おでこのシワがあると老けて見える
たとえば、おばあさんの顔を想像したとき、おでこや頬にたくさんのシワがある顔をイメージする人が多いでしょう。年齢が高ければ高いほど、シワの数も多くなります。このことからも分かるように、おでこにシワがあると、急に老けたように見えてしまうのです。年齢を重ねれば、ある程度シワができてしまうのは仕方のないことです。しかし、シワができる原因や対策を正しく把握していればシワを予防できます。
なるべくおでこにシワを残さないようにするためには、シワができそうになった時点で、早めに対処することが重要です。最初のうちは薄いシワでも、気付いた時点でお手入れをしなければ、どんどん深くなってしまいます。どのようなシワも、最初はちりめんジワのように薄く目立ちにくいシワとして現れます。この時点では皮膚の表面の角質層にだけシワができている状態です。しかし、一旦シワができれば、その後は何度も同じ部分が折れてしまいます。何度も折れるうちに、シワが角質層だけでなく、さらに深い部分にある真皮まで入り込んでしまうのです。このように、深く刻まれたシワを本シワと呼びます。
本シワとは、表情がない状態でも消えない深いシワのことです。真皮には弾性線維や膠原線維という繊維状の組織が張り巡らされており、肌にハリや弾力を与えています。ところが、シワが入り込むとこれらの繊維が断ち切られ、回復できなくなってしまうのです。本シワになってしまうと、自宅でできるケアだけで改善するのは難しく、時間もお金もかかってしまいます。しかし、真皮に入り込む前の薄いシワなら、お手入れ次第で回復する可能性があります。
おでこのシワの原因
おでこのシワをケアする前に、まずはシワができた原因を見極めましょう。シワの原因は加齢のほかにも紫外線や乾燥、表情グセなどさまざまな要因が考えられます。まずは自分のシワが、どのような種類のシワか確認することが大切です。シワは大きく分けて乾燥ジワと真皮ジワに分けられます。入浴した直後に鏡を見て、シワが見えないようなら、それは乾燥ジワです。乾燥ジワは肌の乾燥により生まれるシワなので、保湿ケアである程度改善できます。一方、入浴後もくっきりと残っているシワは真皮ジワです。真皮ジワは真皮の組織が断ち切られている状態なので、保湿だけでは改善できません。
真皮ジワができる原因としてもっとも大きいのは、表情のクセです。眉毛を大きく上げるクセがあると、おでこにシワができやすくなります。若いころは眉毛を上げてシワができても、表情を戻せばシワも消えます。しかし、加齢によりコラーゲンが減少すると、表情を変えてもシワが消えなくなってしまうのです。眉毛を上げるクセは無意識のうちについている人も多いので、まずはどんなときに眉毛を上げているかチェックしてみましょう。
まぶたのたるみも、おでこのシワが生まれる原因です。まぶたの筋肉が衰えると、まぶたの脂肪を支えきれず、皮膚が下に降りてきてしまいます。すると、上まぶたを引き上げるために、おでこの筋肉が使われるようになるのです。まばたきをするたびにおでこにシワが寄り、少しずつ真皮までシワが刻まれていきます。
コラーゲンの減少や筋肉の衰えは、加齢も大きく関係しています。ただし、紫外線や乾燥によるダメージにより、若い人でもシワができてしまうケースもあるのです。特に、おでこは紫外線の影響を受けやすいため、日ごろからしっかりと紫外線対策をする必要があります。おでこは皮脂腺や汗腺が多く、一見乾燥とは無縁に思われますが、お手入れのしすぎはかえって乾燥を招いてしまうので注意が必要です。テカリが気になるあまり、あぶらとり紙でまめに皮脂を取り除いたり、念入りに洗顔したりすると、肌を守るために必要な皮脂まで失われてしまいます。その結果、肌の乾燥が進行し、シワができやすくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
マッサージでおでこのシワは改善できる
真皮まで刻み込まれたシワは簡単には消えません。ボトックス注射など外科的な処置をしないと、改善が難しい場合もあります。しかし、軽度のシワであれば、普段の表情に気を付けながら、表情筋を鍛えるトレーニングをするだけでも目立たなくすることは可能です。ボトックス注射は即効性はあるものの、顔の筋肉が動かしにくくなったり、まぶたが重くなったりといった症状が出る場合もあります。そのほかにも、体質によってはさまざまな副作用が出る可能性があるため、あくまで最後の手段として考えましょう。
おでこのシワの改善には、頭皮のマッサージも効果的です。おでこの皮膚は頭皮とつながっているため、頭皮がたるむとおでこのシワにも大きく影響します。また、頭皮マッサージはシワを改善するだけでなく、薄毛防止や肩こり、むくみの解消など、さまざまな美容効果が期待できるのです。
頭皮マッサージがおすすめの理由
おでこのシワはおでこの皮膚がたるむことで生まれるわけではありません。原因は凝り固まった頭皮にあります。目を大きく見開くと、自然と眉の位置も上がるはずです。このとき、頭皮が柔らかい状態なら、おでこの位置も上がります。しかし、頭皮が凝り固まっていると、皮膚が十分に動かせず、おでこにシワが寄ってしまうのです。できるだけシワができないようにと表情を動かさないと、今度は頭皮だけでなくおでこまで凝り固まってしまい、ますますシワのできる範囲が広がってしまいます。
試しに頭皮を触ってみて、少しでも痛みを感じるのであれば、頭皮が凝り固まっている証拠です。頭皮のコリをほぐすには、頭皮マッサージが効果的です。美容院で本格的な頭皮マッサージやヘッドスパを受けなくても、自宅でできる頭皮マッサージだけで十分な効果が期待できます。
頭皮マッサージの方法
自宅で頭皮マッサージを行う前に、まずは頭皮を傷つけないよう、爪を短く切っておきましょう。お湯で温めたタオルや蒸しタオルを首の後ろに当てておくとさらに効果的です。寒い時期は首の後ろだけでなく、頭皮全体をタオルで温めておきましょう。シャンプーの前に頭皮を温めるのが面倒という人は、シャンプーの際にマッサージを行うのも良いでしょう。入浴する前にブラッシングをして、髪の毛や毛穴の汚れを浮かせておくと、より効果が期待できます。準備が整ったら、いよいよ頭皮マッサージを始めましょう。
最初に頭部を鷲づかみにするように両手の指を頭部に当て、指の腹で揉みこみます。最初は生え際から始め、押し上げるように動かしながら、少しずつ頭頂部まで移動しましょう。頭頂部まで揉みこんだら、次に親指を曲げ、第一関節を頭皮に押し当てます。頭頂部から側頭部、後頭部にかけて撫で下ろしたら、今度は耳の後ろから頭頂部まで撫で上げましょう。仕上げに、両手の人差し指と中指をおでこの真ん中に当て、生え際から耳、あごをなぞってリンパを流したら終了です。
頭皮マッサージの注意点
頭皮マッサージを行うにあたり、いくつかの注意点があります。まず、マッサージを行う際は、決して爪を立ててはいけません。爪を立てると頭皮や髪の毛を傷つけてしまうおそれがあります。頭皮の傷は炎症を起こしたり、フケの原因となったりする可能性もあります。また、マッサージを始める時点で頭皮が荒れている人は、ある程度改善するまでマッサージは控えたほうが良いでしょう。マッサージは指の腹を頭皮にしっかりと密着させた状態で、なるべく指先を浮かせないよう意識しながら行うのがコツです。
また、力の入れすぎも、頭皮や頭髪を傷める原因になってしまいます。「痛い」と「気持ちいい」の間くらいの力加減を心がけましょう。なお、マッサージは長時間行えば、それだけ効果が期待できるというわけではありません。マッサージのやり過ぎは頭皮に過剰な負担がかかり、頭痛が起きたり気分が悪くなったりする場合もあります。マッサージの時間は長くても5分程度にとどめましょう。
頭皮マッサージは始めたらすぐに結果が出るとは限りません。マッサージの効果には個人差があり、短期間で効果を実感できる人もいれば、なかなか効果が現れない人もいます。頭皮マッサージは継続することで少しずつ頭皮や筋肉の凝りが改善を目指すための方法です。効果を実感しやすくなるためには、数日に1回や数週間に1回ではなく、できるだけ毎日続けましょう。
おでこのシワは予防も大切
シワ予防には頭皮マッサージも効果的ですが、日ごろのスキンケアや紫外線対策も見直してみましょう。おでこは皮脂の分泌量が多く、つい念入りに洗ってしまう人もいるでしょう。しかし、過剰な洗顔は肌の乾燥を招き、乾燥ジワができる原因になってしまいます。洗顔時はできるだけ肌をこすらないように注意しましょう。泡が残らないよう丁寧にすすぐのも大切です。洗顔後にしっかりと保湿をすることも忘れてはいけません。また、紫外線予防も大事なポイントです。紫外線は季節を問わず、一年中降り注いでいます。外出時は欠かさず日焼け止めクリームを塗って、紫外線から肌を守りましょう。日射しが強い日は日傘や帽子を使って、直射日光を防ぐのも効果的です。
マッサージは面倒!という人におすすめの方法はコレ
毎日頭皮マッサージをするのは面倒で続けられそうにないという人は、毎日の食事からシワ予防に効果的な栄養素を摂取するという方法もあります。加齢と共にコラーゲンが減少すると、肌のハリや弾力が失われ、シワができやすくなります。しかし、単純にコラーゲンを含む食べ物を摂れば、体内のコラーゲンが増えるわけではありません。摂取したコラーゲンは体内で一旦アミノ酸に分解された後、再びコラーゲンとして作り直されます。そのため、コラーゲンだけでなく、コラーゲンの生成を助けるビタミンCも摂取する必要があるのです。コラーゲンは豚肉や鶏肉、牛肉、フカヒレなどに含まれます。毎日摂るのが難しい場合は、サプリメントで補うのも良いでしょう。ただし、サプリメントは栄養補給をサポ―トするためのものです。毎日の食事をバランスよく摂取したうえで、サプリメントはあくまで補助として使いましょう。