唐辛子ダイエットのメカニズムとは?
唐辛子ダイエットとは、唐辛子を日常的に摂取するようにするダイエット方法です。唐辛子は元々の原産地は中南米と考えられていますが、江戸時代にはすでに栽培が始まっており、日本人にも馴染みの深いスパイスのひとつといえるでしょう。その特徴は、なんといっても口に入れたときに「ピリッ」と感じる辛みです。この辛みの正体は唐辛子に含まれるカプサイシンという成分です。これが口の中を刺激して辛みとして認識されるのです。
このカプサイシンには、副腎皮質と呼ばれる臓器を刺激する働きがあります。副腎皮質では生命活動に必要なホルモンがいろいろと作られており、その中にはアドレナリンも含まれます。カプサイシンを摂取してアドレナリンが分泌されると、脂肪を分解してくれる酵素の働きが活発になり、ダイエットの手助けをしてくれると考えられているのです。また、カプサイシンには体温を上昇させ発汗を促進する効果が期待でき、その点でもダイエットに向いているといえます。
有酸素運動もプラスして脂肪燃焼効果をアップ!
唐辛子ダイエットをするなら、唐辛子の摂取に加えて有酸素運動を取り入れて更なる効果を目指しましょう。カプサイシンには、脂肪「分解」効果は期待できますが、脂肪「燃焼」効果はほとんどないといわれています。残念ながら、脂肪は分解されるだけではなくなりません。分解されたものの燃焼されないままでいると、再び中性脂肪として蓄積されてしまいます。つまり、「ただ唐辛子を摂取するだけ痩せる」という簡単なものではないのです。
しかし、脂肪が燃焼されるためにはまずは分解されなければならず、カプサイシンはその部分をサポートしてくれると考えられています。運動前に唐辛子を摂取しておけば、脂肪燃焼をする準備が整った状態で運動が始められますので、通常の運動で得られる以上の効果が期待できるはずです。水泳やジョギング、あるいはウォーキングなど、自分にとって続けやすい運動方法を探してみましょう。
唐辛子摂取の適量とタイミング
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということわざがありますが、どんな「良い」ものも過剰摂取すると身体に不調をきたすことがあります。特に、唐辛子は刺激物ですので、日常的に摂取する習慣のない人は注意が必要です。摂取量については諸説ありますが、アメリカのメリーランド大学の研究チームが行った実験がひとつの指標になるでしょう。この実験はBMI値が25~35の人に、12週間にわたりカプサイシンを摂取してもらい、体重や脂肪、あるいはメタボリックシンドロームにどのような変化が現れるかを記録したものです。実験の中では、被験者に摂取してもらうカプサイシンの量は1日に6mgと決められています。
この実験に関する論文の中では、1日6mgという数字は身体にとって安全であり、かつ継続的にカプサイシンを摂取することで腹部脂肪や体重を減らす効果があると結論付けられています。そのため、唐辛子ダイエットをするときには、1日6mgを超えないように意識することで健康的に取り組めるのではないでしょうか。摂取するタイミングですが、運動前に摂取するのが一般的なやり方です。運動前にカプサイシンを摂ることで、運動による脂肪燃焼効果をアップさせる狙いがあります。
唐辛子にはダイエット以外にもこんな効果が!
カプサイシンの摂取には、ダイエット以外にも期待できる効果があります。それは新陳代謝を上げる効果です。カプサイシンには脂肪分解作用だけでなく、体温を上昇させる効果も期待できることは既に述べました。実は、体温を上げることは新陳代謝を活発にすることに繋がるといわれているのです。新陳代謝によって体内の老廃物がスムーズに排出されれば、細胞の生まれ変わりもよどみなく行われることでしょう。大人ニキビに悩まされている人や、傷痕が気になる人など、肌トラブルを抱える人にとっては大きな助けになるはずです。
また、体温が上がれば血流も促進されると考えられます。血の巡りが悪いと、冷え症や肩こり、便秘、むくみなど身体にさまざまな不調が現れることがあります。こういった悩みも、身体を温めてくれるカプサイシンを摂取することで快方に向かう可能性があるといえます。このように、唐辛子にはダイエット以外にもさまざまなメリットがあるのです。
唐辛子ダイエットの注意点
ダイエットや美容、あるいは健康に良い影響が期待できる唐辛子ダイエットですが、無計画に唐辛子を摂取してしまうと体調を崩してしまうことがあります。唐辛子に含まれるカプサイシンは身体にとっては刺激物ですので、許容量を超えると胃腸に負担をかけてしまうのです。人によってその許容量には差がありますから、まずは少量から始めてみましょう。身体が慣れてきたと思ったら、少しずつ量を増やすなど調節します。
また、カプサイシンには実は食欲増進効果もあるといわれています。胃腸や舌を刺激するので唾液の分泌が盛んになるためです。ダイエットのために摂取しているのに、それによって食欲が旺盛になり大食いしてしまっては元も子もありません。唐辛子を摂取するのと同時に、食事についてもきちんと管理する必要があるといえるでしょう。