冬だからこそ油断できない!雪焼けの症状と予防そして対策

冬だからこそ油断できない!雪焼けの症状と予防そして対策

日焼けというと夏場のものだと思いがちですが、実は冬でも日焼けすることがあります。雪焼けは、雪の降る寒い季節に起こる日焼けです。寒い季節に日焼けなどするはずがないと思い込んで、うっかり日焼け対策を怠ってしまうと、雪焼けしてしまうことがあります。雪焼けとはどのようなもので、いったいどんな症状が出るのでしょうか。雪焼けに対する有効な対策方法と、万が一雪焼けしてしまった場合のケア方法についても紹介します。

雪焼けは火傷!?主な症状とは

日焼けするのは、日光に含まれる紫外線で肌が焼けることをいいます。日焼けは紫外線が強い季節に長時間日光に当たっていると起こるため、一般的には夏場に多いものです。しかし、冬場でもある条件の下では日焼けする場合があります。それが雪焼けです。雪焼けは、雪に反射した日光の紫外線によって日焼けします。

日焼けをすると、まず肌が赤くなります。これが、一般的にサンバーンと呼ばれるものです。これは、紫外線によって肌が炎症を起こし、皮膚が一種の火傷を起こしている状態です。この後、肌が徐々に黒くなりますが、これには肌細胞に含まれているメラノサイトが関係しています。メラノサイトは肌が何らの外的刺激を受けたときに、肌を守るためにメラニンという黒い色素を出す働きを持つものです。肌が紫外線を受けると、メラノサイトがメラニンを生成して肌を保護しようとし、その結果として肌が黒ずみます。

雪焼けの主な症状は、肌が赤くなることです。紅斑という赤い斑点が肌に出て、徐々にその範囲が広がっていきます。ゴーグルをしていない部分だけが真っ赤になったり、スキーウェアで覆われていなかった首周りが真っ赤に焼けたりします。

日焼けは夏だけじゃない!雪焼けで肌が赤くなる

日焼けと聞くと、夏場太陽の強い日差しに当たることで起こるものだと思いがちです。しかし、冬でも紫外線がなくなるわけではありません。紫外線にはA波(UVA)とB波(UVB)の2種類があります。B波は季節によって差があり、夏場にピークを迎え、冬場は大きく減少する紫外線です。A波も同じように夏場増えて、冬場は減りますが、冬でも夏場の半分ほどはあります。つまり、紫外線は全体的に減るものの、まだ強く残るものもあるので、対策しないと日焼けすることがあるということです。肌の表皮が赤くなるサンバーンを引き起こし、メラニンを生成して肌を黒くするのはUVBです。UVAは、肌のより深いところに到達して、シワなどの原因になります。

雪焼けが起こるのは、まずスキー場が高地にあるので、平地よりも紫外線の影響を受けやすいからです。標高が高いとオゾン層が紫外線を吸収する量が減るので、紫外線が強まります。 一般的に、標高が1000m高くなると紫外線は約10%増えるといわれています。さらに、雪は日光の反射率が高いため、紫外線の力を強めてしまいます。このようなことから、冬場スキー場に行き、晴天の日に長時間スキーやスノーボードなどをしていると、肌が日焼けすることがあるということになります。

焼けるの肌だけじゃない!目の日焼けにも注意

日焼けというと肌が焼けると考えがちですが、実は焼けるのは肌だけではありません。強い紫外線の影響を受けて、目も肌と同じように日焼けすることがあるのです。冬場雪焼けによって起こる目の日焼けは雪眼炎といい、雪目(ゆきめ)ともよく呼ばれています。

雪目は角膜炎の一種です。戸外で強い紫外線に長時間さらされていると、肌と同じように目の角膜も日焼けします。冬場スキー場で雪目になるのは、雪に反射した紫外線が下から目に入り込みやすいからです。冬場なので、上から降り注ぐ紫外線はさほど強くなくても、下から強い紫外線を浴びてしまうため、雪目になりやすいのです。

雪目の症状は、数時間後から翌日にかけて現れます。激しい眼痛を感じる、目がゴロゴロする、まぶして目が開けられない、涙が出てとまらないといった症状が出てきます。目を見ると結膜部分が充血して赤くなっており、ひどいものになると角膜びらんを起こすケースもあるので注意が必要です。

雪焼けから体を守る予防法

雪焼けは、日焼け以上にダメージが強いともいわれており、しっかり対策をしておくことが必要です。雪焼けから体を守る予防法は、夏場と基本的には同じで、紫外線をできるだけ肌が浴びないように工夫することが大事です。特に、サンバーンに関しては、UVBをしっかりカットすることが重要になります。

紫外線から肌を守るには、肌を出さないことが一番です。どうしても肌を出さざるをえないところは、日焼け止めを塗りましょう。目の場合はサングラスなどで紫外線が目に入り込まないようにすることが重要です。

このような対策をしていても、条件によっては雪焼けしてしまうこともあります。その場合は、肌を保護するビタミンを取ったり、保湿ケアなどをすることで、日焼けによるダメージを事後的に軽くすることはできます。目を焼いてしまった場合は、眼科で治療を受けるのがよいでしょう。

ダブル対策!肌はなるべく隠し日焼け止めを塗る

雪焼けでひどいダメージを受けないためには、念には念を入れた対策を取ることが大事です。肌の雪焼けを防ぐためには、まず肌をできるだけ隠して露出しないことがポイントになります。冬場なので、腕や足などは服でうまく隠れるかもしれません。問題なのは、顔や首です。まず、首は首まできちんと隠れるウェアを選ぶか、ネックウォーマーなどでしっかり肌を隠すようにしましょう。

顔は隠すわけにはいかないので、日焼け止めを塗るのが対策になります。市販の日焼け止めには、紫外線をどのくらいカットするかの指標が2つ書いてあります。SPF(Sun Protection Factor)は、主にUVBについての指標で、PA+++は、主にUVAについての指標です。SPFは数字が大きいほど効果が高くなり、UVB30よりUVB50のほうが紫外線には強いことになります。数字は、紫外線に当たってから日焼けしてしまうまでの時間です。一般的に、日焼けを起こすのは紫外線に当たり始めてから15分~20分ですが、SPF30はその時間を30倍遅くできることを意味します。つまり、SPF30を塗れば、日焼けまでの時間を15分×30=450分にすることができるという計算です。

なるべく隙間を少なく!顔に合ったサングラスをつける

顔を雪焼けから守る場合も、できるだけ露出しないことがポイントです。ただし、顔はかぶり物などを使っても隠せる範囲が少ないので、サングラスを利用しましょう。サングラスをかけることで、目も保護できます。このとき大事なのが、顔に合ったサイズのサングラスを選ぶことです。雪焼けの場合は、紫外線は主に下の雪面から入り込みます。そのため、サングラスが顔の大きさに合っていないと、顔とサングラスとの間に隙間ができてしまい、そこが日焼けしてしまいます。なるべく隙間ができないよう、ジャストフィットのサングラスを選びましょう。

また、紫外線カット力が強いサングラスを選ぶことも大事です。サングラスには、紫外線透過率や紫外線カット率が記載されています。紫外線透過率は低いほど紫外線カットできることを示し、紫外線カット率は高いほど紫外線カットできることを示します。たとえば、「紫外線透過率1.0%以下=紫外線カット率99%以上」ということです。レンズの色の濃淡は関係ありません。

雪焼けになっても慌てない!知っておきたい対策

気をつけていたのに、やっぱり雪焼けになってしまったという場合でも、慌てずに事後の対策を取りましょう。雪焼けは日焼けと同じように、しっかりケアすればダメージを最小限に抑えて回復を早めることが可能です。事後対策としては、ビタミンの補給や保湿ケアなどが考えられます。具体的にどうすればよいのか、次にみていきましょう。

ビタミンCを補給する

雪焼けしてしまった場合は、ビタミンCをしっかり摂取することが大事です。紫外線を浴びて日焼けした肌では、メラノサイトによってメラニン生成が促されている状態です。この点、ビタミンCにはメラニン生成を抑える働きがあるので、メラニンをできにくくし、色素沈着やシミを作らないように働きかけてくれます。

また、ビタミンCは、皮膚のコラーゲン生成を促進する作用もあります。紫外線によってダメージを受けた肌が回復するのを助けてくれるでしょう。ビタミンCは、みかんやグレープフルーツ、キウイ、イチゴやレモンなどに多く含まれています。ビタミンには「ビタミンACE(エース)」と呼ばれる抗酸化に強い一群があります。ビタミンA・C・Eを併せて摂れば、紫外線対策としてさらによいでしょう。

保湿クリームで乾燥を防ぐ

雪焼けしたときは、保湿クリームで肌の乾燥をケアすることも大事です。日焼け当日は、肌は炎症を起こしている状態なので、まず冷やすことが重要になります。冷却作用のある成分が入ったアフターサンケア商品で、肌をクールダウンしましょう。

数日経つと、今度は肌が黒くなってきます。この状態になったら保湿ケアに切り替えます。日焼けした肌は水分保持力を失って、乾燥しやすい状態になっています。ですから、しっかり保湿して肌が自己回復するのを手助けする必要があるのです。保湿成分が入っているものであれば、基本的に何でも問題ありません。日焼け用のものを選べば、より効率よくケアできるでしょう。ビタミンC誘導体などを使用したものなど、日焼けした肌によい成分が入ったものもあります。肌の成分に近く、昔から火傷のケアに使われてきた馬油などもよいでしょう。

雪目は眼科で診断を

雪目になってしまった場合には、早急に眼科を受診し、適切な治療をしてもらうようにしましょう。雪目の治療は、まず角膜の状態を診察します。診察にあたって目の痛みが強い場合には、点眼麻酔薬が使われることもあります。薬を入れて、仕上げに軟膏を塗り、目を使わないほうがよい場合は眼帯をつけるというのが一般的な流れです。

適切な治療を行えば、症状の程度にもよりますが、1日から数日程度で雪目は治るといわれています。雪焼けの程度によっては放置すると危険なこともあるので、症状が出たらすぐに受診するようにしましょう。

B/Hマガジン編集部

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