肩こりに潜んでいる危険!その主な症状とは

肩こりに潜んでいる危険!その主な症状とは

肩こりの症状が出るのは、肩の周りだけだと思っている人は多いのではないでしょうか。実は、肩と離れている体の部分の症状も、肩こりが原因の場合があるのです。肩こりと関係ないところだと思って間違った治療をしてしまうと、いつまでも症状がよくなりません。また、肩こりを放置することで症状が悪化し、危険な状態になってしまうこともあるのです。今回は、適切な治療ができるように、肩こりに潜む危険や主な症状を紹介します。

肩こりだと考えられる主な症状

肩こりの症状として、まず考えられるのが肩から背中にかけての痛みです。また、肩こりは肩周辺だけでなく、腰にも影響を及ぼすことがあります。さらに、場合によっては、吐き気や頭痛などの症状も現れることがあるでしょう。

肩から背中にかけて痛みや張るなどの違和感を覚える

肩こりの症状が現れるのは肩だけだと思っている人も多いかもしれません。実は、肩こりの症状は肩だけでなく首や背中に現れるケースも多いのです。肩こりは、肩甲骨から首の間の筋肉に持続的な緊張が発生することで起こります。血行が悪くなって乳酸などが筋肉にたまることによって、痛みを感じたり筋肉が張っていると感じたりするのです。そして、肩甲骨は肩と首、背中を支える骨であるため、肩だけでなく首や背中にも違和感が生じます。場合によっては、肩よりも首や背中のほうが傷みが強くなることもあるのです。

もちろん、背中に痛みを感じる症状は肩こりだけではありません。例えば、普段の姿勢が悪かったりけがをしたりして骨格が歪み、それが原因で背中に痛みが生じているケースもあります。また、病気によって背中に痛みを感じる場合もあるのです。まずは、肩こりを治すためのマッサージや治療に取り組むとよいでしょう。そして、それでも症状がなくならない場合は、病院で詳しい原因を調べることが賢明です。

肩こりが原因で腰が痛むこともある?

腰に痛みを感じる場合も、肩こりが原因の可能性があります。人間の頭を支えているのは首の骨や肩の筋肉です。そして、首の骨は背中から腰にかけて伸びています。肩こりは首の骨や肩の筋肉に負担がかかることによって引き起こされるため、首と背骨でつながっている腰にも症状が現れることがあるのです。

吐き気や頭痛が起こる

肩こりによって、吐き気や頭痛が引き起こされることがあります。本来、人間の背骨は緩やかなS字に曲がっています。S字型のカーブを描くことによって頭の重みを分散し、肩の骨や筋肉にかかる負担を軽減しているのです。しかし、デスクワークや家事などで前傾姿勢や猫背など首が下がってしまう姿勢を長く続けると、首の骨がまっすぐになった状態が続いてしまいます。首の骨がまっすぐになってしまうと頭の重みをうまく分散させることができなくなり、肩こりの原因になるのです。この状態を「ストレートネック」と呼びます。

ストレートネックになると、首の骨である頚椎に負担がかかってしまうのです。頚椎の中央には肩や腕などにつながる神経が集まっている脊髄があります。また、脊髄には交感神経と副交感神経も存在しており、この2つの神経の働きが悪くなることが吐き気や頭痛の原因になるのです。交感神経は、血管や心臓などの働きを支配している自律神経で、主に運動など人間が活動している際に働く神経になります。反対に、副交感神経は体をリラックスさせるために必要な自律神経です。本来は、交感神経と副交感神経は体のリズムに合わせて自動的に切り替わります。しかし、肩こりによって頚椎周辺の筋肉や骨に負担がかかることによって、スムーズに切り替えることができなくなってしまうのです。その結果、頭痛や吐き気、手足のしびれなどさまざまな症状が引き起こされることになります。

危険!肩こりの放置は症状がひどくなる可能性も

肩こりを放置しておくと痛みが強くなるなど、症状が悪化する可能性が高いです。また、肩こりの放置は重大な病気につながる可能性があるので、注意が必要といえるでしょう。例えば、肩こりと関わりが強い病気として知られるのが「頚椎椎間板ヘルニア」になります。頚椎は「椎骨」と呼ばれる小さな骨が7つつながって構成されているのです。そして、その椎骨の間には椎間板と呼ばれる、骨と骨を支えるクッションが存在します。この椎間板に何らかの理由で負担がかかり、骨と骨の間から飛び出してしまう病気が椎間板ヘルニアです。飛び出した椎間板は神経根や脊髄を圧迫してしまいます。そして、脊髄に圧がかかることで血行不良となり、肩こりを引き起こすのです。

椎間板ヘルニアが原因の肩こりを放置すると、肩の痛みだけでなく、手足が痺れたり感覚が鈍くなったりします。さらにひどくなると、歩行が困難になるなど生活に支障をきたす症状が現れることがあるのです。症状が生活できなくなるレベルに達する前に、治療を行う必要があります。また「胸郭出口症候群」によって肩こりが引き起こされている場合も要注意です。胸郭出口症候群とは、血管や神経が圧迫されることによって頚部と胸部の間にある胸郭出口が血行不良に陥る病気のことをいいます。長時間同じ姿勢でいたり姿勢が悪かったりすることが胸郭出口症候群が起こる原因です。放置していると、肩こりだけでなく腕や手の痺れ、筋肉の低下を引き起こす可能性があります。このように、肩こりの放置は大変危険なのです。

頭部の血流低下によるめまい

肩の筋肉の血行が悪くなることも、肩こりの原因です。筋肉はポンプのように縮んだり伸びたりすることによって、血液を体に巡らせる役割を担っています。筋肉が緊張して固まってしまうと、血管を押さえつけてしまい、血流が悪くなってしまうのです。肩の筋肉の血流が悪くなると、頭部へ満足に血液が届かなくなります。そして、頭部の血液が足りなくなると、めまいや立ち眩みを起こすことになるのです。肩こりを放置すると血流が低下した状態が続き、何度もひどいめまいを起こしてしまう可能性が高いでしょう。

関節炎症による四十肩

肩こりを放置すると、関節炎症を引き起こすことがあるのです。関節炎症は「四十肩」とも呼ばれ、加齢に伴って肩の筋肉が硬くなったり縮んだりすることが原因と考えられています。また、生活習慣やホルモンバランスの変化、ストレスなども四十肩の原因になるといわれているのです。四十肩は特に40代以上の人に多く見られる症状であり、男女で発症率に差はありません。ただし、若いときに仕事やスポーツで肩を酷使したり痛めたりした経験が多い人は、発症しやすい傾向にあるとされています。また、猫背になりやすい人も、四十肩になる傾向があります。重心が前のめりになることで体幹が歪んでしまい、四十肩を引き起こしやすくなってしまうのです。

四十肩には「急性期」と「慢性期」があり、それぞれ症状が異なります。急性期には前触れなく強い痛みが発生し、腕が上がらなくなるなど、はっきりとした症状が現れるでしょう。急性期の痛みは、一般的に左右どちらかの肩に痛みが生じますが、利き腕などは関係ありません。急性期の鋭い痛みは数日間~数週間続きます。そして、慢性期になると、鋭い痛みから鈍い痛みへと変わっていくのです。痛みは和らぐかもしれませんが、肩が動かしづらい状況は変わりません。四十肩は、一般的には数週間から半年程度で自然治癒する場合が多いです。しかし、長いものになると、1年半ほど治るのに時間がかかる場合もあります。さらに、痛みが引いても肩の可動域が狭くなってしまっていることがあるのです。

肩の関節が動く範囲を元に戻すには、肩のストレッチを行わなければなりません。肩こりを放置することで四十肩になると、痛みが増したり症状が長引いたりします。鋭い痛みに悩まされる前に、適切な治療を受けることが大切といえるでしょう。

うつ病や不眠症などの精神トラブル

落ち込むことが多かったりやる気が出なかったりするのは、肩こりを放置していることが原因もしれません。肩こりで首に負担をかけると、脊髄の副交感神経に悪影響を及ぼします。そして、精神をリラックスさせるために必要な副交感神経の働きが鈍くなると、うつ病を発症してしまうことがあるのです。また、肩こりによって副交感神経が十分に機能しないと、不眠症になってしまう可能性があります。肩こりによって交感神経と副交感神経がうまく交代されず、睡眠時に交感神経が働くことによって興奮して眠れなくなってしまうのです。質の高い睡眠をとらなければ、自律神経を休めることができません。そして、自律神経が休まらないとさらにうつ病の症状が悪化してしまうのです。うつ病の症状は特に肩こりと結びつけて考えることが難しいため、注意が必要でしょう。

肩こりの症状が疑われたら早めの対策を

肩こりと思われる症状が現れたら、早めに対策を立てることが大切です。例えば、デスクワークなどで同じ姿勢を長く続けることが多い人は、こまめに首や肩の緊張をほぐす必要があります。一般的に、パソコンを使ったり本を読んだりする際、人は首を前に出す姿勢や、両肩をすぼめる姿勢になることが多いです。こうした姿勢を長く続けると、首や肩の筋肉が緊張してしまい、肩こりを引き起こしてしまいます。定期的に姿勢を変えて、肩の筋肉が固まらないようにするとよいでしょう。また、手足を振ったり軽く屈伸運動を行ったりして、全身の血行をよくすることも肩こりの予防につながります。1時間に一度くらいは立ち上がって、このようなストレッチを行うとよいでしょう。

さらに、目を酷使することも肩こりの原因になることがあるのです。パソコンの光を見たり細かい文字を読んだりする作業を長く続けると、目の周りの筋肉に負荷がかかると同時に、肩や首の筋肉も緊張してしまいます。そのため、ときどき目を休めながら作業を進める必要があるでしょう。目薬を差したり目を閉じたりすることで、目の負担を軽減させることが可能です。また、仕事中などで目を閉じることが難しい場合は、窓の外など遠くの景色を眺めるだけでも、目を休ませることができます。さらに、日常的に軽い運動をすることによって、肩こりの改善を期待することができます。

運動することによって筋肉を柔らかくし、血流を改善すれば肩こりの症状を緩和させることにつながります。また、筋肉量の低下を防ぐことによって、肩がこりにくい体を作ることにもなるのです。さらに、運動は肩こりの原因になるストレスを解消する効果も持っています。散歩やウォーキングなど負荷の軽い運動でよいので、継続して行うようにするとよいでしょう。

B/Hマガジン編集部

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