どんな食べ物に含まれている?美肌成分のセラミドを徹底解明

どんな食べ物に含まれている?美肌成分のセラミドを徹底解明

「肌の調子が良く、メイクのりもばっちりという日は、気分も前向きになる!」という女性は多いのではないでしょうか。毎日、明るく前向きに過ごすためにも、肌トラブルと無縁の強い肌を手に入れたいところです。健康で美しい肌を作るために必要なのが「潤い」です。しかし、保湿力の高いスキンケアアイテムを使っていても、乾燥肌から抜け出せない人もいます。肌の乾燥が気になる人は、セラミドを多く含む食材を積極的に摂るのも良いでしょう。今回は、セラミドを多く含む食材とその効果について、徹底解説します。

美肌になるために欠かせない!セラミドって何?

肌の表面は、角質と呼ばれる細胞によって構成されています。角質細胞は、肌の表面にレンガ状の層を形成しており、肌のターンオーバーに合わせて剥がれ落ちるようにできています。この角質は、肌の表面のさらに奥にある真皮の細胞が死んでできたものです。角質層は、真皮を外部の刺激から守る役割を担っています。

セラミドは、レンガ状になった角質と角質の間を埋める細胞間脂質を形成している成分です。細胞間脂質は、肌の状態を良好に保つために必要不可欠な成分といっても過言ではありません。そして、細胞間脂質の約8割はセラミドからできています。セラミドは親油性の成分です。スキンケア用品にセラミドを加える場合、油分の多い乳液やクリームなどに配合されることが多いです。セラミドには、動物性のものと植物性のものがあります。動物性のセラミドは天然セラミドやビオセラミド、セレブロシドなどと呼ばれ、馬の体から摘出されます。一方、植物性のセラミドは小麦や米、こんにゃく芋などに多く含まれています。

セラミドと肌の関係性とは

セラミドは肌の潤いを保つために必要不可欠です。それではセラミドが不足し、細胞間脂質が減少するとどのような影響があるのでしょうか。まず、肌の内部から水分が蒸発しやすくなります。細胞間脂質は、真皮の中に水分を留めるように蓋をしているのです。真皮から水分が蒸発すると、肌内部の乾燥が進みます。

また、セラミドが不足することによって細胞間脂質が減少してしまうと、肌のバリア機能が衰えやすくなります。角質と角質はレンガ上の層になってはいますが、細胞間脂質が不足すると角質と角質の間にほこりや花粉などの異物が入り込みやすくなります。こうして乾燥が進んだ肌は、こうした異物の刺激から肌を守ることができなくなります。細胞間脂質の不足から肌が乾燥すると、シワになりやすいだけでなく、肌に刺激が伝わりやすくなることから肌荒れやシミなどの症状を引き起こしやすくなります。セラミドは、美しく健康な肌を保つために必要な成分なのです。

積極的に摂りたい!セラミドが含まれる成分

スキンケア商品の中には、セラミドが含有された商品が多くあります。乾燥対策として肌に直接セラミドが配合された化粧品をつけるのも有効ですが、食べ物からセラミドを摂るのも良いでしょう。まず、動物性のセラミドが多く含まれるのは牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品です。牛乳には、動物性のセラミドが多く含まれています。乳製品は、動物性のタンパク質も同時に摂取できるため健康な肌づくりに適した食材と言えそうです。

次に、植物性のセラミドを多く含む食材として挙げられるのが、こんにゃく芋や大豆、米ぬかや小麦などです。中でもこんにゃく芋は、セラミドを多く含む食材です。こんにゃく芋は、米や小麦の7~16倍の量が含まれています。こんにゃく芋から作られるこんにゃくは低カロリーでもあるので、ダイエット中の人も安心して摂ることができます。大豆はイソフラボンや動物性タンパク質が多く含まれているため、女性らしいしなやかな肌を手に入れたい人が注目したい食材です。小麦からできた食品は炭水化物を多く含む場合が多いため、食べ過ぎには注意したいところです。

1日に必要なセラミドの量は、600μg程度です。生芋こんにゃくなら約半丁ほどで摂ることができますが、お米から摂ろうとすると実に25杯ものご飯を食べなくてはいけません。「毎日生芋こんにゃくを食べ続けるのは難しい」という人は、セラミドが配合されたサプリメントを活用するのもおすすめです。

セラミドの生成を助ける成分とは

肌の潤いを保つためには、セラミドが多く含まれる商品を摂るだけではなく、セラミドの生成を促す食品を摂ることもポイントです。セラミドの生成を促す食品として挙げられるのが、「血行を促進させる効果を期待できる食べ物」と「緑黄色野菜」です。

セラミドは、体内に入ると分解され「スフィンゴシン」と呼ばれる成分に変化します。スフィンゴシンが肌の細胞に届かなくては、その働きを実感することはできません。スフィンゴシンを肌のすみずみに届けるためには、血行を促進することが必要不可欠なのです。血行を促進する効果を期待できる食べ物としてタマネギや里芋、カリフラワー、白菜、ジャガイモ、キャベツなどが挙げられます。

セラミドの生成を助け、肌の潤いを保つためには「緑黄色野菜」も摂りたいところです。緑黄色野菜には、ファイトケミカルと呼ばれる抗酸化作用が強い成分が含まれています。酸化は肌を乾燥させ、シミやシワ、肌荒れを引き起こす原因の一つです。しかし、人の体は呼吸をするたびに酸化しています。呼吸をする度に細胞で生まれるのが活性酸素です。活性酸素は、細胞を攻撃し老化を進めてしまいます。細胞の働きが弱まるため、セラミドを合成する力も弱まってしまうのです。

抗酸化作用の高い緑黄色野菜を積極的に摂ることによって、活性酸素の増殖が抑えられ、セラミドの生成が行われやすくなります。緑黄色野菜には、ほうれん草、にんじん、トマト、カボチャ、ピーマンなどがあります。緑黄色野菜をバランスよく摂ることで、美肌を保つために必要なビタミンも補給でき一石二鳥です。

できれば避けたい!セラミドを減らす食べ物

食べ物の中には、体内のセラミドを破壊し、減らしてしまう成分を含むものもあります。その代表的な食べ物として挙げられるのが「リノール酸」を多く含む食材です。リノール酸とは必須脂肪酸の一つで、血中コレステロールを減らすことで知られています。また、肌の中でセラミドを生成する際に必要な成分でもあります。しかし、過剰摂取には注意が必要です。リノール酸を過剰摂取すると、体内で合成される「アラキドン酸」の量が増えます。アラキドン酸は肌を乾燥させるだけではなく、アレルギー症状や動脈硬化などを引き起こす原因につながります。リノール酸は、ひまわり油や、グレープシードオイル、コーン油、紅花油などの油類に多く含まれています。体内のセラミドの量を減少させたくないのであれば、これらの油類の摂りすぎを避けると良いでしょう。

肌のセラミドをしっかりキープ!心がけたいこと

セラミドの量をキープするためには、「睡眠環境の見直し」、「体や顔を冷やさない」などが大切なポイントです。いくら食品からセラミドを摂っていても、睡眠の質が悪かったり、睡眠時間にばらつきがあったりする場合は肌荒れや乾燥の原因になります。細胞がセラミドを合成する力も弱くなってしまうため、睡眠時間や環境の見直しは非常に重要です。良質な睡眠を取るためには、毎日同じ時間帯に眠ることが大切です。人の体は、自律神経によって体のリズムやバランスが整えられています。同じ時間帯に眠り、起床することで体内のリズムが整い肌の調子も安定しやすいです。

体や顔を冷やしてしまうと、代謝が下がりやすくなるため注意しましょう。基礎代謝が下がると、肌のターンオーバーが安定しにくくなるため肌荒れや乾燥などのトラブルを引き起こしやすくなります。冷え性の人は、靴下や肌着などを重ね着し体を温めるのも良いでしょう。基礎代謝を上げて、体温もアップさせたいという人は運動を始めるのも良いです。筋肉量が増えることで、基礎代謝がアップし、自力で体を温める力がつきます。また、肌への刺激を軽減させることも大切です。肌に物理的な刺激が加わりやすい洗顔方法や、洗浄力が高すぎるクレンジング、洗顔料の使用は避けた方が無難です。

セラミドが皮膚科で処方されない理由とは

「セラミドは肌の健康を保つために必要な成分なのに、どうして皮膚科で処方されないの?」という疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。セラミドは、肌の潤いを保つために必要な成分ではありますが、薬の成分として認められているわけではありません。仮に、セラミドを含んだスキンケア用品が病院で処方されたとしても保険適用にはならないのです。そのため、セラミドが配合されたスキンケアアイテムが病院から処方されることはありません。

皮膚科で、肌の乾燥を対策するために処方される薬としては「ヘパリン類似物質を含んだスキンケア用品」が挙げられます。ヘパリン類似物質は、角質層の間にある「天然保湿因子」を増やすための成分です。肌の潤いを保つためには「細胞間脂質」と「天然保湿因子」が必要です。セラミドは主に細胞間脂質を構成する成分であり、ヘパリン類似物質は天然保湿因子を構成する成分なのです。肌の潤いを保つためには、セラミドまたはヘパリン類似物質が含まれたスキンケアアイテムを使うことがポイントと言えるでしょう。

ヘパリン類似物質は、医薬品として認められており軟膏や乳液など様々な状態で病院から処方されます。アトピーやかぶれ、皮むけなどの肌トラブルの改善・解消を期待できる成分として着目されています。

食べ物が鍵だった!セラミドを補給して美肌に

セラミドは肌の潤いと健康を保つために必要な成分であり、スキンケアアイテムに含有されることも多いです。しかし、基礎化粧品を全身に付ける人は少ないことも事実です。フェイスだけではなく、ボディにも潤いを届けたいという人は、セラミドが配合された食べ物を積極的に摂るのも良いでしょう。動物性の食べ物と、植物性の食べ物をバランスよく摂るのが望ましいでしょう。しかし、セラミドを多く含む食品を摂っているからといって、美肌が叶うわけではありません。タンパク質や、ビタミン類など、健やかな肌づくりに欠かせない食品もしっかり摂るようにしましょう。「毎日セラミドを多く含む食べ物を取るのは難しい」という人は、栄養バランスを整えるための補助としてサプリメントを活用してみるのも良いでしょう。

B/Hマガジン編集部

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