プロテオグリカンとは
プロテオグリカンとは、プロテイン(タンパク質)とグリカン(多糖)を意味する名の通り「糖タンパク質」という物質です。
細胞壁の外に存在し、細胞と細胞の間を埋める物質(細胞外マトリックス)の主要構成成分です。細胞間の物質であることからヒトのみならず、哺乳類、鳥類、魚類と多くの生物に存在しています。そして体のいたるところに含まれてその役割を果たしているので す。軟骨、骨、皮膚、健、脳、血管壁など重要な部位などに多く含まれています。 鮭の鼻軟骨を素材とし、その存在を確認されてきました。鮭の鼻軟骨自体は寒い地方での 郷土料理として「氷頭なます(ひずなます)」として食されてきた食べ物で、お正月の祝い膳などに並びます。昔から存在する食材で栄養があると知られてきましたが、プロテオグリカンの抽出は以前の技術では難しく、研究用の試薬に用いられた牛由来のプロテオグリカンはなんと1グラム3000万円。希少な高級品としての側面もありました。ですが難しかった抽出が近年になってようやく安定し、量産化がされるようになりました。 青森発の機能性素材として、国立大学法人弘前大学で研究され株式会社角弘が量産化に成功(あおもり PG)。
近年ようやく量産化が行われたプロテオグリカンは、健康食品や薬、サプリや化粧品などの分野でこれからの活躍が期待されている新しい物質なのです。
プロテオグリカンのはたらきとは
抗炎症作用や抗アレルギー作用、潰瘍性大腸炎の治癒効果など、免疫における医療効果を期待されるだけでなく、特筆すべきはみずみずしい皮膚の再生作用やアンチエイジング効果の美容面でのサポートの働きも期待されています。軟骨再生作用による修復、抗炎症作用による痛みの軽減などが期待されているため、膝の痛みによる悩みを抱える人にはピッタリです。
プロテオグリカンの特徴とは
プロテオグリカンは、その名の通りプロテオ(タンパク質)にグリカン(多糖類)が結合したものです。もっと言うなれば、コアタンパク質にコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカン糖鎖が結合した構造で存在しています。グリコサミノグリカンは狭義ではムコ多糖とされ、強い保水力と粘性を有するとされます。後述するヒアルロン酸もグリコサミノグリカンの一種です。
糖鎖部分には強い保水性があり、体内で水分を多く保有し、多くの糖鎖が反発しあうことにより、多数本の糖鎖がふっくらと広がった形で存在していると考えられています。ふっくらと保つことでいわゆる「ハリ、ツヤのある肌」や「潤いのある肌」となるのです。
EGF様作用による美容効果
EGFとは Epidermal Growth Factorの省略で、その意味は「上皮細胞成長因子」です。 上皮細胞成長因子は細胞の成長と増殖の分野で非常に重要な役割を果たしています。細胞の増殖をするということは、同じだけ古い細胞が破棄されるということです。新しいものと古いものが入れ替わり続けることで若々しい肌を保っていられるのです。ですがこのEGFは、年齢とともに減少するということが分かっています。細胞が増えにくくなれば入れ替わりも遅れ、古い細胞の割合が増えていく。これが肌の老化につながるのです。
プロテオグリカンはそのEGF様領域へ作用することがわかっており、作用することによっ て細胞の代謝を促し若々しい肌へなるためのサポートをしてくれます。肌荒れに悩む人の強い味方になってくれることでしょう。
ヒアルロン酸産生促進作用
産生促進作用の前に、ヒアルロン酸の話をしていきます。 ヒアルロン酸とはグリコサミノグリカンの一種で、高い保水性と粘性をもちます。1グラムで約6リットルもの水を抱えることが出来る、きわめて高い保水力が特徴のムコ多糖の一種です。皮膚や関節に多く、ヒトが保有するヒアルロン酸のうち約半分は皮膚に存在するとも言われています。その保水能力で乾燥を防ぐ保湿成分として化粧品に添加されたり、粘性で関節の摩耗を防ぎ、主に「膝関節のサポートに!」という謳い文句のサプリメント商品でその名を聞いたりすることも多いでしょう。
プロテオグリカンはヒアルロン酸の産生を促進する作用があるとされており、ヒト正常真皮線維芽細胞を用いた試験では、プロテオグリカンの添加量に応じてヒアルロン酸が増加する結果を得られたのです。
I型コラーゲン産生促進作用
ヒアルロン酸同様、まずはI型コラーゲンのお話から。コラーゲンは繊維製のタンパク質で、体内でも合成できる物質です。体内に広く分布されており、役割も様々です。よく耳にするのは皮膚や骨を形成し弾力性をもたせることでしょう。その他にも関節の軟骨のクッション性を保持するはたらきや、各種臓器の組織の柔軟性の維持も担います。目の角膜や硝子体の成分でもあることからその多様性と広分布その多様性を大まかに分けてI~V型の種類とし、I型コラーゲンとはそのコラーゲンの中で体内含有量が最も多いもので皮膚のコラーゲンのほとんどを占めるのです。皮膚の弾力性は ほとんどI型コラーゲンのおかげと言っても過言ではないでしょう。
プロテオグリカンはそのI型コラーゲンの産生を促進する作用があるとされています。ヒト正常真皮線維芽細胞を用いた産生促進作用を見る試験で、プロテオグリカンの添加量 に応じてI型コラーゲンが増加する結果を得られたのです。
保水力の高さで注目される美容成分
ヒアルロン酸と共に保水力が注目されるプロテオグリカン。添加した化粧品やサプリメントでの経口摂取が主となるでしょう。化粧品では水溶性のためベタつきもなくさらりと した肌心地、サプリメントとなると食事のついでにと気軽に摂取できます。 摂取したプロテオグリカンは、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生促進にはたらきかけて 肌のフレッシュさを保つお手伝いをするのです。
優れた保水力を持つ
プロテオグリカンは1グラムで約6リットルの保水力を持つヒアルロン酸と比較した時、ヒアルロン酸以上の保水力を見せます。その保水力をもって肌の潤いを保ち、ハリツヤのある肌のお手伝いをしてくれるのです。
線維芽細胞の増加
美容に良いとされるプロテオグリカン。ナチュラル素材から抽出されたそれは保水力も魅力の一つですが、もう一つ。線維芽細胞を増やすことも美容に良い点として魅力的です。 線維芽細胞(真皮線維芽細胞)とは、真皮に存在する細胞で、前述してきたコラーゲンやヒアルロン酸をはじめとした美容に良いとされる成分を作り出す元となっています。コラーゲンサプリやヒアルロン酸サプリなど、「美容のために!」と思いながらたくさんのサプリを飲んでいる人もいるでしょう。ですが、プロテオグリカンなら期待される効果が変わらず飲むサプリの数を減らすことも可能になるのです。
よくある質問
Q.プロテオグリカンの安全性は?
A.プロテオグリカン自体はヒトにも存在する成分で、鮭から抽出されるものは酢酸とエタ ノールを使って抽出しているため身体には無害です。
Q.どのくらい摂取すればいいの?
A.1日10グラムを半年続けて経口摂取すると、関節の軟骨部分でプロテオグリカンが増 加したという試験研究結果があります。