睡眠中や入浴中などのリラックスした状態で優位になります。

女性が便秘になりやすくなる原因2.ダイエットによる栄養の偏り

ダイエットをする人のなかには食事制限を行う人もいます。もちろん、計画的な食生活を取り運動量を増やすといった健康的なダイエットであれば問題ありませんが、単純に食べる量を減らすといった不健康なダイエットは便秘の原因です。

腸内の環境をよくする食物繊維の摂取量が減ると、腸を動かすのに必要な栄養が摂れなくなり便秘になってしまいます。腸内に便が溜まると、肌トラブルや体臭の悪化など体調不良の原因になることも多いです。必要な食物を摂取しないダイエットは痩せにくい体を作ることにもなります。食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく、生命活動を維持するためにも必要な成分です。食事制限するのであれば、食物繊維の摂取をしっかりと考えたメニューを作る必要があるでしょう。もちろん、こまめに水分を取ることも重要です。水分が少ないと便が硬くなってしまい腸内での動きが悪くなります。硬い便は腸を傷つけるおそれもあるため注意が必要です。

食事制限は自律神経にも影響があるといわれています。前述したとおり、大腸は自律神経によってコントロールが行われています。食事制限によって自律神経に必要なビタミンB群の摂取量が減ると便秘になりやすいです。ビタミンB群は、大腸を整えるだけでなく肌や髪の再生にも利用されています。ビタミンB群が不足することで肌質や髪質が悪くなり、不健康に見える可能性もあるのです。ダイエット中でも健康的な食生活を心がける必要があります。

女性が便秘になりやすくなる原因3.精神的な理由

女性に限ったことではありませんが、他人と一緒にいるときは羞恥心などが理由で排便を抑制しがちという人は多いでしょう。しかし、便意を我慢すると大腸の働きに異常が起こる場合があります。健康な大腸は一定のリズムで運動しています。ところが、便意を我慢することでそのリズムが狂ってしまい、腸内の便に含まれる水分が腸に吸収されてしまうのです。便が固くなってしまうと腸内での動きが鈍くなります。動きが鈍くなると便意が起こらなくなるおそれもあり危険です。便は便意によって腸を刺激することで移動させているのですが、我慢しすぎると刺激に対する直腸の感受性が低下します。直腸内に便が入っても刺激に気付かないため便意が起こらなくなってしまうのです。

また、ストレスや感情の高まりによって自律神経が狂うこともあります。突発的なストレスや長期的なストレスは自律神経を狂わせる大きな原因です。自律神経が狂うことによって副交感神経が緊張すると、腸が痙攣を起こすことがあります。腸の一部が痙攣することで腸内の通路が狭くなり、便の排出が妨げられるのです。腸が痙攣を起こして便の通りが悪くなるとお腹を圧迫するため、不快感や痛みが生じます。排便があっても便の量が少なく、固い塊で出てきた場合は注意が必要です。

ストレスや感情の高まりは、脳神経を興奮させたり血圧が上昇したりします。睡眠不足の原因として知られていますが、一方で体内器官を正常に働かなくさせることから便秘の原因でもあるのです。自律神経が正常な活動をしていないと栄養素の吸収力を減退させて便秘が悪化するおそれもあります。リラックスした状態であれば副交感神経が優位に働くため自律神経も正常に整うでしょう。

女性の便秘対策に必要なことは?

便秘を解消し予防するためには生活習慣を整える必要があります。大腸の働きには女性ホルモンや自律神経が正常な働きをする必要があるためです。自分の生活を見直し、体の働きを助けましょう。

##食生活に気を付ける
腸の働きに必要なビタミンBは炭水化物やタンパク質などに含まれます。ご飯やパンなどの炭水化物は、脳の中枢神経や手足の末端神経の機能、心機能を正常に働かせる動きもある重要な栄養素です。摂取することで疲れにくくなり代謝も高くなります。肉や魚類、卵などに含まれるタンパク質は、脂質の代謝に関わる栄養素です。腸の活性化だけでなく皮膚や髪、爪などで利用されており、肌荒れなどのトラブルを解消するのにも役立ちます。
タンパク質は粘膜の健康にも重要です。ドーパミンやアドレナリンなどの神経伝達物質の働きを手助けします。自律神経が正常な働きをするために利用されるのです。タンパク質から作られる糖質は、女性ホルモンにも影響しており、月経前症候群(PMS)やつわりの症状を和らげます。
タンパク質の元となるアミノ酸の代謝を助けるためには、ビタミンB12を摂取することも重要です。レバーや貝類、味噌などに含まれるビタミンB12は赤血球を作り出し、悪性貧血を予防する働きもあります。ビタミンB12が不足すると全身のだるさやめまい、動悸、息切れ、食欲不振などの症状が起こりやすいです。自律神経に直接影響する栄養素ではありませんが、摂取することでストレス軽減になります。菜食主義の人は特に不足しがちな栄養素のため注意が必要です。

##副交感神経を優位にする
多くの内臓器官の機能に関わる自律神経は、手足と違い自分の意志でコントロールすることができません。自律神経が狂っても意志の力だけで元に戻すことができないのです。自律神経に正常な働きをさせるためには、副交感神経を優位にさせる必要があります。そのためには、できるだけストレスのない生活を心がけることが重要です。対人関係だけでなくケガや病気、強い刺激などもストレスの原因となります。自分なりのストレス解消方法を見つけ副交感神経の手助けをすることが大切です。副交感神経の手助けをする方法として、入浴があります。38度~40度程度のぬるめの湯にゆったりつかることでリラックスできます。また、質の良い眠りも副交感神経を手助けする要素です。

##便意を我慢しない
忙しさなどで便意を逃すと排便の回数が減少し、便が腸内にとどまります。便のある状態に直腸が慣れてしまい、本来起こるはずの便意が起きにくくなるのです。腸が正常に働かなくなるとともに便から水分が減ってしまいます。コロコロした硬い便は排出しづらく、排出の際にお尻を傷つけてしまい痔になるリスクもあります。便意があったら我慢しないようにしましょう。

##筋力をつける
大腸から便を排出する際には腹筋を利用しています。そのため、腹筋を鍛えることで便意を促すことができるのです。また、筋力をつけることはストレスの軽減にもつながります。筋力と体力がつくことで疲れにくい体になることがひとつの理由です。筋肉は血液の循環にもいい影響を与えます。血行が良くなることから栄養素が体内を循環しやすくなるのです。疲れにくい体を作ることで体内に栄養素が行き届き、体調不良によるストレスが減ることから自律神経も正常に働きやすくなります。

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